2010年元日

新年明けましておめでとう御座います。
今年もよろしくお願いします。

どんな年になるでしょう。自動車業界に関して言えば、けっこう面白い展開になるかもしれません。まず大きな話題を集めそうなのは、1月5日から開催のニューデリーモーターショー。トヨタとホンダ、スズキからアンダーAセグメントの低価格車がデビューします。現時点で全く情報無いですけれど、相当の力作とのこと。

残念ながら春の話題は少ない。CR-Zで盛り上がる程度でしょう(安価で高性能ならけっこう話題になる)。自動車雑誌的にも大潮の干潮を迎えそうな雰囲気。底を見るようになるかも。「企画の勝負」ですね。ゴールデンウィークを乗り切れば、少しづつ話題も多くなって行きそうな気配。

例えば夏前にデビューするマーチ。何度も書いてきた通り労働コストの高い日本から逃げ出し、タイの工場で生産し日本に輸入される。仕上がりレベルと価格のバランスさえ納得できるレベルなら、このクラスのクルマは海外生産となってしまうかもしれません。空洞化を真剣に考えなければならなくなるか?

秋はフィットのハイブリッドで盛り上がるでしょう。価格設定次第でコンパクトカーに決定的な影響を与える可能性大。ちなみに150万円前後(普通のフィットの30万円高)価格なら、100万円以上のコンパクトカーに決定的なダメージを与えることでしょう。逆に170万円を超えれば、インサイトの二の舞です。

年末になると、いよいよ大本命であるリーフのデビュー。どんな価格設定にしてくるのか現時点で全く読めませんが、補助金を使って300万円以下に入ってくれば相当売れるかもしれません。こう書くと「300万円じゃ高い!」みたいに感じる人もいるでしょう。考えてみてください。EVならガソリン不要。

220万円のプリウスを購入し、10万km走ればガソリン代60万円。合わせて280万円。15万km走ると310万円になる。一方、深夜電力を使ってリーフを10万km走らせたら電気代13万円。車両価格と合わせ313万円。15万kmだと320万円。自動車税(EVは当面免除?)など考えればトントン。

リーフのライバルをプリウスでなく普通のガソリン車にしたなら、圧倒的にリーフ優勢。参考までに書いておくと、車両価格を400万円に設定したなら補助金100万円程度になると思う。すなわち300万円で買えることになる。日産NEC製のバッテリー、コストダウンが狙い通りに進むと大ブレークするかも。

いずれにしろ売れるクルマはコンパクトカーや価格コンシャスのモデルを除き、21世紀的な価値観&技術を持つか、でなければ強烈な20世紀的な楽しさを感じさせるクルマに限られると思う。中途半端はダメです。

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7 Responses to “2010年元日”

  1. ポール より:

    明けましておめでとうございます。いつもためになる記事をありがとうございます。今年も楽しみにしています。よろしくお願いいたします。

  2. samine より:

    明けましておめでとう、と言って良い年かまだ解りませんがf^_^、兎に角おめでとうごさいます。
    マーチの件でも思いましたけど、日本の製造業はこれからはハイテクとか高級とか、高い価格でも売れる車をメーカーが作れなければ空洞化で終ってしまいますね(汗) しかも日本じゃなきゃ造れない商品でないと!となると、どんなモノがあるでしょう?
    いくらリーフが凄いとか云っても、技術なら中国がスグに追い付いてしまうでしょうね。マーチみたいにコストダウンを求めて中国生産に、となったら尚更です。
    欧州車は内外装の抜群のセンスの良さとか、走りの愉しさとか、日本メーカーを含めてカンタンには真似出来ないモノが充分揃っているので盤石ですケド、日本車はそういうのホトンドないですから…。
    最近の新型車を見ると、デザインや走りなんかは特に日本車は益々酷くなってて欧州車との格差が広がってる一方で韓国車は欧州車にすらドンドン追い付いて来ているので、日本車なんか追い越されるのは時間の問題かと…。
    暗い話ばかりの新年ですが、豊田社長自ら「トヨタ車には″味″が無い」と認めてらしたので、これからのトヨタの頑張りに期待するしか無いですね。まずは酷くなるばかりのトヨタデザインを何とかしろと言いたいですが…。トヨタも好い加減、「商品」じゃなく「作品」を作って欲しいですね。「商品」は世界中何処でも造れるけど、「作品」は本場じゃなきゃ作れないんですから…。

  3. あけましておめでとうございます。
    昨年は毎日楽しみにしておりました。
    今年も期待しています。どうぞよろしくお願いします。
    ちなみに私もなにか新しい事をやりたくて、昨年はクルマのSNSなるものを始めてみました。
    最近では、会社でもプライベートでもクルマの話題が出てくる事がなく非常にさみしい状況にあります。
    SNSでは愛車に関するパーツや整備など、本当に知りたい実地の情報がわかるし、クルマ好きの皆さんと双方向で情報のやり取りもできます。
    昨年はその勢いに乗じて、良心的なショップさんと出会えて、HIDを装着したり補強パーツを組んだり、ネットオークションで競り落としたパーツを取り付けたりして楽しんできました。
    今年も限られた予算(お小遣い)の中で、日本中のクルマ好きと情報交換をしながら愛車に手を入れて、クルマの進化とカーライフを楽しんでいきたいと思います。
    ちなみにSNSを見ていると、本当にいろいろなカーライフがあるものだと実感します。日本でももっと多様な楽しみ方が根付いてくると良いと思います。

  4. 3rdCarはEP82 より:

    国沢様
    あけましておめでとうございます。
    毎年、毎日、有用な情報をいただき、心より感謝しております。
    最近、いろいろな分野の話で、私が妻に『国沢さんが言ってたんだけどさぁ。。。』って
    枕詞をつけるものだから、妻に『国沢さんてクルマの評論家だったよね?』って言われ
    ました。(笑)
    そういう幅の広さが、私たちファンの心を掴んでいるんでしょうね!
    毎日、情報発信し続けることは、とても大変だと思います。
    今年も、楽しみにしておりますが、どうぞ、お身体に気をつけて頑張ってください。
    本年も、時々、掲示板にお邪魔することをお許しいただければ幸甚です。
    よろしくお願いいたします。

  5. ぱんだねこ より:

    あけましておめでとうございます。
    去年はエコカー一色でした。今年もそんな雰囲気ですが、HEVやEVは高価ですからね。それでも、登場することによって、路上テストデータを蓄積し、本格的なEV時代の準備をする年になると思います。
    個人的にはCR-ZとFitハイブリッドが期待大です。Fitはより安価で出てくればHEVの普及に拍車がかかり、小型はマイルドハイブリッドがよいという結論が出ると思います。ちなみにハイブリッドでないインサイトが1.3L+低圧ターボで登場して、でかすぎるシビックの代わりをしてくれても良いと思ってしまっております。
    プリウスは、こちらも価格を見直して欲しい気がします。Sが210万なら適当ではないでしょうか。SAIがあるのだから。
    リーフ(その他EV)は、運転するなら面白いですが、自宅に200Vを引く必要もあり、高価だから難しいと思います。いまだ補助金をアテにしていて、これは政治と絡みますし、2010年末にはEV普及の方向性が見えると思います。

  6. tt より:

    EV普及のカギになりそうな電池のリース方式ですが、
    携帯電話の契約を参考にしたらいいと思います。
    月額基本料を支払いつつ、テレメトリング技術を導入して、距離分を課金(定額上限あり)
    全く乗らない月は基本料のみ。
    オプションでナビ更新や盗難サーチなどのサービスも付ければ新たな収益にもなると思います。

  7. tm256 より:

    昨年後半より国沢様のブログの固定リーダーとなりましたので、今年もよろしくお願いします。
    当方はエコカーにしか興味ないので、それ以外は基本的にスルーさせて頂きますが・・・
    ホンダのフィットHV、やはり価格ですよね。160万を切れるかどうか、ホンダの首脳がこういうネット上の声も反映するのか興味があります。あと、CR-Zは確かに魅力的なのですが、環境対応本命を考えると、やっぱり一時的な解にしかならないのではという感じもします。
    クルマへの燃料電池搭載がインフラや製造コストから当面現実解でないとすれば、ホンダがこの先HV/EV/PHVでどう展開していくのか、伊東社長のお手並み拝見となるでしょう。個人的には、ホンダにはテスラ・ロードスターみたいなスポーツEVを出して欲しいです、トヨタより先に。
    日産の本命、LEAFは今年後半の発売が楽しみですね。
    冷やかしでオンラインで購入予約までしてしまいました。(当方はいま集合住宅なので本当に買うか、まだかなり疑問ですが・・・)
    AESCのLiイオンバッテリーは自他共に認める代物のようですから、確かに他社への供給なども決まって量産が実際に軌道に乗れば、本当に「お求めやすい価格」のLEAFがプリウスのように爆発的に売れるかも? トヨタの市販用PHVはまだ当分先ですし(というか、市販用PHVの前倒しをトヨタが迫られるのか)。
    ともかく、日本の自動車市場では景気停滞や需要の頭打ちを背景に、クルマ離れと二極化が続くことはほぼ間違いなく、政策がドラスティックに変わらない限りEVだろうがHVだろうが、買わない(買えない)人は買わないでしょう。
    となると、後は結局地方の人々のアシとクルマに思い入れのある人向けの趣味性の強いクルマへの二極化、それにCO2排出量削減などの環境対応とピークオイルを睨んだ電動化、この辺でいかに売れるクルマを開発し、適切な価格(アシは安く、エンスー向けは文字通り適切な値付け)で市場に投入できるか、がカギでしょう。

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