謹賀新年

もし私が自動車メーカーの商品企画担当なら、猛急で思い切ったベーシックカーを作る。ボディサイズはヴィッツと同等とし
車重800kg以下。軽自動車用をベースにした3気筒の800cc〜900ccでいいだろう(パーツも可能な限り流用する)。少しだけコスト掛け、トヨタと同じ方式のアイドルストップを付けたい。CD値を0,32くらいに抑えてやれば、プリウスと同じくらいの実用燃費が可能になると思う。

遮音材などは必要最小限で問題なし。安全装備も運転席+助手席エアバッグとABS、64kmオフセット衝突クリアのボディ構造のみで十分。軽く作ればブレーキも大きな容量要らないから、転がり抵抗少ない13インチタイヤでいいだろう。コスト掛かるインテリアは徹底的にコストダウン。安全面で必要となる部分を
除き、鉄板むき出しでOK。シートなんかハンモックのような作りにすればいい。ベンチマーク、VWビートルですね。

グレードは作らず、カラーも3種類あれば上等だ。規定サイズの丸目ヘッドライトでいきたい。その代わり価格を80万円以内に抑える。おそらく日本だけでなく世界的な需要があることだろう。この手のクルマを作ろうとした場合、社内で出てきそうな反対意見は「儲からない」「既存のクルマの市場を喰われる」。けれどユニクロやマクドナルドのように思い切ったことをやらないと、おそらく「新しい時代」は乗り切れないと考えます。

こいつをベースに、EVモードで40km程度の航続距離を持つバッテリー(5kWh/iMiEVの3分の1くらいの容量)を搭載し、定格10kw/最大
15kW(約14馬力/20馬力。400cc前後の水平対向なら振動も騒音も気にならないだろう)程度の発電機を搭載するプラグインハイブリッドを作る。140万円くらいで売れば燃料コストで車両価格分を取り戻せることだろう。家庭用太陽光発電装置と組み合わせると、ほぼ燃料代掛からず。

EV技術のある三菱自動車や富士重工あたりが全社的に取り組むなんていかがか? 素晴らしい次世代ECOカーになるんじゃなかろうか。ちなみに利幅大きい大型車ばかり作ってきたビッグ3にとって「安くて燃費の良いコンパクトカーを作る」というのは、日本車が上記のようなクルマを作ることに匹敵する大きな決断を
しなくればならない。いろんな意味で中途半端な妥協や決断じゃ乗り切れない時代になると思います。

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5 Responses to “謹賀新年”

  1. タコの骨 より:

    国沢さんの構想はとても良いと思います!
    しかし、贅沢三昧なクルマに慣れ切った上に、高級車さえ中古なら格安で手に入る現代日本人には、それを内装や外観にはチープだと感じさせずにデザインへ機能をいかに盛り込んで表現するかが大切だと思います。
    軽量だとしてもデザインにはお金が掛かっていて安っぽくないなら欲しいです。

  2. かわ より:

     私も賛成です。スバル360のイメージの車なんか良いんじゃないですか?チンクなんかも良いです。フィアットもニューチンクを低価格で出せば私も買ったのに。(デザイン好きです。)今のは高すぎ!
     モーターショーで出ていたスバルR1の元になったモデル、アレすごくかっこ良かったけどな...あの形のままR1にすれば買ったのに。
     今だとダイハツのエッセなんかいい線行ってるのかな?
    いろんなこと考えると楽しくなります。やっぱり決め手はデザインかな〜

  3. 匿名 より:

    少し逸れてしまいますが、トヨタのiQの発売は皮肉にもタイムリーであったと言えると思います。本格的なエコカー登場までのつなぎとして、イメージをリードする立場を得たのではないでしょうか。既に正月の路上で見かけるほどです。第一四半期の数字次第では、このカテゴリーへの本格シフトも現実味を帯びてくると思います。

  4. ぴーうぃ より:

    国沢さんのおっしゃる「エコでベーシックな車」には大筋では賛成です。
    でも、どうして800〜900ccという微妙な排気量になるのでしょうか?少なくとも今は「軽自動車」という枠が日本にはあるのに。
    私は古いスマートKに乗っていますが、駐車場に止めておくと未だに(主に年配の方々から)「どこで買えるのか?」という質問を受けます。みなさん「ベンツです」という答えにがっかりし、「今は軽でなくなった」という答えに二度がっかりします(笑)
    軽自動車という分野に取りこぼしている潜在的購買層はないでしょうか?私はあると確信します。
    海外ニーズ中心の車作りではなく、もう一度国内のマーケットに目を向けてみる。内需拡大のためにも必要なことではないかと思います。

  5. eburico より:

    私もその意見には大賛成です。
    ただし今でも日本車のデザインは十分安っぽいのに、これ以上安っぽくならない事が条件で。
    例えばiMiEVのバッテリー容量を半分にして、代わりに660ccのエンジンを付けて必要に応じてエンジンを回して充電すると言うような車や東京モーターショウに出品されたスイフト・プラグインの様な車が150万円位で発売されたのなら即欲しいです。
    しかしiのベース車でも900kgを超えてきているので、どこをどうやって軽量化して、電池を積んだ状態で800kg前半までもって行くかは各社の腕の見せ所だと思います。

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