謹賀新年

トヨタ86の面白さは「限界を追求しなかった」という点に尽きる。今まで日本製スポーツモデルの全てが「純粋な速さ」だけを追求してきた。絶対的な加速力やコーナリング性能です。しかし! そういった性能など使い切れない。ワインディングロードで必要なコーナリング性能って、せいぜい0,8Gでしょう。

それ以上速いコーナリングをしようとしたら、コーナーの先が見えないです。安全確認せずコーナーになんか飛び込んで行けぬ(だからこそ対向車来ないラリーは超楽しい)。じゃなぜ今までの日本製スポーツモデルが単純に速さを求めてきたか? こらもう簡単。ニュルを公道の王様だと思っちゃったからだ。

確かにコースコンディションは公道の如し。でも対向車無し。200km/hオーバーのコーナリングだってしなくちゃならない。おそらくスバルがFRスポーツカーを作ったら、速さを追求した思う。多田さんの面白さは「速さなんかどうでもいい!」と考え、ECOタイヤ履かせたことである。拍手ですね!

昨年出場したタイのラリーに、トータル100kmくらいの舗装ステージがあった。タイ
ヤはジャリ道用なので頑張っても0,8Gくらいの横Gしか出ないと思う。当然ながら滑る。でも限界低いため十分にコントロール出来ちゃう。Sタイヤ履けばタイムアップするだろうけれど、同時にリスク増、操る楽しさが減るかと。

つまり速度上がり危険な上、運転していて楽しくないというワケ解らんことになってしまう。ということを日本製スポーツモデルはずっとやってきた。GT-Rを見ると、その頂点にある。いや、ホンダの次期型NSXあたりも、この呪縛から抜け出せていないかも。古い、ということが認識出来ていないのだ。

多田さんは「21世紀に於けるクルマの楽しさ」を考えたのだろうか? ムカシのクルマも限界低かった。往年のミレミリアとかの話を聞くと、タイヤ性能低いので本格的なスポーツカーだってテール流して走ってたそうな。絶対的な速さと楽しさがイコールじゃないことを、そろそろ学んでもいいと思います。

やるべきことが見えた時の日本人の強さは世界一。「楽しいクルマ」が「速いクルマ」じゃないという認識が共有されたら、楽しいクルマだってたくさん出てくる
と思う。とりあえず考えるべきは新しい駆動システムを採用する次期型NSXでしょう。コーナリング限界を追求したら、きっと売れないと思う。

されどジャリ道用タイヤを履いたラリーカーのような楽しさを実現できたなら、新しい価値観を持つスポーツカーになると思う。速いだけのスポーツカーなんか
フェラーリやポルシェに任せておけばいい。スポーツカーを開発している人達にジャリ道用タイヤ履いたラリーカーを乗せてみたいです。

・ECOIカーアジアは「リーフは安い?

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9 Responses to “謹賀新年”

  1. 小言大王 より:

    岩手にて、復興に取り組んで参ります。皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。
    さて、親方様の内容からは少しズレるのかもしれませんが、最近、公道における走行速度は、確実に下がって来ています。
    それは、高齢者ドライバーが年々増加していることが、一番の原因と推察されます。
    トロトロ走っていたり、突然出てきたり、急に曲がったり止まったりするため、渋滞の原因になっているのです。
    この様な環境下では、いくら限界性能が高い車を造っても、その性能を発揮する場が無く、かえってストレスが溜まってしまいますよね。
    私も限界を極める走りはしないので、普通のスピードで気持ちのいいドライブができる車が増えるといいですね。
    個人的には、プジョー207CCのようなメタルトップで気軽に空と友達になれるような車を作って欲しいです。

  2. kine より:

    限界が低くても楽しめる車、EP71Ri,限界が低いので2速でタックインでリヤが出てハーフスピンしても道路の上でいられました。
    軽くて限界が低いおかげです、
    その後に4輪駆動のリベロに乗ったのですがパワーも無いのですが雪道でも安定していて姿勢を崩すことが難しく、姿勢を崩すにはもっとスピードを出さなければダメで、私には扱いきれない領域になりそうなので振り回すのは止めました、安定はしていても面白みに欠けます。

  3. 匿名 より:

    あけましておめでとうございます。
    時期型NSXは絶対的な動力性能を極限まで追求した「古い考え」のクルマになると思います。それこそ「GT-Rとは違うアプローチでGT-Rを超える」のが目標なのでは? 仮にもメーカーのフラッグシップスポーツですし、開発陣も当然「NSXの名に恥じない性能のクルマを開発しなければ!NSXの名に傷を付けてはいけない!」意識というか「精神」を持ってるでしょうし。
    結果、採用した駆動システムがHV+電動SH-AWDの「全く新しい新世代4WD」だったとしても、メーカーが訴求するのは結局は従来と代わり映えしない「ニュルで○分○秒…」「異次元のコーナリング性能」等の絶対的動力性能至上主義…でやっぱり値段はバカ高い…なので一部のお金持ち以外は手が届かない…なので売れない…になる可能性が高いと思います。
    …しかし街には未だに初代ユーノスロードスター(NA型)やビートが現役で走ってます。「楽しいクルマが速いクルマじゃない」のを分かってる人達って結構沢山いると思います。現にこの2台に関しては未だに新しいアフターパーツが開発・発売されてます。しかもビートに至っては今頃になってホンダアクセスが期間限定でサスペンションやオーディオ等の「アフターパーツ」を販売してる程ですから、ホンダの中にもこういう「「分かってる」ユーザー層を大事にしたい」という人達もいるのでしょう。ただこういう人達の考えがアフターパーツの期間限定供給レベルに留まって、肝心の新車開発レベルにまで届かないのは残念ですね。
    しかもせっかく上記の2台が世に問うた「クルマの楽しさ」が「ライトウェイトFR(またはMR)は楽しい」と別枠扱いで限定的に捉えられたのは不幸だったと思います。この時以降、「クルマの楽しさ」という普遍的な大きな話が単なる「駆動方式の好き嫌い」という狭い世界の話に縮小されてしまった様に感じられます。
    …でクルマがどんどん高性能になって絶対的動力性能重視になっていくと普通の人達は一般道ではそんな性能は到底出せませんから、残された「クルマの楽しさ」は「MTで自分でクルマを操る」楽しさだけ。「FRのMTが最高のクルマ」という「嗜好」はこんな風に出来上がり広がったんじゃないでしょうか? これにはクルマ雑誌等のメディアの影響もかなりあったと思います。
    個人的にはホンダにはもう一度CR-Xデルソルと同じコンセプトのクルマを発売して欲しいですね。駆動方式やトランスミッションは何でもいいです。そしたら鬼ローン組んででも買います(笑)。以前も記しましたがレンタカーのプジョー206CC(←FFのAT)でデートした時の楽しさは強烈でした(笑)。

  4. さね より:

    話を聞くと、初代ロードスターみたいな感じなのかな?ロードスターは初代の古いやつしか乗ったことないので。限界低いし軽いし低重心な感じだったし。でもAE86はもっと限界低かったですノンスリやらサスなどいじってありましたけど。後かなり年代物でポンコツでした。初代ロードスターのほうがたのしかったかなぁ。BRZも含めて楽しみです。しつこいですが激安な値段であるよーに祈ります。

  5. 団塊eurasia より:

    日産GT-Rを所有していたクルマ好きの知人(歯医者さん)が最近、VWポロGTIに乗り換えました。   理由を聞いたところ、一般道路を運転していても全く面白くないし、運転中は常に他のクルマ以上の速度を出し、アグレッシブな運転をしなければならないという強迫観念にとらわれ、リラックスした気分になれず、ストレスを感じるとのこと。
    これは、片側2車線で軽自動車や普通のセダンに追い越されたりすると、普段は温厚な紳士がオオカミになる(性格が変わる)というやつです。
    以前、「クルマ技術の進歩は運転する楽しさに反比例する」と書きましたが、今のクルマ(特に高価格スポーツ車)は、装着するタイヤも含めて絶対的な限界レベルが高すぎ、さらに多少無理な走りをしても、VSCやTRS等の電子制御デバイスが巧妙に入り込み、破綻することなくオン・ザ・レール感覚でコーナリングできます。
    技術の進歩を否定することはできませんが、限界の低いクルマで山道や空いた公道を緊張感を持って運転し、うまくできた時の高揚感を味わう(刺激を求める)というのは昔のことになってしまいました。
    今後、クルマがA地点からB地点への単なる移動手段ではなく、運転して楽しい(fun to drive)であるためには、公道上で法令を順守する速度レベルでもスポーツ・マインドが満足できる内外デザイン、操作系のスムーズさと適度な重さ、明確な節度感、エンジンの吸気音、排気音、快適に感じる振動(鼓動感)等のヒトの感性に訴える品質を追求することが自動車メーカーにとって必要になると思います。

  6. オロネロ より:

    明けましておめでとうございます。
    本年もよろしくお願いします。
    86のエコタイヤは非常に残念ですが、
    「速さよりも楽しさ」というのは素晴らしい判断ですね。
    というのも、以前雑誌で
    「スポーツカーの開発者はサーキットのタイムでもって、車を判断する」・・みたいなことが書かれてあったので。
    どうしても、どのメーカーも呪縛に陥ってしまうらしいです。
    その方が「分かり易い」し、「宣伝しやすい」ですからね。
    そこから離れて開発するのは、ある意味勇気が必要だったかも知れません。
    ですが、これこそが「普通の人が求めている」あるべき姿だと思います。
    もちろん速さを求める人はいるでしょう。
    しかし、公道でレースじみた事をされるのは危ないし、迷惑なだけです。
    これは、「楽しさを追求した」車であっても同じですが・・・
    スピードをそれほど出さなくても楽しい・・のであれば、
    単に速さを求めた車よりも、よっぽど健全ではないでしょうか?
    あとはこの流れを絶やさず、車文化の一部としつつ、
    値段とデザイン(いわゆるスポーツカーっぽくしないで、お洒落な感じで)を頑張ってもらいたいですね。
    メーカーも売りっぱなしではなく、マナーの啓蒙にも努めてもらいたいです。

  7. 小林 英弘 より:

    個人的にはCR-Xデルソルと同じコンセプトのクルマをもう一度発売して欲しいです。というかデルソルそのものを再販して欲しいです! そしたらかなりの高確率で買います(笑)。ルノーのウインドは左ハンドルのMTのみ+2DINナビが取付不可とちょっと非現実的ですので。
    PS1:PCが古いので時々コメントをうまく送信できなかったり名前が消えた状態で送信されてる様です。すみません。さっきヤフオクで買い物しようと「今すぐ落札」をクリックしたら新規ログインを要求されて、ログインしたら今までの評価等が消えてて「新規」になってたので気付きました。PCに何かあるとこのコラムの投稿欄の名前等が消えてしまう様です。昨日の夜に長いコメント送信したのは私です。
    PS2:ちなみに落札したのは雑誌『CR-Xデルソルのすべて』の中古本です(笑)。

  8. 忠ー作 より:

    こんばんは。トヨタ86及びスバルBRZの情報、出るたびに楽しみに拝見しております。
    雑誌等でも巻頭としてすごく盛り上がっていますね。
    ツイッターなどのつぶやきを見ていると、相変わらずアンチトヨタやエンジンスペックや車体サイズに批判的な方が多く目に付きます。
    しかし、クルマ素人の自分でも何かこのクルマが今世に出ることの意義はとてつもなく大きなものであると察しています。
    スバルとトヨタでは双方のファンの趣向を見ても対立してしまいうところはどうしてもあるのしょうが、もはや86.BRZに関してはこれから購入するであろうユーザーにメーカーは多くのものをゆだね与えた気がしています。
    公にはでないであろう部分。スポーツ車衰退の中での専用車両の開発、猛烈な円高によるコスト調整の中での動く生産者達、双方メーカーのポリシーやアイデンティティーに歩み寄った事のエンジニアの葛藤など。
    自動車史を見ても何か今までになくとても大きな犠牲の上に産れた希望の車であると思っています。
    私事ではありますが、自身、現在20代後半で都内暮らしの超安月給。経済的にとても新車を拝む事は出来ません。
    もし、予算や環境が許し、購入できる方がおられるのであれば86やBZRを楽しんでいる姿を見せてほしいです。
    もし、数年後中古車で買えることがあれば、例えボディーに傷が付いていてバンパーが凹んでいても、前オーナーのクルマ好き魂を引き継ぐべく気持ちで乗ることができる気がしています。
    高齢社会の中で、年老いた親を2シーターに乗せる事は出来ないでしょう。今乗れる人が乗らねば本当に廃れてしまう...。
    昨年末の事、スーパーの駐車場にてセレナから降りてきた家族に居た5.6歳であろう男の子が、隣りに駐車してあった赤いホンダビートを目の当たりにして「カッコいい!!」とはしゃぎ連呼していました。やはり子供はスポーツカーが本能的?にカッコよく見えて憧れるのかと思いました。お父さんは複雑な心境であったかもしれませんが(汗)
    震災後に親類一同が再会する機会があり、その席にて普段寡黙で車の話など語らない親父(61)が2000GTを語りだしたり、過去にホンダS800に乗っていた事などを話しだしたりし、自身身近に在るのに出なかったクルマネタがある事に猛烈に驚きました。
    自分は今は感情論むき出しでクルマに乗ることの出来る末端のいちユーザーとして楽しいカーライフを送りたいと思っています。
    今後も、このブログにても86ならずとも楽しいクルマの情報を楽しみにしております。

  9. 真鍋清 より:

    突然ですが小生、先の佐野厄除け大師への初詣に続いて今度は訳あって埼玉県羽生市の日本精工(NSKベアリングのメーカー)に愛車ヴィッツ1300U-Lで東北道をクルーズし、先ほど帰ってきたばかりです。
    出発前にエンジンオイルにKURE製添加剤を混入したこともあり、今までになく高速域でのパワー感が高まった上瞬間ごとの加速感に鋭敏さが加わり、加速感の粒子そのものが尖ったものになったのはどこか「得な発見」?かと思います。
    この初代末期ヴィッツ、直進安定性こそギリギリ及第点とは言うもののコーナリングなどS字型コーナーには怖くて飛び込めないほどの代物、結局限界など恐ろしく低いのは明白です。
    しかしそれでいて、乗っていると特有のイキイキ感が味わえて決して不快にならないのはなんでだろう?―それは乗り手の体質故人一倍ぶん回された末に十二分に当たりが付きまくったエンジンのレスポンス故であり、不快な横揺れがない爽やかな減衰特性の足回りのせいもあろう。それ以上に巨視的に見た場合、シンプルでプリミティブな感触を残しながら人車一体感を保つだけの「手に余らない性能・パワー特性」を生み出すメカに帰せられるのではなかろうか。
    等々あれこれ考えるに、他の方が言われていたように日産GT-Rなど「530馬力マシン」も我が国の路上では「陸に上がった河童」にほかならず、乗り手の潜在的フラストレーションを刺激するだけで値打ちの1/100も楽しめないというのもむべなるかなではないでしょうか―彼が乗り換えたVWポロGTIの1.4リッターターボ180psの方が遥かにアクセルのオン・オフを身体で楽しめて乗り手に一定のリズムを与えるかというものです。
    国情にあった高性能とは何か?を考えるに、ホンダが鋭意開発中の1.0-1.3リッター級新エンジンを搭載して軽量化必至の次期フィットやそれをベースとした2シータースポーツ、さらに同社のN-BOXを皮切りとした新世代軽自動車やそれらのコンポーネンツを生かした様々な展開の方が日産GT-RやレクサスGS-F(2013年登場の公算大)などよりずっと将来につながる示唆に富んでいるかと思いますが国沢さんは如何でしょうか。
    PS(追補)
    愛車ヴィッツ1300U-L/2004年式はこのたび94467kmに達し、高速+市街地の平均燃費は14.91km/lへと従来の同条件よりも40%!!!!も向上、KURE製オイル添加剤が決して眉唾ものでないことが証拠付けられました。

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