豊田章男会長、ダイハツがやらかした不正のお詫びでタイへ
日本ではダイハツの不正として報じられている側面衝突試験の問題ながら、実害を受けているのは東南アジアでダイハツからOEMを受けているトヨタだ。ヤリスより一回りコンパクトなAセグに属す『アギア』や『ヤリスエイティブ』というダイハツ開発&生産モデルをタイやインドネシアなどで販売している。アギアなどは章男さんが大切に育てているGR仕様も。
この手の不正、トヨタ本体の責任じゃないということもあり、本来なら現地法人の代表やアジア担当レベルで謝罪記者会見をするのだけれど、何と豊田章男会長がアジア担当の前田さんを伴い訪タイした。訪タイする件、連休中に聞いたのだけれど少しばかり驚く。ダイハツもやらかしたことの酷さを再認識してくれたら、と思う。何度か書いてきた通りダイハツってそんな会社です。
コストのためには安全すら引っ込める。これまた何度も書いてきた通り、ダイハツと同じ低い性能のADASを付けたクルマをトヨタブランドで販売して欲しくないと思うほど。今回の件でダイハツもトヨタと同じレベルの安全意識を持ってくれたら嬉しい。ちなみに記者会見で章男さんはタイの記者から「なぜ会長がタイまで来て説明しているんですか?」という質問を受けた。
答えが秀逸でした。「タイが好きだから」だって! タイ人の心を掴みますね。最高顧問だった本田宗一郎さんがアメリカ工場の立ち上げで訪米。記者会見で「なぜメアリスビルを選んだのか?」と聞かれ「神様の思し召しです」と答えた。本当はワーカーのレベルが高い場所を選んだんだけれど、そんなこと言ったら大炎上だ。結果的にアメリカ人の心を掴んだ。
続いて別件です。本日エンビジョンAESCは世界規模で自動車用の電池生産を拡大するというニュースが多くのメディアで流れている。まるで日本の電池メーカーのような扱いだけれど、資本は80%中国です。20%が日産。むしろ日本の企業の皮を被って世界に出て行こうとしているように思う。中国のメーカーだと様々な軋轢を生むし、技術的な不信感も出てくる。
エンビジョンAESCは日産とNECで立ち上げた電池メーカーを中国の企業が居抜きで買った。作っているのは一度も原因不明の熱暴走事故を起こしていない三元系のリチウムイオン電池である。SAKURAやホンダが来年早々に発表する電気軽商用車はエンビジョンAESCの電池を使う。世界進出はいいのだけれど、中国資本なのだからリン酸鉄リチウムやナトリウムを作る?
とはいえ日本の姿をした中国企業が世界進出しようとしているのを見るのは複雑な気持ちです。
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EV系の記事には、驚くほど反応できない今日この頃デス。。
それはさておき、
モリゾウさんは、タイにラリーをしに行きましたネ!
かどうかはわかりませんが、
明らかにダイハツ社内に対するメッセージだと思います。
しかもですよ、
「これ以上お客様をないがしろにしたら、どうなるかわかってんだろうな!」という殺意すら感じます。
ちなみにですよ、
現場はすぐにでも対策できるのに、中間組織や管理者が金がねぇ時間がねぇ俺んとこの仕事じゃねぇとグダグダにしちゃうのが、大企業というやつだと認識しております。
更にですよ、
日野といい、ダイハツといい、お膝元のメーカーの不祥事に、心底責任を感じているのは、他ならぬモリゾウ会長ではないかと、勝手に妄想しています。
スズキにとってインドが大切であるのと同じレベルで、タイ・インドネシアはダイハツ・トヨタAセグの主戦場です。品質で日本を選んでもらっているかもしれないのに、お客さんに申し訳ないと考えてのことだと思いました。
日野や豊田自動織機と合わせてグループとして「ごめんなさい」するなら行かなくてもいいかもしれませんが、トヨタとしてダイハツとして大切なお客さんが思い浮かんだからだと思います。ダイハツの人も「不合格のプレッシャーに負けまして」ではなく良く考えてほしい。
>一度も原因不明の熱暴走事故を起こしていない三元系の
この辺は複雑ですが、三元系がより多くの人にわたって真価を問われる番でもあります。口出しできる力は2割ですが、不具合(発火事故)品を作らないように手を尽くしてほしいと思います。CATL・BYDと敵の多い市場なので、マネする8割の人は失敗したら後がないと思ってやってほしいです。
ダイハツが作っているとか色々考えないでアギアとかヤリスエイティブ結構攻めたデザインですね。
イメージモデルに若い男の子を使う感じも今の日本のCMトレンドとも違う。
シャレード・デ・トマソターボとか、かっ飛びスターレットターボとか、ああいう勢いを感じます。
ホットハッチが人気なんだろうなという空気感があります。
この上の購買層がピックアップトラックなのかな?
タイではピックアップが軽自動車のような優遇税制で割安に購入できるというのを聞いたことがあります。
若者がお客様ということは、気に入ってもらえばこれから先長期に渡って「お得意様」となってくれるということ。
逆にそういうお客様を会社の都合で安全性に嘘をついてファンを落胆させることは、将来に想定以上のダメージを与えることになりそう。
「タイが好きだから」一見リップサービスに聞こえる魔法の言葉ですが、豊田会長の本心とも捉えられそうです。