転がれ

最も効率の良い走り方は電車である。例えば駅間距離を3kmとしよう。走り出しは当然ながら電気を使う。しかし400mも
するとニュートラル状態へ。そこから全くエネルギーを使わない状態で転がり、停止時に回生制動する、というもの。リッター3千km走るエコラン競技も、正
しくこの走り方を行う。
 
実際、VWが開発した電気自動車は、最も効率の良い走行モードを選ぶとアクセルオフでニュートラル状態になる。しかし。自動車メーカーの多くが旧来の考え方に捕らわれてしまっており、ニュートラル状態を極めて嫌う。日産リーフの『ECO』モードも、アクセルオフでエンジンブレーキのような弱い回生になりま
す。
 
この件、開発担当者に問うと、いわゆる「鳩が豆鉄砲を喰らった」感じ。想定もしていなかったそうな。100歩譲ってテスラやi-MiEVのようにブレーキペダル連動の回生が出来ない(技術的なハードル高い)電気自動車なら、アクセルオフでの回生制動を入れるのもやむを得まい。でも日産のシステムなら可能。
 
電気自動車の航続距離を語る際、普通バッテリー搭載量がテーマになる。でも本当に重要なのは制御方法と転がり抵抗だと思う。i-MiEVにブレーキ回生を入れ、転がり抵抗も追求したら、今のバッテリー量で20%くらい走行可能距離が伸びることだろう(ヨーロッパモデルはブレーキ回生を行うらしい)。
 
ちなみにi-MiEVで最も効率の良いモードは『ECO』レンジだと思っている人が多いようだけれど、電費を追求するなら回生の量を確保できる『B』レンジである。プリウスもエコランするなら、アクセルの完全オフは禁じ手。ホンのわずかにアクセル開けた状態でニュートラル状態になり、ここを多用します。
 
転がり抵抗の追求も面白いテーマ。リッター3千km走る競技車など、少し押しただけでどこまでも転がっていく。ガソリン車と考え方を変えれば、電気自動車の性能はまだまだ上がる。満充電で200km走れるようになれば、電気自動車の評価がイッキに上がると思う。電気自動車開花まであと3年か?

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7 Responses to “転がれ”

  1. MG より:

    ガソリン車で20km/Lだしてるひとの常識ですね。ATが普及する前は、クラッチ踏んでれば慣性走行するので、頭使うひとはみんなやってました。
    メーカーがニュートラル走行勧めないのは安定性に欠け横滑りを懸念してるからでしょう。一般人はいまだにATに悪影響とかエンブレで燃料カットするからとか、誤った意見が横行してます。
    BMWのミニEVはアクセル放すと強烈な回生ブレーキが効くらしいけど、国沢さんBMWに指導してください。

  2. かず より:

    滑空状態ですね。
    20型のプリウスより30型ではそれ程滑空状態云々みたいな話題が最近減りましたね。
    ソアリング、
    最近サボっております。(∋_∈)

  3. kanbutan より:

      電車は確かにスタートする時にフルノッチにして暫く走るとノッチオフして惰行運転に入りますね。 スピードが落ちてくると再度フルノッチにしてモーター音も高らかに疾走して行くという感じですか。 この感じは昔の釣り掛け式の時代の方がより判り易かったとは思いますが。 確かに自動車でもこの方法で走れば高速道路等では航続距離が伸びるでしようね。 電車の回生ブレーキも明治の頃からあった訳ですし。
      ディーゼルカーでも長い直線等ではニュートラル状態で走ってますね。 自動運転も含めたこうした新しい制御システムについて何で国交省や経産省は消極的なんでしょうね。

  4. tm256 より:

    神奈川県が以前実施したユーザ調査でも、200kmという一充電走行距離が大半(たしか7割位かな)のユーザがEVを実用的に使えると思う閾値です。
    車体の軽量化と転がり抵抗の削減、回生ブレーキによる電力効率化を行えば、現行の160kmから200kmまで伸ばすのは結構大変とは思いますが不可能では全く無いでしょう。
    三菱自動車さんとか日産さんには、あと3年なんて言わずにとっとと取り組んで欲しいです。

  5. セーリング制御 より:

    セーリング制御
    http://golf4.blog65.fc2.com/blog-entry-164.html

  6. tmfm より:

    以前スバルのプレオRSで札幌から帯広までエコランしたました。
    発進時と上り坂以外はエンジン回転数は2000回転以下キープ、峠の下りをニュートラルで走ったところ、今まで14km/l が限界だったのが、なんと21km/l越えしました。ニュートラルは燃費に効きます。ハイブリッドでエンジンまで停止してしまえばもっと延びるんでしょうね。

  7. 真鍋清 より:

    小生の2004年式トヨタヴィッツ1300U-L(81665km走行)はカタログ燃費と実燃費の間の乖離が激しすぎて手を焼いている、率直言って。
    我がヴィッツの場合、カタログ値の21.5km/lを得られるのはCVTをロックアップさせてほとんど有効な加速が得られない状態で「滑走」させた場合でなければ実現できず、実際時速20km/hを超えればキックダウンしてしまい、事実小生の記録で19.0km/lが過去最高だった(カタログ値より12%悪化)。
    同車の場合、87ps/11.8kgmとパワーに余裕が無いだけに高速走行ではスロットルを多めに踏むことになるが、レーダー探知機が無反応なのを幸い2400-2600m/分で巡航させてなお、15.0km/l(エアコン使用で11.8-12.5km/l)の平均燃費を発揮するのは確かに賞賛すべきだろう。64ps/10kgm台の軽ターボを同様に走らせた場合、9km/lそこそこというケースもザラな上、1339ccハイブリッドのホンダインサイトでなお13km/l+が定説といわれ、そうした意味ではヴィッツ用ロングストローク1.3LエンジンとCVTの伝達効率は一定以上といって良かろう。
    それより何より小生の気持ちにひっかかるのはトヨタ側は到底現実的走行モードでは実現不可能なカタログ燃費を謳い上げ、あたかも低燃費の王者であるかの如く宣伝する姿勢、これってあと二歩で詐欺ではなかろうか。あのプリウスにしてからが38km/lの公表値と裏腹に実走行では23km/l前後であったと報告されており、10モード値を始めJC-08値は無風の上ストップ&ゴーのロス分を差し引き、しかも時速100km/hで滑走させた場合の計算値ではないかと勘ぐれてしまうのだ。
    ともあれ国産メーカーの公表データは0.6-0.7掛けすれば実走値になると考えられ、あくまで参考値と考えるべきだろう。
    以上を踏まえた上で考えれば愛車先代ヴィッツの実走データもまずは妥当に違いないだろう。タイヤの空気圧は推奨値+0.1-0.2mkgが最適であり、その点空気圧は0.3低かっただけでも燃費は25%-30%悪化することが経験上証明されており、低燃費実現の秘訣はタイヤ空気圧とオイルのグレード(0W-40以上の化学合成油:予算が許す限り!)、タンクにはKURE製パワーブースターを入れればなお理想的であることを告げておこう。

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