道交法には「横断歩道に歩行者が居たら止まれ」と書いてない。止まるなら周囲の安全も配慮を!

よく「横断歩道に人が居たら止まらなければならない」としたり顔で書く人やメディアがいる。そして皆さん「多くの人が止まらない! ケシからん!」と続けます。私は「やたらに止まるとむしろ危険」と書いてきた。実際、止まったら無理な追い越しを掛けてきた後続車(バイク)に轢かれた、みたいな事故が少なくない。片側2車線ある道路なんかも危険です。

止まらなければならないと言う人達はナニを根拠にそんな主張をするのか? 道交法を見ると横断歩道で止まるということに触れているのは以下のみ。じっくり読んでみて欲しい。「横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」とある。

停止しなければならない状況は、1)横断歩道を通行している時と、2)横断しようとする歩行者等がある時の2ケース。横断中の歩行者を見たら止まるのは当たり前でしょう。難しいのは2)のケース。小学校のように「手を挙げて」は明らかに横断しようとしている。渡ろうと考え、クルマを見ている時も横断しようとしている。クルマの通過を待って渡ろうと考えているなら判断は難しい。

その場合、歩行者に真意を聞く必要があります。したがって「歩行者横断妨害」で取り締まられた場合、重要なのは歩行者の意思です。「クルマを先に行かそうと思った」というなら、歩行者横断妨害罪にはならない。もし歩行者横断妨害で取り締まられたなら、必ず歩行者の供述を取るよう警官に言うべき。もし歩行者が「危ない!」と感じていたなら、必ず警官にその旨を言うことだろう。

ちなみに歩行者等の「等」はクルマ椅子やベビーカー、バイクや自転車を押している人を示す。またがっている状態の自転車は道交法上、歩行者に含まないと考えるべきだ(降りて横に立っていたら歩行者)。「そんなこと解らないでしょ」という意見は受け付けない。明らかに横断歩道近辺に誰も居ないときを除き、いつでも停止出来る速度じゃなければダメだからだ。

ということで道交法に則り正しい解釈をするなら、横断歩道近辺に誰も居なければそのまま通過して良い。歩行者等がいたなら横断歩道手前でいつでも停止出来る速度とし(徐行義務ではないため横断歩道20m手前で40km/hなら十分停止可能な速度)、渡ろうとしている歩行者等がいたら止まらないとならない。加えて止まるときは、歩行者の安全に最大限の注意を払うこと。

後続車の有無を確認し、抜いてくる可能性あるなら歩行者の安全を守るため阻止しなければならない。横断歩道で停止したら、気の良い人は急いで渡ろうとします。その時に後続車が突っ込んできて轢かれたら、止まった人の責任だと私は思う。だって妙な原理主義を振りかざして止まらなければ被害者は出ないですから。「横断歩道に人が居たら止まれ!」は超無責任な原理主義だと考えます。

そんな私は周囲にクルマがいなければ必ず止まります。

 

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