鉄電池!
中国で爆発的な普及が始まっている『鉄電池』(正式には燐酸鉄リチウムイオンバッテリー)は、調べれば調べるほど面白い!
なんせ現時点でも相当のポテンシャルを持つ。というか下手なマンガン系リチウムイオンバッテリーを凌ぐほど。スペックを見て驚きました。例えば充放電耐用回数2千回!
急速充電99%容量まで30分。ちなみに現在販売されているPC用などのリチウムイオンバッテリーは500回/80%まで30分である。もちろん日産NECなどが開発した最先端の電気自動車用のリチウムイオンバッテリーの場合(i-MiEVのバッテリーも含む)、そんな低い性能じゃありません。
ただ鉄電池もドンドン進化しているそうな。加えて稀少と言われる資源をほとんど使わない。材料も安価なのだ。なんと現時点で1kWh=4万円を切っている模様。つまりプリウスで使っているニッケル水素バッテリーと同等のコストになってるということだ。このバッテリー、中国じゃ大量生産してます。
北京ショーにBYDは『e6』なるタクシー用のミニバンを展示していたが、早くもこいつを60台試験走行させるという。仮に20kWhを搭載してもバッテリー代は80万円。バッテリー交換システムも実験されているため、もしかすると相当のイキオイで普及する可能性出てきた。
パクり上等で有名なBYDの『e6』
ちなみに80万円分のバッテリーで航続距離が80kmくらいあれば、タクシーなら十分実用に耐える。しかもガソリンと比べ、1万km走る毎にガソリンが安い中国でも10万円は浮く。8万km走ったらバッテリー分をペイ出来てしまう。参考までに書いておくと2千回充電出来たら16万km走れます。
意外なことに中国は移動距離が短い。広州に行った折、80kmの距離にある場所を訪ねようとしたら大騒ぎになったくらい。電気自動車が普及する要素はいくらでもある。もしかすると中国で電気自動車が炸裂するかもしれません。5年先を全く予想出来なくなってきました。
500万円くらいになったらもっと売れるだろう
また、昨晩からアメリカの複数メディアはトヨタがテスラモーター(電気スポーツカーのメーカー)と提携し、閉鎖したヌーミーの工場で電気自動車を生産する、と報じている(正式発表は現地時間の20日20時)。素晴らしい決断をしたと思う。トヨタにとって久々の大加点であります。
<おすすめ記事>
先日NHKの電気自動車の特集番組を見ました。
日本は、高度な技術で高性能を目指すとのこと。
その視点に立つと、鉄電池って言い方が、なんだか上から目線的に聞こえるのは、自分だけかしら?
中国の公称性能がどれくらい信頼できるかはわかりませんが、高くて良い高級志向は勿論ですが、安くて性能もそこそこというのが、実は最もボリュームが大きい市場だと思います。
日本の電池ビジネスが、ケータイのように高度高級最先端に特化しないよう注意が必要だと感じています。
スズキは三洋の電池に決めたようです。私は提携しているVWの影響だとは思いません。スズキとして三洋を選んだと思います。三洋については生産規模とシェアの話題ばかりで電池のスペックについての情報がありませんがどなたか情報をお持ちでないでしょうか。スズキのスイフト プラグインハイブリッドは小型車でインドとかでも販売を考えているはずでそれなら価格は安いことが大前提ですから電池をかなり安く手に入れることが必要だと思います。
前にも書きましたが、僕も注目してます「鉄電池」(LiFePO4)。と言うか、自作電気バイク用に中国メーカから直接買おうとしています。値段も安いし、セルを組み合わせたカスタムバッテリーパックをとても熱心に作ってくれます。
鉄電池の売りは安定性と価格ですね。リチウムイオン電池の弱点である、満充電状態で保存した時の劣化にも比較的強いとされています。反面、エネルギー密度はマンガン系の方が優れているとされます。
ただ競争が激化すると、鉄系の性能が向上するのが早いか、マンガン系の価格が下がるのが早いかもう予測出来ないですね。今後は脱落するメーカがドンドン出てくるでしょう。悠長に構えている日系メーカを尻目に、日産には低価格路線を突っ走って欲しいです。
あとトヨタとテスラの話ですが、トヨタは2-3%しか出資しないようですね。ダイムラーが既に10%ほど出資していると言うのに、どれだけの意味があるのやら。まあ「NUMMIの代わりにちょっとサービスしとくか。エコなイメージも向上するし」位にトヨタは考えてるんじゃないでしょうか。
日テレニュースに出演されていましたね。
見ました。
テスラの電気自動車は航続距離も長めですし、バッテリーはパナソニックも供給していたかと思います。ウル覚えですが。
ヌーミーも再開出来るしメリットとデメリットなら、メリットが上回る提携話ですね。
鉄電池、Lifeという呼び名で競技ラジコン界では数年前から利用していますよ。
ニッケル水素電池時代の話ですが、充・放電のレートも電池のスペックを大幅に超えて使っているし、直列接続する際にセル間のバラツキを無くす為に性能を測定してから組み電池パックにしています。充電もパック単位での充電もあれば、単セルでの充電もありました。
ニッカドやニッケル水素電池は、ラジコン業界の常軌を逸した使い方が鍛えたなんて説もあります。
電池の使用に関しては自動車業界より進んでいると思いますし、ラジコンは小さなEVとでも呼べると思いますから、一度調べてみると面白いかと思います。