電気自動車は本当に環境にやさしいのか?

欧州やアメリカ、中国で電気自動車は環境にやさしいと認識されている。確かに走行時は二酸化炭素を出さない。そして電力を再生可能エネルギーから作り出せば、生産ラインから出た後は環境にやさしいと思う。将来、生産時に使うエネルギーも二酸化炭素を出さないで作れるようになると、電気自動車は環境にやさしい乗り物になると考えます。しかし!

現在販売されている電気自動車は、最悪の場合、新車から10~15年でゴミになってしまう。初期型リーフは2011年から販売されているため、現在12年。今や大半の個体の電池は使いモノにならず、かといって新しい世代の電池に交換するというプログラムも無いため、いかんともしがたい。電池は取り出してリサイクルを考えているようだけれど、車体は廃棄するしか無い。

こういった状況、リーフだけじゃないと思う。欧州はカンパニーカーというカタチで電気自動車を売っているため、乗っている人は電池寿命など考えなくていい。3~5年乗ったら違うクルマに乗り換えるだけ。電池寿命なんか考えなくてOK。アメリカも電気自動車を買う個人など皆無に近いです。99%はリース契約。これまた3~5年でクルマ返してオシマイだ。

問題は戻ってきたクルマである。3~5年落ちなら(走行距離にして9~15万km)、もう一度中古車として販売出来るだろう。ただ10年(同30万km)すると怪しくなってくる。アメリカの場合、エンジン車だと最低40万kmくらい使う。欧州は走行距離より年数。20年くらい使われることなど珍しくない。これまた電気自動車だと厳しくなってくることだろう。

電気自動車を環境にやさしい乗り物にしたいのなら、やることは1つ。20年または40万km使えるようにすることです。2つのアプローチがある。1)リン酸鉄リチウム電池に代表される長寿命の電池を使うこと。2)途中で電池交換が出来るようにすること、だ。特に電池搭載量少ない三元系リチウム電池のクルマは、途中の電池交換に対応出来ていないと厳しい。

残念ながら現在販売している日本製の電気自動車は全て三元系リチウム。そして交換プログラムについて何のアナウンスも無し。もしホンキで電気自動車を売りたいのなら、電池交換プログラムなど用意し、20年または40万km使えるようなエビデンス(根拠や裏付け)を持たせるべきだと思う。特にカンパニーカーやリースが一般的じゃない我が国は重要です。

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