ECOカーは少し不便?

妙な例えになるけれど、「トイレに行く」ことは人間の基本である。普通のタイミングで行った場合「めんどくさい」と感じ
るんじゃなかろうか。けれど辛抱に辛抱を重ねた末に邂逅した”行為”ときたら、何事にも代え難い開放感や気持ちよさを伴う。これ、自動車にも共通すると思う。

これまでの自動車技術は「快適性を追求し、誰にでも容易に扱えること」を目差してきた。それが結果的に存在感や存在意義、有り難さなどを奪ってきた気がする。けれど昨今の原油高騰や環境問題の高まりにより、いろんな意味で”ガマン”を強いられるようになってきたのだった。

例えば実用燃費を追求したワゴンRに乗ると、CVTを思いきり低い回転から使うようになったため、エンジンの存在感が出てきた。ストレスなく乗れるダイハツ
と違う。Xトレイルのディーゼルに乗ると、エンジンを使いこなさなければならず、いずれも「快適性や容易性の追求」という点からすれば退歩。

けれど”ガマン”によって得られる楽しさの方が大きいと思う。EVなど代表格。もしかするとECOの追求は「自動車の楽しさを取り戻すキッカケ」になるかもしれません。ワゴンRとクルマ好きの永田でも戸惑うXトレイルディーゼルの試乗レポートは近々。

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2 Responses to “ECOカーは少し不便?”

  1. アマチュア部員 より:

    いつも興味深い記事をありがとうございます。ある部分を良くすると他の部分が悪くなる。トレードオフする部分があるようですね。
    今後の技術開発によって快適で且つ低燃費が実現されることを期待しております。あっ、更に運転が楽しいことも付け加えておきます。
    ところで、今後の日本車の商品企画に関して興味があります。
    まず、今起きている全世界的景気悪化。特に日米欧はその度合いが大きいようですね。
    幾分マシなのは新興諸国ということでしょうか。そうなってくると、各自動車メーカーはそれらの国々をメインマーケットとして新型車を企画することが多くなるように想像します。
    2000〜2006年はもう完全に北米中心の商品企画が多かったですね。その煽りを受けて(?)いや、グローバルプラットホームによる影響ですね。日本国内で売られる車も大型,FF,SUV、といったいかにも米国のユーザーが求める要素が多く入った商品が多かったように思います。
    さて、新興諸国はどういったキーワードが並ぶのでしょうか?新興国と言ってもロシアとインドでは車に対する好みも要求も異なると思いますが、コストパフォーマンス、見栄え、多少の悪路走破性、など素人の私はこのようなイメージを思い浮かべます。
    はたして今後メインマーケットになる国々のユーザーの好みと日本のユーザーの好みが、どのくらい一致するのか、しないのか気になるところです。

  2. Ito より:

    エンジニアの理想は合理的で癖のないものをつくることであると思います。おかげで全域高トルクなエンジンができて、必死にパワーバンドをキープするという必要はもはやなくなりました。アクセルさえ踏み込めば誰でも速く走れる車は合理的ではありますが、つまらなくなったという話はよく耳にします。
    エコカーには癖を楽しむという考え方はあまりないですね。例えばEVなんかだと距離走れて安ければすべて解決な訳です。例えば、走行距離が少ないところを逆に考えて、エコランを楽しもうと発想転換したら性能が上がるまでの我慢も楽しいものになると思います。
    考えても見ればMT車なんてEVの比じゃないほどひどいです。はじめての人は発進すらできません。EVならゴーカートさえ乗ったことあればとりあえず走れます。MT車は使いにくい車です。でも、それが楽しかった(私はいまだにMTが楽しいですが。笑)んですから、多少の不便はなんとかなる可能性があります。
    エコカー普及の突破口は、おっしゃる通り、こんなところにあるのかもしれません。

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