LSに乗る

海外で行われた試乗会の記事で激賞されているマイナーチェンジしたレクサスLSに試乗した。確かに良い仕上がりである。BMWに肉薄する走りの質感を持つ、とさえ思います。されど「勝っているか?」となれば難しい。解りやすい例えになるか不明ながら、とりあえずサッカーをイメージしていただく。

LS選手が目指すのは当然のことながらお客さんの契約である「ゴール」だ。しかしゴール前にはBMWやベンツやアウディといった優秀なディフェンスが多数揃っている。LS選手は鍛えた結果、デフェンスを抜く可能性を持つまでになった。しかし基本的に守りは厚く、攻めどころは非常に少ない。

さらにデフェンス(クルマでいえばハード面)を何とか抜いても「ブランドイメージ」という優秀なキーパーがカマえてます。レクサスは日本に参入する際「正直なプレミアムブランドになる」と言っていた。もう少し具体的に書けば、海外のプレミアムブランドって意味無く高い。BMW3シリーズを見ると解りやすい。

同じ2リッター4気筒ターボなのに、320iは450万円。方や328iときたら570万円もする。ハードを見たら、とうてい120万円の差など見出せない。レクサスはそういうことをせず、今までのトヨタ車より高い分を全てクルマ作りに還元するといっていたのである。これに私は大きく賛同した次第。

されどマイナーチェンジしたLSを見ると、10万円で買えるアイサイトと同じ機能のクルコン&緊急回避ブレーキに100万円以上の価格をつけている。ハッキリ書かないけれど、広報体制も輸入車メーカーと全く同じスタイルを取る。広報か宣伝か解らないです。いずれにしろ「正直なプレミアム」と言えぬ。

鈴木一郎さんが手塩に掛けて開発した初代LSは、強固なディフェンスが居るところを避けるべくサイドチェンジした。当時はLSのように「静か」で「柔らかい」プレミアムセグメントのクルマなどありませんでしたから。レクサスに必要なのはサイドチェンジと、再び正直なプレミアムブランドを目指すことだと思う。

・ECOカーアジアは「ジェッタHVは170馬力!

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6 Responses to “LSに乗る”

  1. さね より:

    しかし日本車はまあまあ世界中で売れはしてるけど一歩とどかないんだなぁ。ドイツ軍団に… 何が足りないんでしょうね?ぼったくりで金だしても納得!買って満足〜みたいな感じだなぁ。 先生とは違う角度で自分的に考えるに…まずデザイン。かなり近い親類はポルシェ通勤用に前の型911を売ってケイマン、家庭用にパナメーラ…満足げです。個人的に端から見て、ぼったくられてんなぁ!ケッ。と思うんですが…乗らしてもらうと…すげー!速ーい!乗ってなんだか笑みがこぼれ、日本車となんか作りがちがう、内装のカッコ良さ、質感が違うこんなにも皮だらけ、ダッシュからピラーまで柔らか〜い高そう! 日本車プラスチックっぽい柔らかい素材、値段お安いと本当に固いや… 降りて見て普遍的な変わらない無駄の無い機能美。ポルシェっぽい艶やかな面とハリ、ウィンドウグラフィック、カッコイイーとなるなぁ。 ま、ポルシェがカッコイイかは人によりますがカエルみたいでカッコ悪いとゆう意見もあるし、カイエンはリヤトランクがポルシェっぽい演出で狭くしてるのはかなり×。だけどやっぱりポルシェらしい格好良さ。プリウスは個人的には好きでないけど、初めての中身から偉大なジャパンオリジナルじゃないですかスタイルオリジナルだし、もっともっとカッコ良くなれば…。自分の中では相当カッコイイ新型アウトランダーの中身が、時期フォレスターなら…。ダメデザイン国産車多くて最近気がつかなかったけど、新型アウトランダーでデザインの大切さにハッ!としました思い出したように。中身が時期フォレスターを超えてたらなぁ…。SーAWCに期待。でもスバル4WD超えないよな…高い金出すんだし、デザインとオリジナリティな中身がそろってこそブランドが育つ、なんて当たり前か(笑)でも基本のそれが出来てないんじゃないでしょうか? スバル日本車ブランド代表になれそう…デザインもうちとなんとかして…。先生の媒体でのレポ楽しみにしてます。スバル4WDを超えてたらなぁ…駄目だろな。 車で飛ばすばすとかの日本じゃないし、よく行く北海道で安全な場所で雪道走る方が楽しいでしょう、YouTubeみたいに。 あれは過激すぎだけど万が一の時はスバル4WDみたいな脱出走破できないと…本物感だなきっと、そんな感じです思うに。

  2. かず より:

    なんでセンチュリーを大幅に上回る値段…!!(゜ロ゜ノ)ノ
    登場年次と装備品の違いを考慮しても、割高感が。逆にセンチュリーって、レクサスよりもっと文化を持ってる車だと思いますし、むしろ大事にすべき車なのでは…。日本を具体的に表現した最高の車だと思います。トヨタ自動車がせっかく築き造り出したセンチュリーを大事にせず、レクサス展開しても説得力に欠けます。センチュリーは魂に近いものが有りますが、まだレクサスには鍛練が必要だと思います。是非ともセンチュリーの魂を高めつつ、レクサス展開しては如何でしょうか。きっと何か得るものがあると思います。 センチュリーを大事にせず、レクサスの成功はないと考える意見ですm(__)m

  3. TTT より:

    バブル期の日本車を知っていると、今の日本車はコストダウンばかりが目に付きます。
    フェラーリ傘下になったあとは知りませんが、その頃のマセラッティの贅沢さ。エロさ。とても欲しかったです。
    ランチャのシートは高級イタリアアパレル製の生地でしたし。
    あのころの日産jフェリーは、ジャガーよりも上質な本皮シートをオプションで選べたりしましたし。
    シーマの時計はマセラッティの真似というのも知られていましたし。
    以前より安全性・環境関係でコストがかかっている事もわかりますが、質感は、わかる人にはわかってしまうものですよね。

  4. 買取屋 より:

    レクサスの件〜同感です。正に先生のご指摘通りだと思います…初代LS〜セルシオの志と価値観が的を得ていたからこそ〜バブル日本とアメリカでの大成功を掴めたんですよね…当時〜名だたるメーカーを震撼させた事も懐かしく思えます…ライバル車に敬意を払いつつ盲点を突き〜安価でも徹底したこだわりを持つmadeinJapan面目躍如トヨタ技術の集大成とか〜誇らしく感じました。良い意味で〜さりげなく品が有ったような…時を経て路線を変えたのか?ハードに偏り過ぎて当初の持ち味が無くなってしまったような…?板に付かない個性やドイツ車と同じ雰囲気、価格〜そして商売するなら…?今やレクサスの存在意義とメーカーの選択は〜そういう方向?なんですね…高価なのに満たされない買い物は余りにも虚しい…

  5. 真鍋清 より:

    小生も2009年式レクサスIS350の高速で微調整を要するステアリング特性・シャーシ特性に「やっぱりレクサスはまがい物か」と失望と落胆を味わっているタチです。
    「見るのと乗るのと大違い」―先鋭さをたおやかな造形美で包んだ内外装デザインの裏には安普請で底の浅い走行フィールが隠されているのが「第一世代レクサス」の特色だとすると、対して骨格設計ではようやく勘所を掴み始めた、されどデザイン言語は「裸の王様のブラックジョーク」というのが第二世代…..歴史の浅い「パナソニック戦略」の家電的高級車の背後には深く複雑な問題が隠されていることが伝わってくると思います。
    この辺り、同じ新興高級ブランドでもアウディが「ドイツの農民車」からメルセデス・ベンツやBMWを脅かすまで成長するのに要した期間の倍を要するのでは?と思わされる反面、それでもIS-Fのザックス製ダンパーの完成度やGSのサスペンション、何より「時速200を超えて220に到達→そこから無限に伸びる加速」という最新GS450hの仕上がりなど「日本代表の確立」に向けて光明が見えているのは心強く感じられます。
    BMW7シリーズやメルセデス・ベンツSクラスに「肉迫する」まで成長している最新LSのハード面に敬意を払う一方で、「3シリーズやCクラスはもとより、VWゴルフR果てはダッジチャージャー(クライスラー300含む)に各項目にて僅かづつ譲っている」旧世代の生き残りたる我がISが来年のチェンジでどれだけ巻き返しに成功するか?こうした中核量販車種の出来次第で和製プレミアムブランドの命運が決定されるだけに予断は許されなかろう。

  6. w201029 より:

    アメリカでレクサスが初年度から上手く行ったのはスマートバイだったから.
    日本では単に高価格化シフトでブランド構築を図ろうとした.
    マーケットを甘く見た失策をずっと放置したまま.
    トヨタらしくないミス,或いはレクサスを起点としてトヨタ・マーケティングの崩壊か.誤謬の放置.

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