1940年代、日本の技術は航空機も船舶も世界TOPクラスだった。今の日本とダブります

客観的に評価すれば、どんな基準を持ってしても昭和10~15年に掛けて、日本の技術力は自動車を除き世界のTOPクラスだった。例えば航空機。1938年のこと。エンジンこそBMW設計のV12気筒だったものの、希薄燃焼に改良。機体は引っ込み脚低翼式の全金属沈頭鋲構造という当時最先端の技術を投入。80時間を飛び周回コースの飛行距離1万1651km!

A-26

この記録は破られるのだけれど、戦時中に作られた『A-26』という期待は零戦と同じ『栄』を2基搭載する双発機で、1944年に1万6435kmを飛んだ! 圧倒的な世界記録だったものの、戦時中ということで公認されず。その他、圧倒的な総合性能を持っていた海軍機『紫電改』や、同じく世界TOP級の陸軍機『疾風』。戦後、世界中が驚いた『二式飛行艇』など枚挙にいとま無し。

造船も世界TOP級だった。代表が1941年に竣工した大和。魚雷用のアーマーなど備え、あれだけ重装備の戦艦で27ノット出たというのだから凄い。もちろん当時世界最大! 大和をベースとした空母『信濃』も満載排水量8万トンを超える世界最大級だった。そもそも第2次世界大戦始まった時点で日本の空母はアメリカと並ぶ性能を持っていた。

個人的には潜水艦が凄いと思っている。3艦の生産に終わった『伊-400型』を戦後見た米軍は全長122mという大きさに驚愕したという。円筒型のハルを2つ並べるという構造は、戦後ロシアの原潜が伊-400型からヒントを得たというほど画期的。日本という極東の小さな島国が1940年代にこんな凄い技術を持っていたのだから驚くほかない。

太平洋戦争を引き起こした当時の日本の選択を正当化する人は多い。勝手にどうぞ。ただ上手に外交していれば、世界一の技術をさらに伸ばせることが出来たと思う。100歩譲って戦争という手段を選んだとしても、ドイツが降伏した5月8日時点で我が国は東京も空襲を受けており、軍需産業も壊滅的な損害を受けていた。戦うチカラなど残っておらず。

自分勝手な為政者のおかげでポツダム宣言を受けるハメに

この時点で降伏していたら悲惨な沖縄戦は途中で終わっていたし、長崎と広島への原爆投下も無かった。ロシアに攻められることだってなかったろう。為政者の稚拙な判断力や意地の張り合いで被害を大きくした。株などの投資をしている人なら、損切り出来ないヤツの愚かさを御存知のことだろう。第2次世界大戦で失った技術や時間は本当に無駄だったと思う。

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3 Responses to “1940年代、日本の技術は航空機も船舶も世界TOPクラスだった。今の日本とダブります”

  1. 猫まんま より:

    開戦時には日本の技術は世界一でした。
    が、現在と同じくハード面では優秀でも運用ノウハウが全く無く結果として大和は役立たずになってしまい、零戦も捕獲され研究されて世界レベルでは凡庸な戦闘機に。
    第二次大戦時に戦艦から航空機に主力が移り変わったのは真珠湾攻撃でアメリカの主力艦を使えない状態にしたのが原因だと思います。アメリカは主力艦が使えないために航空機に頼るしかなかったのが現実で、しかも使えない状態にしただけでほとんどの艦船は復旧されて工業力に致命的に劣る日本はアメリカに太刀打ちできなくなりました。
    アメリカは元々日本以上の大艦巨砲主義でオレンジプランやダニエルズプランなど狂ってるとしか思えない計画が有りました。日本の八八艦隊構想なんて玩具にしか見えない笑える計画でした。
    大和の運用にしても大和ホテルと武蔵旅館と言われるように何のために作ったのか分からないことをしていました。結局戦艦で役に立ったのは艦齢の古い金剛型のみです。古かったから遠慮せずに使い潰せたという話を聞いたことが有ります。
    伊号400型も大和や武蔵、信濃など作らずに開戦初期に全力で20隻とか建造していればアメリカ本土空襲が現実になっていたかもしれませんね。まあ工業力で比較にならないので勝つのはどう転んでも不可能だったと思いますが。
    伊号400型の運用思想は現代のミサイル型原潜に引き継がれています。地球を一周出来る航続距離、3機の爆撃機を搭載できるとか発想は凄かったのです。爆撃機をICBMに置き換えると現代のミサイル型原潜そのものです。
    それでも役立たずの戦艦など持っていても仕方ないので戦艦を空母に改造する計画など頑張っていたんですが致命的に工業力が無かったために実現しませんでした。低速戦艦の伊勢や日向を中途半端に改造出来ただけです。改造に数年単位でかかるとかね。まあそんなことより一番大事な補給部隊を護衛する駆逐艦こそ量産すべきだったのですが。この辺りはまるで日産を見てるようです。時代遅れの納車も出来ないスポーツカー作る暇が有ったら他にする事有るでしょうに。
    かたやアメリカは週刊軽空母、日刊駆逐艦など言われるように圧倒的な工業力を持っていました。
    真珠湾攻撃をせずに開戦初期に戦艦同士で戦っていれば当時の日本海軍の練度も高く数の優劣もそこまでなかったのでもしかするとワンチャン有ったかもですね。
    どちらにせよ日本人は昔からハードは良いもの作れても交渉下手で運用がダメという国民性は変わっていないようですね。

  2. 反日非国民 より:

    国沢さんに、ほとんど同意です❗
    国力とは総合力で、技術力だけでは勝てません。
    ユダヤ人でも中国人でも、韓国人でも、相手のプライドを尊重して仲良くなり、味方につける度量の広さが必要ですよね。
    何でも喧嘩腰となり、二言目には「反日、非国民」呼ばわりしていれば、周囲は反日だらけになってしまう。
    情けは人のためならず?って、ちょっと違うかも?だが、腕力や知力や技術力などを過信して尊大になれば、結局は「味方も敵に」してしまうでしょうね。

  3. オトキチおじさん より:

    極限性能を求めた単品製作なら技術力が一定以上あれば世界一は狙えると思う。
    総力戦は産業規模が決め手のひとつ。米国はご存知のとおりプラスネジを戦前に実用化。我が国は効率が圧倒的に低いマイナスネジしか存在しなかった。航空機用エンジンも米か独のコピー。オクタン価の低いガスしかないから馬力は出ない。排気タービンの実用化は遅く、機械式ブロアの多段化も遅かった。装甲も必要最小限というか、必要な装甲すらないためワンタッチライター化。
    重厚長大の艦船建造は国力低めでもどうにかなる。電探の開発遅れも痛かった。理論や開発は優れていても、実用化できなければ画餅。
    この世の地獄の沖縄(さらに戦後30年以上も占領下で米軍統治)、都市の民間人を大量に焼き殺す「戦略虐殺爆撃」、世界初かつ唯一かつ一方的な核戦争被害と為政者の無能ッぷりが炸裂した先の大戦。ぜんぜん優れてはいない。もちろん超大国米国を敵に回す、ヒットラーと組む、ソ連をなんとなく信用という政策大チョンボが一番の原因ですが。

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