1960年代後半に自動車ヒョウロンカやってたら、必ずスバル360vsホンダN360の比較記事書きましたね
1960年代後半に自動車評論家をしていたら、間違いなくスバル360とホンダN360の比較試乗をしたことだろう。そしてN360圧倒的優位にしたに違いない。実際、1967年にデビューしたN360がスバル360天下にトドメを刺したと言われている。今までそういった流れは知っていたつもりながら、N360に試乗してギョウテンした。スバル360、厳しかったことがハッキリ理解出来ます。
もう動力性能が圧倒的に違う! 常識的に考えたら2ストは4ストより1.5倍程度パワフル。なんたって毎回爆発なので、排気量2倍だと思ってもよいほど。そんなイメージでN360を走らせたらクリビツギョウテン! 予想をはるかに超えるパワフルさだった。考えてみたら最高出力はN360の31馬力に対しスバル360が20馬力。この時点で1.5倍勝っている。
2気筒4ストエンジン特有の「バラララララ」という軽快な響きをまき散らしながら、今の交通の流れにも普通に乗っていけるのだった。何より気難しさ全く無し。始動性抜群(最近のマイルドハイブリッドと同じ発電機をセルモーター兼用としているためヌルンッと掛かる)。カブる不安や焼き付く不安も無し。エンジンだけでN360を選びたくなるだろう。
ドグ(常時噛み合い式)のミッションはタッチが独特。ゲート感についちゃ超曖昧でグニャグニャしている。左右方向のゲートは「無い」といえるほどながら、けっこうなストロークあるため大雑把でも狙ったギアに入ります。スバル360の方がずっとカッチリしている(1速ノーシンクロ。2~4速はシンクロ付)。シフトフィールはスバル360の勝ち。
足回りもスバル360に軍配を上げておく。当時「スバルクッション」と呼ばれ高い評価を受けたというが、N360に乗るとハッキリ解る。調べてみたら当時の軽自動車、ストローク量少なく、減衰の出し方も未熟。仕方なく悪路でフルストロークして壊れることを避けるため、硬めにしていたらしい。N360のリアサス、路面の凸凹を忠実に再現してくれます(笑)。
とはいえ当時は圧倒的なパワー差が決定的になったことだろう。当時、試乗レポートしたら私もスバル360の動力性能を含めたパワーユニットにダメ出しをしたハズ。スバルはR2をN360の対抗馬として送り込むのだけれど、エンジン古い2ストのまんま。結果的に負けてしまった。スバル、当時もパワーユニットに投資しなかったためで苦しんだ。レオーネの最後もですね。
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