なぜマツダの売れ行きは伸び悩む? ブランド戦略の巻。マツダファンは読まないでくださいまし

ブランドで大切なのは「武士は食わねど高楊枝」の精神だと思う。武士道や騎士道の美しさと言い換えてもよかろう。武士も騎士も基本は「戦うこと」である。普通の人の日々は「実用性」や「安全」ながら、武士や騎士は命を掛けての切磋琢磨。イザという時は最前線に立って戦う。真剣勝負ですね! そいつを可視化出来るのがモータースポーツだ。モンク無しのガチバトルです。

写真/MZレーシング

クルマの世界でプレミアムブランドと分類されるメーカーは、全てモータースポーツに本体が参加している。参考までに書いておくと、韓国の現代自動車はWRCに参戦しているけれど自社技術じゃありません。モータースポーツを企業PRの一つとしているだけ。エンジンすら開発せず。宣伝にはなるがプレミアムブランドにはならない。そして継続的に参戦していないとダメ。

大切なのは「戦う」という気構えだ。競技に出るとハッキリと勝ち負けが解る。技術無ければ勝てない。けれど競技に出ていなければ”うやむや”に出来ちゃう。ムカシのマツダは戦い上等だった! ロータリーエンジンでGT-Rに勝負を挑み圧倒! ツーリングカーの後はグラチャンでBMWと勝負! RX-7でWRCに挑み、そのイキオイでル・マンにまで出て行った! 戦うDNAを持ってます。

当時、値引き上等だったしマツダ地獄と言われた。クルマとしての評価も今より高くない。でもマツダユーザーには熱いプライドがあったと思う! だってGT-Rをぶん殴ったし、世界中を席巻していたBMWの4気筒2リッターより強かった! ル・マンだって最後まで完走狙いじゃなく全開で走りきりましたから! だから私もマツダが大好きだし、最初のマイカーはSA22Cです。

でもブラックサタンは「比べられること」を嫌う。競技なんてとんでもない(自社が負けないワンメイクレースは除く)。もっといえば、市販車だって比べられること大嫌いだ。だからスポーツグレードを作らず、ブレーキだって実用性しか考えておらず。カッコ良いキャリパー付いてるマツダ車、1グレードもありません。スポーティなサスペンション設定すら無し。

写真/Gazoo

「俺が作ったのは最高の実用車だから黙って乗れ!」と言ってるようなもの。勝負しないプレミアムブランドなんかありえないです。というか勝負こそプレミアムブランドの真骨頂なのだった。こらもうクルマに限らず、アパレル業界だって一緒。常にライバルと勝負して勝とうとしている。戦う姿を見てファンが付く。戦う姿がブランドになる。カッコ良いです!

それが出来なければブランドイメージ作りにレクサスのようなお金を投入すること。レクサス、厚化粧のトヨタをいかに高く売るかのチャレンジ物語だ。レクサスくらいお金を掛けると、ある程度付いてくる人もいるから面白い(違いの解るクルマ通は誰も買わないです。地元の名士で輸入車に乗れない人を除く)。でもマツダは業績不振で予算不足。レクサスのマネも出来ない。

今の体制だとブランドイメージなんか作れるワケない。

 

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