2輪メディアは批評しないためこんなこと私しか書かないけれど、ホンダ、二輪の電動化大丈夫か?

2輪メディアはメーカーの批判をしないというのが約束なので全く触れないけれど、ホンダ、電動化でベトナムや中国に代表されるアジア勢に大きくリードされているように見える。何度か書いてきている通り、ホンダの収益に於ける2輪の依存度は高い。下は2024年4月~2025年3月までの数字。営業利益は2輪の6634億円に対し4輪2438億円といった状況だ。

2023年度は4輪が好調だったため同じくらいの営業利益を上げているものの、いずれにしろ2輪部門が無ければ厳しい。さらに2輪の地域別販売台数を見るとアジアが圧倒している! ホンダの2輪部門の人に聞いたら「インドネシアとベトナムの2輪事業だけでホンダの全営業利益の15%以上になります」。タイやインドもホンダの大きな収益源になっている。

逆に考えたらアジアの2輪事業が上手くいかなければホンダの経営に黄色信号がともる。そしてアジアの国々は電動化に向け、全開で走り始めている。ベトナムもインドネシアもインドも自国の2輪企業を強くバックアップしているし、中国はアジア市場向けの電動バイクに注力し始めた。もちろん台湾や韓国の2輪メーカーだって電動バイクを開発してます。

私の情報筋によれば今年の秋くらいから商品が増え始め、来年は電動バイク祭りになりそう。基本はLFPである。理由は安価であるというだけでなく、高温に強いためだ。三元系リチウムは50度になると寿命を落とす。LFP、60度くらいまでなら余裕。東南アジアで使うのならLFPしかないと言えるほど。なのにホンダは依然として三元系リチウムにこだわる。

フェリスのWebサイトへ

三元系リチウムにこだわる限り勝てっこないです。加えて価格も圧倒的に違う。現時点で一番の脅威はベトナムのビンファストなのだけれど、ホンダの電気バイクの半額。いや、ホンダのエンジン付きバイクより安い。アジアに強い中国はLFPを安価に調達出来るためさらに安い。ホンダに(というか三部さんですね)影響力を持つ人は、しっかりアドバイスしてあげて欲しい。

・ビンファストの最新モデルの紹介記事

9月10日に発売された最新モデル『フェリス』は2.4kWhのLFPを搭載し航続距離134km。電池込み12万7千円となる。オプションで2.4kWhの脱着式電池(2万8千円)を搭載可能。その場合の航続距離は262km! 電池は8年保証で車体が6年保証だ。ベトナムは市街地のエンジンバイク乗り入れ規制が始まるため、急速に普及していくと思われる。

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2 Responses to “2輪メディアは批評しないためこんなこと私しか書かないけれど、ホンダ、二輪の電動化大丈夫か?”

  1. 国沢さんを師匠と呼ぶ35歳 より:

    日経新聞には以下のような記事が出てましたね。

    電動二輪の「黒船」襲来 中国ヤディア、日本勢の3割安の21万円台:日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC103140Q5A910C2000000/

    試乗できるようになったら国沢さんの評価が聞きたいです。

  2. buchi より:

    お世話になっております。
    このビンファストを日本で販売する様な話はないでしょうか?
    地方に移住してトリシティ125を足に使っているのですが、そろそろ色々ガタがき始めているので買い替えを検討しているのですが、出来れば電動を!と思っています。

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