CX-60に採用されたトルコン無し8速ATってどんな?

CX-60から採用された新技術はたくさんあるので1つづつ紹介してます。ということでスタート用のトルコンを持たない8速ATを。ここまで読んで「トルコン使わない8速ATならツインクラッチでしょ?」と思うことだろう。私も最初そう思ったけれど、8速の変速機は普通のトルコンATと同じタイプ。本来ならトルコン使っている「クラッチ機能」が湿式多板なのだった。なんで?

コンパクトさも追求。新設計です

そもそも一定の回転数以上でしかトルクを出せないエンジン車の場合、走り出す時に必ず徐々に駆動力を伝えていく「クラッチ」が必要。一般的な多段AT車は「トルコンAT」と呼ぶように、多段ギア+スタート用のトルコンから構成されている。ちなみにVWなどが採用しているDSG(ツインクラッチAT)はスタート用にマニュアルミッションと同じようなクラッチ板を使う。

CVTは私の記憶だと1997年にプリメーラから導入したハイパーCVTまでスタートはクラッチだった。なぜCVTがクラッチじゃなくトルコンにしたかといえば話は簡単。オイルを介する方が滑らかだからだ。実際、VWのGSGに乗るとスタートを含む低速走行時にギクシャクするし、GT-Rも極低速走行でトルコンATの滑らかさに届いていない。CVTもトルコン使うようになり普及した。

なのにCX-60はトルコン使わずクラッチで走り出すタイプを選んだ。PHVならモーターで走り出すためクラッチ不要だし、マイルドハイブリッドは低回転域でパワーアシストする際、トルコンを介すとレスポンスなどが遅れてしまうためだと思う。伝達効率(高ければ燃費向上します)という点でもクラッチ優位という判断なんだろう。気になるには滑らかさ。

今回試乗したマイルドハイブリッドもスタートは100%クラッチを使うという。Dレンジでエンジン掛かった状態からアクセル踏んでみたら、トルコン使っていないことは全くと言ってよいほど解らない。滑らかにスタートします。極低速でアクセル踏んだり離したりしてみるも、やはりVWのDSGのようなギクシャク感無し。使っている湿式多板クラッチの容量が大きい?

今回試乗したマイルドハイブリッドは『スポーツ』モードを選ぶとエンジン止まらなくなるため、マイドルハイブリッド無しの3300ccディーゼルと同じクラッチ&ミッションの制御になるという。いろいろ試してみたけれど違和感なし! むしろ8速ATがクラッチtoクラッチ制御のため、ギア変わるときのタイムラグやトルクの谷間無く変速していく。気持ち良いです!

ただマイルドハイブリッド車に関して言えば、以前も書いた通り巡航状態からアクセル全開した時のハイムラグが絶大! 40km/hで巡航に入るとエンジン止まる。そこからアクゼル全開したら、1)駆動側のクラッチ切ってセルモーターでエンジン始動。2)エンジン回転を上げながらギアをセレクト。3)回転数合わせてクラッチミートし、やっと加速が始まる。この間、優に1秒以上。

マイルドハイブリッド無しの3300ccディーゼルなら普通のAT車と同じタイムラグです。

 

 

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4 Responses to “CX-60に採用されたトルコン無し8速ATってどんな?”

  1. じんぱぱ より:

    VWのT-Crossに乗っていますが、DSGは確実に進化していることを実感しています。
    T-Crossの前は2016年モデルのゴルフ7ヴァリアントに乗っていましたが、発進時にアクセルを踏むとドーンと後ろから蹴飛ばされたような衝撃が度々ありましたので、かなりそーっとアクセルを踏むようになりました。
    今乗っているT-Crossではそのようなことはなくなり、普通のトルコンATと同じような感覚でアクセルを踏んで運転することができています。
    進化しているとはいってもDSGの保証期間は外国と同じにしてほしいです。

  2. アミーゴ5号 より:

    足といいミッションといい、あらためてマツダのラージに対する気合を感じます。

    ところでお弟子さんの永田さんは、無事にCX-60のディーゼルエンジン仕様を発注されたかしら?

    ユーザー目線から紐解いたクルマとネオチューンの詳細レポートを、今から楽しみにしております。

  3. NRT より:

    この車に限らず、ドライブモードを細かくカスタマイズできる機能を切望します。メーカーによっては、エコモードにするとエアコンまで制限されたり、脚だけをスポーツモードにすることができず、頼んでないのにエンジンも一緒にぶん回しモードにされたり、個人的にはこういうのがものすごくストレス。

    そもそもドライブモードってオーディオのイコライザーみたいなもので、触る人少ないですよね。逆に、触る人にとってはカスタムできてこそナンボではないかと。私はオプション代20万ぐらい払ってもいいからフルカスタマイズ機能ほしいです。

    CX60のディーゼルマイルドハイブリッドだったら、シフトアップポイントやアクセルレスポンスなどは普通のまま、エンジンかかりっぱなしのギアつながりっぱなしで走りたいです。

    走行状況によりますが、走行中のエンジンオフやコースティングなど、アクセル踏み直し時に予期せぬタメやギャップが出るのは嫌いです。アダプティブクルコン使用時なら省エネでいいですけど。

  4. エッカルト より:

    Mハイブリッドはセルモーター付きなんですか?

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