CX-60の乗り心地の悪さ、訂正連絡無いのでまぁ先日書いたようなことだと思う

先日CX-60の乗り心地の悪さについて”推測”で書いた。いや、決していい加減な内容じゃなく、症状に今までの経験則を含めたものであり、ソコソコ自信あります。加えて記事中で書いた通り間違っていたら連絡入る。ちなみに日野自動車の最新の記事も連絡あり「取材を受けた時には言いませんでしたが性能劣化の45万kmは中型です。大型は65万km。小型だと25万kmになります」。

続けて「その上で20万km毎にチェックしてますから規制値を超える排気ガスは出ないということになってます」。間違っちゃいないけれどさらに情報まで、ということでした。マツダのルートは日野自動車よりずっと太いため、大きな間違いあればすぐ連絡あります。CX-60の状況、先日お伝えしたようなことなんだと思う。いずれにしろ納車されるCX-60はしっかり対策するハズだ。

CX-60はアームの多い凝ったマルチリンク

文中で「CX-60に乗ってサンコーワークスに持って行けば、最長2時間で喜多見さんが原因突き止める」と書いたが、そんなことできるのかという質問を貰った。こら明解に「出来る!」と答えます。具体的なアプローチを。まず車体を持ち上げ、タイヤ外してサスペンションを眺める。足回りの構造を熟知していれば、アームやブッシュ(CX-60はピロボールも)の動きが推測可能。

サスペンション形式で一番フリクション多いのはマルチリンクだ。いろんな方向からサスペンションの動きを制限している。一番乗り心地良いのは、おそらくセミトレーリングアームかと。トレーリングアームはトー変化を抑えようとすればブッシュの強度が必要になりフリクション出る。セミトレなら総合的なバランス良い。ただセミトレだとアライメント変化(キャンバー)大きい。

フロントはキャスター角ゼロ。特殊です

アライメント変化を抑えようとすればするほど、アーム(リンク)が多くなりフリクション増えて行く。アライメント変化だけ抑えようとしたモデルのなかには、バネやダンパー外してサスペンション動かしても渋くていかんともしがたいというケースあるほど。サスペンションに詳しい人は構造を見ただけである程度解る。目安を付けたら前述の通りバネとダンパー外して動かす。

フリクションなく動くのならダンパーがジョーカーです。ダンパーを良品に交換すればいい。フリクションあるなら、それには理由がある。アライメント変化を抑えるためなのか、それとも寿命を考えて動かないようにしているのか等々。これもナニが悪いのかすぐ解るだろう。問題はここから。解っていても対策出来るかとなれば、可能なのはダンパー起因のみ。

ブッシュやアームの角度って変更すると寿命やハンドリングに影響出てくる。そいつをテストコースなどでチェックしなければならない。したがって原因は2時間で解っても、市販車レベルの信頼性や耐久性、コストを考えた時に出来るかどうかは別問題。ということでCX-60の乗り心地の悪さの原因はマツダも解ってると思う。どうやって対策しようか大いに悩んでいる状況かと。

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8 Responses to “CX-60の乗り心地の悪さ、訂正連絡無いのでまぁ先日書いたようなことだと思う”

  1. Rotarycoupe より:

    例えば
    自由関節の平行四辺形を作ると自由に変形します。しかしどこでもいいのでアームを1本追加すると変形しなくなります。どこかに三角形ができるからです。三角形は自由関節でも変形しません。

    マルチリンクにも似た悩みがあり、関節をガチガチに固めると寸法誤差ゼロのCAD上では動いても、実際にはフリクションだらけになります。サスペンション設計者は皆さんこれを熟知しており、だからブッシュで寸法および変形誤差を逃します。マルチリンクはアーム剛性も含めて相当上手く設計しないと、鰻重の鰻を捨ててご飯だけを食べることになりやすいのです。

    マルチリンクをピロボールで固めたマツダの挑戦は、経験よりもCADを重視する最近のマツダの姿勢を端的に表しています。設計者や役員で正しく運転できて評価できる人が少なくなったに違いありません。片山義美氏が睨みを利かせていた時代ならあり得ないことです。

  2. アミーゴ5号 より:

    喜多見さんが、永田さんのCX-60の足回りをどう料理するのか、今から大いに楽しみです。

  3. 髙橋直栄 より:

    マツダの操縦安定性能エンジニアの虫谷さんは、CX-60のリアシートは酔わない、疲れない、腰が痛くならない。今までで最高だって言ってました。(YouTubeで)
    長距離とちょい乗りでは評価が違うのでしょうか?

  4. CX−5 より:

    早速リコール出ましたね。
    https://www2.mazda.co.jp/service/recall/ra/20220920001/

  5. アミーゴ5号 より:

    まさかZoomZoomのマツダに限って、開発での走り込みが足りないかもしれないなんて、考えたこともなかった。

    もしCX-60のサスやリコールが、開発の基本のキに起因するとしたら、マジでヤバイ。

    そもそもサスの素性が、ダンパー特性以外のところで悪かったら、ネオチューンでもどうにもならない。

    いやまさかね。。。
    いくらなんでもマツダのフラッグシップの新技術が、骨格からしてお粗末で、試乗会まで放置される訳ないですよね。。。

    ブラックサタンの置土産には、竜宮城の玉手箱クラスのヤバさを感じております。

  6. 予想ピタリの流石です。
    これだから新型車はリスクが大きく手が出せない。
    軽自動車が一番安心。

  7. ロウ1074880 より:

    マツダだけでなく、どの業界も日本のクオリティは下がる一方だと感じてます。職人気質を前時代のものとして、否定するからだと思います。仲良しこよしの馴れ合いでは、良いものは作れません。
    日本は自らその道を選んだので、発展途上国に負けるのはそう遠くないと思ってます。資源のない国で、技術も無ければ、豊かになれるわけない。そこに来て初めて気づくことでしょう。

    • たっくん より:

      職人気質がいいか悪いかではなく、そのひとが後輩を育て上げる力があるか、人をみる目があるかが問題。
      仲が悪いより良い方がホウレンソウがうまくいき、よいものができると思う。
      そもそも高度経済成長できたのは日本が戦後の円安で、世界が日本に甘かったから。仕事に対して発展途上国の人の教育が不十分で、不真面目だった。今は普通に教育を受け、仕事が真面目にできる。
      自分は工場勤務だが、若い人の方が挨拶や礼儀、人に対しての気遣いがしっかりしていると感じる。だから周りと協調して仕事に取り組める。
      50代、60代のいわゆる職人気質といわれる人を否定はしないが、見て盗んで覚えろと、新人に言うのは間違っているし、機嫌が悪くても挨拶くらいしろと言いたい。
      時代にあわせて、新しい価値観を受け入れる企業の業績はよくなっている。昭和時代の価値観を捨てられない企業は人が育たず人材不足で経営が困難。

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