eパレットの事故対策、赤旗法を思い出しました

30日の夜、トヨタは『トヨタイムス放送部』でeパレットの事故についての続報を伝えた。全体的な状況は昨日私が伝えた内容で間違いなし。興味深かったのは、しかるべき対策を講じた上、31日の15時から運行再開することになったこと。eパレットについての”しかるべき対応策”は「走行音の音量を2倍にすること」と「搭乗員の増員」、そして「発進/停止のマニュアル操作」。

上の動画でも少し解る通り、eパレットの運行インフラは理想的といえない。走行ルート上を斜め横断したり絶えず歩行者が通行したりしており、自動運転だと安全確保のため止まってばかり。すでに発進/停止はマニュアル操作状態だった。したがってeパレットや、安全確保のための搭乗員としてはこれ以上の対応策無さそう。ということで交通整理するための警備員を3倍に増やすという。

eパレットの安全走行をインフラから確保しようということです。その上で歩行者に対しては「組織委員会が選手団長会議等において、選手村内の歩行環境、移動時のルールなどを改めて周知」ということになった。車両が来ることもあるから自分でも注意して欲しい、ということ。eパレットに大きな問題無しということをパラリンピックの組織委員会が決めたワケです。

今回起きたアクシデントの場所、定義がビミョウらしい。まず公道ではない。だから横断歩道のように見えて違う。道路じゃないから交差点とも言わない。道路なら道交法が適用されるため、視覚障害を持つ方が白杖無しで単独行動することは道交法第14条に定められている通り違反。選手は白杖を持っていなかった。というのも全盲ではないという。いろんな意味で難しいケースのように思う。

赤旗法を御存知だと思う。蒸気で走るクルマの登場を受け1865年にイギリスで制定されたもので、制限速度3km/hとした上、55m前に赤い旗を持った人を配し、安全の確保をしなければならないというもの。当時、馬車より速い乗り物が存在しなかったため、馬車の組合が蒸気車の登場に危機感を覚え、制限を掛けた。結果的にイギリスの自動車産業はドイツやフランスに遅れてしまう。

今回の件、日本が世界の流れに付いていけるかどうかのバロメーターになるかもしれません。厳しくしようということになったら、我が国に於ける自動運転技術は大きく遅れることになると思う。今回の件を自動運転の課題とし、解決策を考えていきたい。もっといえば「自動運転車に自ら接近するようなことをされたら事故は防げない」ということを何度も書いてきました。

さて。リーフの炎上の方だけれど、広報に問い合わせてみたら「現在車両が消防の側にあって日産側で確認出来ていない状況です。解り次第返事させて頂きます」。どうやら地元の消防署と佐賀県の日産ディーラーで話し合っている状態らしい。電気自動車と言えば二酸化炭素問題を考えた時の主役。地方の事件と言うことで大手メディアは重大性を全く理解出来てないからスルーしている。

日産にとっちゃラッキー。とはいえいつもラッキーと限らない。重大事案なのだからトヨタのようにいち早く現地現物主義でチェックし(eパレットの事故を受け、2時間半後に豊田章男社長は現場に到着したそうな)、すぐ詳細な説明を出来るようにしておくべきだと思う。ちなみにリーフに詳しい人から聞いた裏情報だと、走行用電池が燃えたらもっと厳しいことになるそうな。

そういった点では少し安心出来る。いずれにしろ今回の火災、国交省に相談するなりして「証拠だ」とか「日産は加害者の可能性あるから原因解るまで見せないぞ」的な消防(実際、1日経っても見せて貰えていないようだ)と交渉してもらい、直ちに状況だけでも掴むべきだと思う。

 

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