ホンダが公式ツイッターで「水没したハイブリッド車と電気自動車は感電の危険!」だって!

激しく驚いた! ホンダが公式ツイッターで「ハイブリッドカーや電気自動車の場合、感電する可能性があり危険です。すぐ車両から離れてください」と告知した。私が知る限り、ハイブリッドカーや日本製の電気自動車が洪水や津波などにのみ込まれて感電事故を起こしたケースは存在しない! しかもタチが悪いことに、ホンダは電気自動車を販売していないのに危険だと言ってる!

リーフやi-MiEV、感電事故を起こしていないです。なぜか? そもそも走行用バッテリーは起動中(READYという青ランプ点く)以外、完全にシャットダウンされている。バッテリー外部には全く電気が流れない構造。リーフなど乗り込んで起動ボタン推すと、遠くの方で「カタン」という音がします。「コンタクター」という装置の稼働音。これで大容量バッテリーから通電開始する。

大井センシュがブツけたリーフもコンタクター稼働!

したがって人が乗っていないハイブリッド車や電気自動車はそもそも通電していないため(走行用電池は絶縁状態)、感電しない。走行中であっても12Vバッテリーや、どこかがショートした瞬間コンタクター稼働して大容量電池からの通電をシャットアウトします。ちなみに大きな事故でエアバッグ展開した瞬間、これまたコンタクターが稼働するため漏電などしない。これは国交省の基準です。

唯一の例外は人が挟まれたような状況でのレスキュー。バッテリー部分を切断するような行為はさすがに危険である。レスキュー関係の皆さんはマニュアルを持っているため、キチンと対応出来ます。シロウトがエンジンカッターとか使うのは推奨しない。100歩譲って民間人がエンジンカッター使うのなら、バッテリー部分は避けること。基本的に床下のため、ボディなら問題無し。

上の写真はモータースポーツ出場中にガードレールを直撃した電気自動車リーフ。50km/h以上の速度で突っ込みボディ前面を大破したが、漏電の類いは皆無(コンタクター稼働)。ちなみに競技車両は強固なロールケージなどを装備しており、ドライバーも6点式シートベルトやヘルメット着装のためカスリ傷すら負っていない。モータースポーツは安全性確認の実験室としても有用だと思う。

といった安全対策が構築されているのに、なぜホンダはこんなツイートしたのだろうか? もしかしたらホンダの社内試験で感電した事故があったのかもしれない。早速ホンダに聞いてみたら「社内で情報を精査したところ水没で漏電したケースはありませんでした」。だったらなぜこんなツイートをするのだろうか? 考えて欲しい。水没したクルマの中に助けを求める人が居たとしよう。

助けようとした際、誰かがこのツイートを見ていて「電気自動車だから感電する! 近寄るな!」と叫んだら、誰だって躊躇することだろう。ホンダの公式ツイート、どうするのだろうか? このままだと拡散していく。水没しているハイブリッド車や電気自動車の中に要救助者がいたら助けて頂きたい。繰り返す。構造的にも安全だし今まで水没して感電事故を起こした電動化車両はありません。

追記・上の通り、7月9日の15時51分にホンダから冠水したハイブリッド車に対する情報の訂正が出ました。「ハイブリッドカーや電気自動車などのバッテリーは、設計上様々な対策を施しており、冠水しても感電の危険はありません。災害に遭ったクルマの対応についてはHonda販売店にご連絡をお願いします。投稿内容によりご迷惑をおかけした事をお詫び申し上げます」。

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