セレナeパワーのモーター出力136馬力は全開だと1分程度しか続かない(14日)

セレナeパワーのシステムについてあまり理解されていないようである。確かに日産の解説や、同業者の記事を読んでも「電気自動車に発電機を積んだ」としか紹介されていない。その通りなのだけれど、モーターとエンジンと電池の関係が明確に説明されていないのだった。そもそもセレナeパワーを動かしているエネルギー源はエンジン+小容量のバッテリー。

鉄道好きなら「DF50のような電気式変速機」と言えば解るかと

小容量バッテリーは通常のSOC(電力量)だと1,3kmくらいしか走れるだけのエネルギーしか持っていないため、基本は84馬力のエンジンということになる。ここまで読んで「でも搭載しているモーターは136馬力でしょ?」と思うかもしれません。確かに136馬力を発生することが出来るモーターを搭載しているものの、モーターそのものはエネルギーを作り出せない。

エンジンで言うガソリンのようなエネルギー源が必要。そのエネルギーを84馬力のエンジンで作っている。すなわち84馬力のエンジンで発電機を駆動し、その電力でモーターを駆動してます。実際は発電機のロスや変換器のロス、モーターのロスなどで10%くらい落ちると考えていい。じゃなぜ136馬力のモーターを搭載してるのか? 短時間なら小容量バッテリーでカバーする。

明確な数値を公表していないものの、84馬力のエンジン+小容量バッテリーからの電力で136馬力のモーターを1分くらいフル稼働させられると思っていいだろう。実際、登り坂のあるテストコースでフル加速を試してみたところ、1分くらいでバッテリー容量無くなり、84馬力エンジンで発電した電力のみで走ることになった。当然の如く加速性能は136馬力から84馬力へ。

ここまで読んで「ヤヤこしい!」と思う人も多いことだろう。その通りで、知らなくたって何ら問題無し。その場合、オールアバウトに書いた数字だけ認識していればいい。セレナeパワーは全開すると1分間程度136馬力で、その後84馬力。ノア3兄弟だと1分程度136馬力で、その後99馬力。ステップワゴンが1分間程度215馬力の、その後145馬力となる。電気モノって面白いです。

 

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