マツダのスカイアクティブX、迫り来る厳しい燃費規制をクリア出来ないと思う(13日)

間もなく発表されるマツダ3に『圧縮着火エンジン』を搭載するグレードがある。今や大手メディアの大半は「肯定」から入るようになってしまっており、皆さん素晴らしい低燃費パワーユニットだと考えているようだ。結論から書くと「コストでも燃費でもハイブリッドに届かない」と考えていいだろう。すなわち間もなくやってくる厳しい燃費規制の武器にならない、ということ。

じゃ何でマツダは圧縮点火エンジンをやってるのかといえば「技術者の夢の追求」である。「エンジン屋さんにとっての理想」と言い換えてもよかろう。デザインを重視するあまり、狭くて後方視界の悪いクルマ作るのと根っ子は同じ。「自動車」という商品をチームワークで作っていこうという動きの対極ですね。パワーユニットは自動車にとって重要ながら、井の中の蛙じゃアカン。

迫り来る燃費規制をクリアするのは極めて難しい。トヨタすら「基本的なパワーユニットを全てハイブリッドにした上で、電気自動車やPHV、燃料電池車が必要」と言っている。というのも欧州の2021年規制をクリアするならトヨタ車の平均燃費をプリウスと同等にしなければならないからだ。この規制、2年後です! もちろんディーゼルだってクリアできないレベルなのだった。

アメリカも2025年に欧州の2021年規制と同等の燃費規制が始まる。これまた現行プリウスでギリギリという厳しい数字だ。マツダ3の圧縮着火エンジン、2021年の欧州も2025年のアメリカもクリア出来ない。もし圧縮着火エンジンを売ろうとすれば、トヨタより多くの電気自動車やPHVを販売しなければならない、ということになる。こらもう今のマツダの方向性からすれば難しいと思う。

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パワーユニットとデザインが暴走しているマツダを誰も止められないでいる。世界基準で見てもTOPだと思える自動ブレーキ性能も、やはり世界TOPだと考えてよい4WD技術も、全くアピール出来ていないのは、パワーユニットとデザインの手柄じゃないから宣伝しなくていい、ということです。結果、魅力的なパワーユニットなく、車体サイズの割に室内が狭いクルマばっかりになった。

もちろん販売低迷が止まらない中国市場に置いても圧縮着火エンジンは全く戦力にならない。中途半端な燃費改善技術、中国市場が全く欲していないからだ。同じく厳しいアメリカ市場だって燃費中途半端でパワー感の薄い圧縮着火は人気を集めると思えない--ということをパワーユニット担当以外のマツダの人達は十分解っている。太平洋戦争の日本軍と同じ道です。

「わかっちゃいるけどやめられないっ」ってヤツですね。

 

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