三菱自動車の敵は思ったより多い?(10日)

昼まで原稿書き。12時の新幹線で大阪へ。今日は大阪のABC朝日放送の『キャスト』という夕方のニュース番組でございます。新大阪まで2時間30分掛かるので、本屋さんで以前から読んで見たかった『空飛ぶタイヤ』(池井戸潤)を。この本、2002年に発生した三菱自動車のトラック脱輪事故をテーマにした小説。これ読むと100%三菱嫌いになる。

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以前も書いた通り「クルマ好きから普通の人」くらいまでの方々に三菱自動車のイメージを聞くと「問題あり」と思っている反面「破綻しても良い」とまでは考えていない。けれどクルマに興味の無い知識人の多くが「退場すべき」と言う。メインキャスターの浦河さんは中立。最近、人気番組のキャスターを見る機会があるけれど、皆さん中立です。

TV局はコメンテーターで「社会の幅」を作ろうということなんだと思う。今回厳しかったのが元通産省の古賀茂明さんでした。以下、古賀さんのコメントでございます。そのまんま一字一句変えてないです。空飛ぶタイヤを読んだ人も、同じような考え方をする人が多いんじゃなかろうか。TV見ながら「そうだそうだ!」と思う人も多いかと。いろんな意味で私も参考になった。

「とっくの昔に淘汰されてもいい企業なんですね。技術力がなくて、負けちゃったわけですよ。2回も前に違う事ですけど(リコール隠しのこと)、消費者をだましてるし。よく労働者とか、下請の方がかわいそうだからという話になるんですけど、こういう企業は今回無理に助けても売れませんから、大リストラになっちゃうんですよ。だったら二束三文でもいいから、まともな会社に買ってもらって出直したほうが、結局はいいと思うんですね。前回も三菱グループが助けちゃったんですけど、助けちゃいけないと思うんですよ。反社会的企業になっている。これを助けるといったら、三菱は反社会的グループなのかって、思われるかもしれませんね」。(カッコ内は補足)

三菱自動車が背負わなくちゃならないモノは重い。古賀さんのような方に「まぁもう少し頑張ってみなさい」と言って貰えるくらいの対応策を打ち出さないとキビしいかもしれません。また、益子社長時代のような謹慎状態を続けていたら、クルマという「ハレ」(楽しい状況を示す日本の古い表現)の商品は絶対売れない。モリゾウさんのように楽しさを前面に出さなくちゃ。

往復の新幹線と待ち時間で空飛ぶタイヤを一冊読んでしまいました。文章もストーリー作りも上手。皆さん通勤時間にでも、ぜひ読んでみてくださいスマホいじっているより時間の経過は早く感じる。11日の夕方、また三菱自動車の記者会見が行われる予定。再び厳しい状況になると思う。国交省でなく、ユーザーを向いた対応をお願いしたい。

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