巨大津波
三陸の大津波は過去6000年間、1000年に一度の間隔で発生していたという。正しい一つの情報ながら、これに接したときの判断ときたら千差万別。すべて何となく正当性のある結論になるだろう。果たして政府や官僚はどういった見解を示すのか? お金をジャブジャブ使うことだって可能。
そらそうだ。1000年に一度の津波から強引に守ろうとすれば、巨大な堤防を作るか強固で高い人工地盤を作るか海から離れた場所に新しい街を作るか、です。いずれも巨額の予算が必要。そもそも気仙沼や仙台港など海と接している地域に15mを超える巨大な堤防を構築することなど不可能に近い。
もっと言えば、東京で1000年に一度級の大震災が起きたら激甚な被害を出すこと明確。壊れる家だって多数。同時多発的に火災が発生したら、とうてい消火できまい。そのくらいのスパンで考えるなら富士山だって噴火することだろう。1000年に一度の災害をチカラワザで防ぐことは難しい、ということです。
津波の場合、最も妥当なアプローチは「避難システムをキッチリ作る」ことだと思う。今回の震災で最も被害を拡大させた要因はTVやラジオの初期の津波報道だと考える。地震直後、TVやラジオでは津波警報が出ていることを伝えつつ、同時に「すでに第一波到達。波高10cm」と報じていた。
私も「津波は無いのか」と思った。地震発生から1時間も経ってラジオも聞いていたクルマが津波にやられるなんて絶対おかしい。仮に15mの巨大堤防を作っても、海辺で仕事している人がいるし、正しい情報に接しない限り海に近づく。繰り返すが今回の大津波、地震から1時間近く経ってから来た。
残念ながらこういった検証番組などは現時点で見ておらず。まぁメディアとしても自分の責任があらわになることを番組にしてもしょうがないということだろう。「れば」「たら」になってしまうけれど、正しい津波の情報が伝わっていれば人的な被害は圧倒的に少なかったハズ。
でも警報システムはお金が掛からない。精緻でほぼ全員に情報伝わるシステムを構築したとしても、巨大堤防や人工地盤、街移転に掛かる費用の何千分の1。いや、何万分の1で済んでしまう。そもそも巨大堤防だって1000年持たない。海辺に住む人だってなし崩し的に出てくるだろう。
うなぎ屋修行をしながらそんなことを考えてました。
<おすすめ記事>
深い話だと思います。
せめてNHKでは津波速報の検証番組を作って
(教育TVでもBSでもいいから)
流してほしい。
海で働く人たちは日常として自然の力に逆らえない
ことを知っているし、やり過ごすツールがあれば、
あとは覚悟の上で海(海辺)に戻ってくる
のだと思います。
「これからは大津波も十分逃げられる」
となれば
大きく進化したことになると思います。
昨日、たまたまつけたテレビで
被災したの街づくりに外国も含め多くの企業が
関心を寄せている旨を放送していましたね。
新しい街づくりの構想が
被災された皆さんの意向も踏まえたものに
なることを希望します。
私も東京湾岸道路を余震のたびに路肩に止めてNHKラジオから「10cmの津波」に安心して液状化で水が吹き出してた新浦安にクルマを向けていました。この事実を反省する広報・報道がなぜないのか不思議です。
さらに、福島第一は津波到来する前に地震で緊急冷却装置が壊れたのが原因でメルトスルーし水素爆発したのに、その事実を原子力安全委員も東電も政府もメディアも声を大にしないのも不思議です。
北海道知事の間抜けな泊原発再開容認の記者会見みるたびに腹立たしくなります。
人災の宝庫、ジャパンですね。
先日のテレビで危険を排除すればするほど新たな危機が現れると言ってました。
バイクの3無い運動でバイクを排除した結果国内のバイク産業が無くなってしまいました。
有効に使えばCO2削減にも役立ったでしょう。
原発もとりあえず使い続けるにしろ廃炉にしろ、あるいは新成長戦略で輸出するにしろ技術開発は必要でしょう。
危険なものは嫌というだけでは将来の展望が開けない。
原発の運転を開始するなら避難訓練や避難方法をセットでやるべきです。
避難訓練やるのは危険だから許さないとアホなことを言ってたからいざというときの対応が遅れてしまうと思う。
原発や津波のことを考えると原付は家庭の常備品と思えるようになりました。
1000年後に東日本大震災が再び東北を襲う時、
日本人はどんな技術で迎え撃つのでしょうか。
今回の教訓を生かして欲しいものです。
その前に原発をなんとかしないと日本に住めなくなる
恐れもありますけどね。福島原発20km圏内は
数十年間、立ち入り禁止区域になる地域もあると、ようやく
管さんは認めましたが、実際はそんな甘くはないでしょう。
高濃度汚染地域は数万年間は人が住めないらしいです。
核廃棄物処理工場や貯蔵施設にも数万年の半減期間の
核廃棄物が貯蔵されていますが、ここだって危険な状態の
汚染物質を1000年に一度の大地震が10回以上、襲う可能
性はあります。
今回の地震は、大地震500〜1000回に一度の巨大地震であって、滅多なことでは起きず、日本ではまず起きないと思っていた。(それが起きてしまった)
巨大地震の場合、マグニチュードを測定する際、一般の地震計は振り切れてしまうので、あらゆる地方の強震計のデータを合わせて計算するので、それに30分〜1時間位かかってしまう。(実際、気象庁は、1時間後に大津波警報を5メートルから10メートルに変更したが、十分に伝わらなかった)
おまけにこの巨大地震の前震にあたる数日前の大地震では、津波警報が出たのにもかかわらず、津波が予想より小さかった。また、巨大地震とはいえ、震源が陸地から離れた海底で、地上の揺れがさほど大きくはなかったので、実際に正しい大津波警報が伝わったとしても、避難する人はさほど増えなかったかもしれない。
皮肉なことに、地震当日の3月11日は、東京で地震関係のシンポジウムが行われており、将にこれから日本海溝地震と貞観津波についての発表が始まる寸前の休み時間に、この地震が起きてしまった。
以上は、友人(地震研究者)から聞いたことをまとめたものです。もし、12日以降に地震が起きていれば、シンポジウムの内容も少しは生かせたかもしれないし、首相も献金問題で辞任していたかもしれません。人災も、少しばかりは減らせたかも。(何という運の悪さか!)
微力ながら、今後も復興に協力してゆくつもりです。戊辰戦争の敗戦から立ち直った会津の例もありますので、東北地方はきっと復興してくれると信じます。