日産自動車
日産は専門誌を読むような自動車好きはお客さんにならない、と判断したようだ。基本的に自動車雑誌に対する広告出稿を完全にカット。さらに試乗会のプライオリティまで下げてきたから徹底してます。例えばリーフ。TVや新聞にレポートが出ているとおり、昨日から試乗会を行っている。
御存知の通り自動車雑誌の多くは26日か1日売り。11日に試乗会を行ってくれれば、編集作業がスムース。しかし専門誌向けの試乗会は後回しの16日! これだと原稿書く方だって大変だし、そもそも特急になるため、試乗して疑問になった点を十分に調べる時間だって取れない。
こういったギリギリのタイミング、今まではスケジュール配分に配慮してくれたモノです。まぁそれでも専門誌にとってリーフは貴重な「人気ネタ」だから特急体勢を組んで16日試乗に対応しますけど‥‥。日産の対応を面白く思っていない人が自動車メディア業界に急増してるの、間違いないです。
このところ日産の悪口、ギョウカイじゃ蔓延中。ただ私はジュークに姿勢制御装置VDCが付いてね〜のはケシからん! と非難するつもりはない。そんなの売る側の勝手だし、ユーザーが危険だと考えれば買わなければいいだけ。ドライな日産とはドライに付き合えばいいだけだと考える。
それにしてもリーフを予約したギョウカイ人が私以外、全く居ないという点に驚く。感じ悪い日産のイメージを作ってるのは現在の国内広報を統括している責任者であって、クルマじゃない。リーフのようなモデルを買わないでどうする! と言いたいです。新しいモノを試してみたい、というのがクルマ好きの基本姿勢かと。
朝からCT誌の取材で富士市にある『パワーエンタープライズ』という後付けクルコンで知られるメーカーに行き、燃費向上の電子装備のテストを行う。普通の人がフルにエコランアタックした時の燃費を普通に運転して出せるのだから驚いた。このメーカーの富永さんという代表、相当な経歴を持ってます。
あまりに面白い方だったので、機会あったら後日ゆっくりご紹介したく。15時に富士を出て東京に戻って打ち合わせを一件。中野によってバイトの賄い(今日はキノコ丼。料理が上手くなりました)作り、厳しいオバの苦情相手修行の後、帰宅。アタマ動かなくなるまで仕事して寝。
<おすすめ記事>
日産はリーフの電池を「5年後も容量80%維持」と言ってますよね。
そして、ガソリン車との燃費比較に月1000kmを想定してますね。
月1000km×5年=60000km
充放電サイクル回数の定義は容量80%に低下するまでのサイクル回数ですよね。
リーフが1充電で実走行150km走ると仮定すると、
150km×充電400回=60000kmという事になるので、
充放電サイクル回数=400回前後になるのでは?
日産は、リーマンショックの際、真っ先に海外モーターショーの出展をキャンセルしました。そして今度は、自動車雑誌への広告をカットした上、取材の優先順位を下げた・・・。
どうして、あえて敵を作るようなやり方をするのでしょう?自分で自分の給料を何億円と決められる超ブルジョアの立場だから、庶民も見に来るイベントや薄利多売の庶民相手の商売は、格下に見ているのでしょうね。ダイムラーとも仲良くしたいみたいですし・・・。
しかし、日産社員のほとんど全員が庶民だから、実際は物凄く違和感を感じていることでしょう。
Vシリーズのスカイラインはアメリカで売れなければ、とても今の値段では出せなかったと聞きました。GT-Rも生き残るには、日本ではあきれるくらいのスーパースポーツしか、道がなかったのかもしれません。
もちろん、ゴーン社長が示した凄まじい制約のなかとはいえ、大澤さんや水野さんが全身全霊を込めたクルマですから、素晴らしいできばえでしょう。
でも本当に大澤さんや水野さんが作りたかったクルマは、庶民がリーズナブルに楽しめるクルマだったのではないかと感じます。
そう思うと、乗り続けて20年になるHCR32乗りとしては、自動車雑誌に広告を打たない日産の判断は、あまりに酷すぎて情けなく感じます。
日産は、日の丸企業です。ゴーン社長が日産を救ったのは事実だし、日本人として感謝しているけど、日本から技術だけ吸い上げるビジネスモデルは、そろそろ終わりにすべきでしょう。そうしないと、日産の根っこが枯れてしまいそうで、なんだか心配です。
単なるユーザの立場から言わせてもらえば、広告をカットするのは全然オッケー。
そんなもの、クルマの性能にも安全性にも何も関係ない。カットできるならカットでいいでしょう。
ジュークのは海外仕様には付いているらしいじゃないですか。プリウスの時にも感じたのですが、海外のほうがクルマの仕様情報が充実している気がします。なんせカタログでの購入だったので、情報を集めまくりましたが、細かい情報は海外サイトの情報からもたらされたものが多かったです。
ホームページの作りも、海外サイトと比べて日本のサイトは情報を隠しすぎ。
つまりユーザは海外仕様から日本の仕様の詳細を類推するようになりつつあります。
そんな時、日本だけの劣化仕様設定は「詐欺」みたいなもんです。もっと問題にしたほうがいいと思いますね。
ゴーンの役員報酬確保の為に、安全装備を削るなんて経営としては間違っていますね。
こんなの見ちゃうとリーフもどこか手抜きしているんじゃないかと疑いの目を向けざるをえません。
クルマを生活や人生を豊かにしてくれる道具と見るか、高価な移動の道具と見るかで、見解が分かれるのでしょう。
私は前者側なので、提案・肯定型の広告宣伝や雑誌企画は、生活に潤いを与えてくれるようで好きですし、友人知人にもそういうネタと共にクルマを紹介します。
でも確かに、例えば同じ日本メーカーの車種なのに、
①なぜ欧州仕様は走りがいいのか?
②なぜ欧州仕様は、全席3点式シートベルトをはじめ、安全装備が優れているのか?
などの疑問に対する明確な回答は、カタログや雑誌で読んだ事がありません。もっとも国内外のセッティングや安全装備の差異は、広告の有無というよりも経営判断によるので、情報開示の方法も違ってくると思いますが、日本国内では消費者は知る手立てがありません。
広告出稿が止まったからといって、自動車雑誌が日産車の落ち度や差異を暴露しまくるということは無いでしょうが、確かにメーカーに寄りすぎていた雑誌の立ち位置を見直すきっかけになるかもしれませんね。
でもギスギスした記事ばかり書かれていたら、自分でさえも銭を払ってまで買う気にはなりません。やはり自動車雑誌には、ライフスタイル提案型、趣味志向肯定型であって欲しいなあ。そしてメーカー(特にゴーン社長)には、自分の利益だけではなく、大きな視点でクルマ市場を育てる志を持って欲しい。
昼休みにベストカー別冊テリー編を購入して読んで、しみじみ感じました。