映画オーバードライブはクルマ界の足を引っ張った?
サーキットの狼やイニシャルD、バリバリ伝説、栄光への5000キロなどでクルマ好きになった人は多いと思う。私自身、そうです。マンガや映画、クルマを取り上げたTV番組はクルマ好きを作ってくれる! 2年ほど前のこと。著名で実績のある監督がラリー映画を作ると言うことでギョウカイは大いに盛り上がった。儲け無しに協力した関係者も多かった。
けれど完成し、それなりの金額を当時でTVCFなどプロモーションも行い、映画館で上映開始となったら、見事な空振りに終わってしまう。上映開始から数日するや閑古鳥大会! 見に行ったら貸し切りだったという関係者続出となる。私も見ようと思っているウチ、映画館では終わってしまった。聞けば一人も入らなかった会も多かったそうな。そら止めちゃうでしょうね。
半年ほどして機内で見る機会に恵まれた。するとどうよ! クルマに対し偏見を持っていますね、と思った次第。自動車競技やっている人達は性格的に尖ってないとダメだと考えているんだと思う。暴走族とダブる。あの映画を見てドライバーになりたいとか、メカニックになりたい、はたまたプロモーションや広報の関係者になりたいと思うような若手は絶対居ないと考えます。
私だってオーバードライブでラリーを知ったら、絶対やらない。知り合いのラリーショップに「若手が来ましたか?」と聞いたら、皆さん口を揃えて全く無いという。全日本ラリーの観客増えたかと聞いてみたら「オーバードライブ見てラリーに興味持った人の話は聞かないですね~」。おそらくラリー界に何も影響与えなかったと思う。むしろ怒鳴られまくる怖い世界だと宣伝しちゃったかも。
そもそも主役がラリーに出場する動機が全く理解出来ない。皆さん好きで走っている。理由あって走ってるラリードライバーなど居ないし、そんなヤツを乗せる奇特な人も皆無だと思う。実際、あんな性格悪いドライバーなど聞いたことない! そのあたりの根本的な状況をカンペキに解っていなか、クルマ好きじゃないんだろう。徹底的にガッカリしました。
その割にラリー関係者が感動しちゃってるのは、自分の役割に当てはめた時に理解出来るブブンあるからだ。そのあたり、有名な監督だけに演出上手。全体の雰囲気は納得出来ないが人間の心の動きを掴んでます。もし次にお金と手間を掛けるなら、しげの秀一さんに頼み、イニシャルD+バリバリ伝説をベースに作ったらいいと思う。
良い映画は確実にファン層を増やす。ぜひとも「あんな世界絶対イヤだ!」じゃなく「自分も参加してみたい!」と思えるような作品を作って欲しい、と『カメラを止めるな』を見て心底そう感じた。あの作品、監督やってみたいと思う人を数多く作ったそうな。そして監督にはクルマやモータースポーツに造詣の深い人をお願いしたいっす!
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