車屋四六の四方山話/タイ国際自動車ショーに行ってきました
コロナ禍のせいで三年間の空白が過ぎて、余年ぶりに第44回タイ国際自動車ショーを取材した。タイは仏教国であり王様の国である。王様は国民の敬愛の的だから、大きな会場のエントランスホールには、毎回、王様の肖像と写真が飾られて敬意が表されている。第44回は、その一部に先王の歴代愛用車の写真が展示され、更にAMCグランドチェロキー・ワゴニアの実車が展示されていた。
チェロキーチーフ・ワゴニア
ちなみに先王はラーマ九世、2016年に戴冠式を済ませた現王はラーマ十世。写真から、先王がアウトドア愛好者だったことがわかった。展示の車は、風雨や塩水で腐食が進み大分痛んでいたらしいが、クライスラーに送りレストアされたので、新車のようにキレイな状態だった。
1982年に取材したチャロキーチーフ/西部自動車の並行輸入車
クライスラーがAMGを吸収合併したのは1987年だから、この車が造られたのはAMGということになる。そもそもワゴニアの先祖、初代ジープ・チェロキーSJの誕生が1974年で、この時SUVを名のっていたから、言葉上での元祖SUVは、このSJと言ってよかろうと思っている。
川を渡る王様
それがスポーティーを売りに、ツードアのチェロキーチーフになり、更にフォードアに進化したのがワゴニアなのだ。そのツードアの方を、カービート誌の依頼で、1982年に取材・寄稿したので、その時の写真を添付しておく。当時は、正規の輸入元はなく、西武百貨店系の西部自動車が並行輸入しており、池袋まで借りにいったのを憶えている。
地図を見る王様。助手席はシリキット王妃か
王様は行動派らしく、自身でこのワゴニアを運転して、アドベンチャーしたり、国民の歓迎を受けたりしていたようで、そんな写真がたくさんあり、中の三点ほどを紹介しておく。
国民の歓迎を受けるラーマ九世
王様のコーナーを離れて一歩入った会場は熱気に溢れ、ジープのコーナーには、現在のラングラーや、グラディエイターなどが元気に展示されていた。
手前ラングラー/奥グラディエイター
もっとも、かつての米国のビッグスリーはビッグツーになってしまい、クライスラーはフィアットの子分になってしまったのが寂しいが。
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