燃料電池車の公式記録を残せた(1日)
2日目はSS距離37kmのリエゾン142km。ドイツの時に同じくらいの距離のレグがあり、全開で走り切れている。ということで本日フルアタックでございます。もちろんSタイヤじゃないため、1kmあたり2,5秒~3秒の遅れは致し方なし。SS毎にミライの実力をチェックしていく。すると1500ccクラスのTOPとは張り合えないものの、4番手以降と何とか勝負になりそうな雰囲気。
クーペみたいなボディに見える
1400cc以下という本来のJN1クラスの車両となら十分TOP争いが出来そうである。「リーフより少し速いかもしれない」という予想は当たっている感じ。それにしてもデッカいボディのミライで全日本有数の狭さ&曲がりくねった雁峰の林道をよくぞこんなペースで走れるモンだと感心しきり。左コーナーなんか前輪をイン側ギリで攻めると、内輪差のため後輪はガケの上を通過してますね。
競技用じゃないからタイヤがキーキー鳴く。パワーユニットからの音は全く聞こえず、タイヤをキーキー鳴らしてすっ飛んでくるミライ、観客からなかなかの人気らしい--ということは後で知ったのだけれど、午前の4本を終えてサービスに戻ってきたら、何だか通路に人が一杯いる。なんだなんだと思って近づくと、さ~っと人が引いて私らのサービステントが出現した。ありゃま!
サービスパークの人の多さに驚く
何と皆さんミライのサービスを見に来てくれているのだった。こらTOP争いをしてるチームの次くらいの人の多さか? 何人かの方に話しかけられましたが、なんせサービスの時間はインからアウトまで17分くらいしかなく、その間、打ち合わせしたり軽くメシ食ったりしなければならず、ほとんどお相手出来ませんでした。申し訳ないです。やっぱり競技に出てると余裕ありまへん。
喜多見さんがアライメントを少し変え、リアの減衰力とタイヤの空気圧の変更をしてくれました。いずれにしろ目標は完走。最後のレグは抑えて走ろう、なんてちっとも思わないのが私の悪いクセ。喜多見さんのセット、バッチリ決まったモンだから一段と攻めてしまいました。2度ほど滑りやすい路面でアンダー出てガケにヒットしそうになる。もうラリー終わりだと思うと寂しいっす!
・最終SS
最終SSとなるサービスパーク隣接のコースもタイヤをキーキー鳴らしながら思い切り攻めさせて頂く。ここ、コーナーだらけなので、Sタイヤだったら間違いなく1,5秒は短くなると思う。34秒7くらいなら上々でしょう。同じようにクラスTOPを走っていたRX-8も攻めたのだろう。何と最終SSでコースアウトしてリタイアしちゃいました。抑えて走っても優勝だったのに。もったいない。
記録は残ります
でもそういったチャレンジスピリッツがモータースポーツの精神だと思う。本当に残念でした。結果、2位でございます。参加5台だったJN1クラスは2位まで表彰され、シリーズポイント付く公式記録に残る。何と! ミライ君はFIA傘下の団体が開催している公式競技で初の燃料電池車の入賞ということになりました。水素社会の第一歩として考えればこの上のないリザルトだと思う。
全く期待していなかっただけに嬉しい! ミライ君、持ってます! これだけ注目されるラリー車に乗れるという幸運はめったにあるモンじゃない。ドイツで注目され写真をたくさん撮られ、新城も凄い人気でございました。私の夢を実現してくれた喜多見さんに感謝したい。というか、喜多見さん以外、こんなに短い時間で2トン近いボディを林道で振り回せるクルマに仕立てられなかったろう。
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