B787の電池
B787のトラブル、電気自動車と密接な関係を持つリチウム電池が怪しいと言われているので少々。昨日、B787について「GSユアサの電池は三菱自動車も使っておりトラブル出ていない」と書いた。するとナニも知らない人からデタラメなコメントがいくつか。関わると面倒くさいので状況を紹介しておく。
まずB787に搭載されている電池は、電気自動車以上に厳しい安全基準や製造工程をクリアした製品で、複数の電池が相次いでトラブルを起こすという可能性は極めて低い。この件、フェイスブックに書いたトコロ、ハードの解説を得意とする先輩から「気圧の変化で容器が膨らんだんじゃないか」と指摘された。
考えて欲しい。リチウム電池は低温に弱い。したがって搭載場所は与圧された隔壁の内側。B787の外殻は強度あるカーボン製なので、今までの機体より高い与圧が出来る(従来機だと最大高度での機内は高度2400m程度。B787だと1800m)。そのくらいの高度で個体とジェル状の密閉された電池が膨らむことなど無い。
また「電解液が漏れた」という報道を信じてる人も多いようだけれど、最初に高温状態になって電池が物理的に壊れたため漏れ出してきた。そもそもリチウム電池の電解液って液体じゃ無くジェル状。ようするに先輩を含め、皆さん鉛バッテリーをイメージしちゃってるのだ。そもそも三菱自動車の安全基準は厳しい。
電機業界だと「発火はアウト。煙ならセーフ」ながら、自動車業界だと煙すら「トンデモナイ!」。温度上がることにタイしてもシビアだ。航空機用の電池は一段と厳しいそうな。ということから電池の製造ミスや性能的な問題と言うことは99,99%あり得ないと思う。i-MiEV、1台も燃えてないですから。
なんで燃えたか? こらもう簡単。制御系です。鉛バッテリーだって人為的にショートさせれば火花出す。エネルギーを中にため込んでいるからだ。安全に作ったリチウム電池だって高い負荷を掛けたら高温になり、物理的に損傷してしまう。B787の制御系、フランスの企業が担当しているようだ。
さて。米連邦航空局FAAは、電池の安全性が保証されるまでB787の飛行許可を出さないと決めた。制御系が原因となると、究明は大変である。広範にわたるソフトの改善まで必要になってくるだろう。加えて原因を追及し、燃えるところまで実証しなければ安心出来ない。B787の飛行再開まで時間が掛かるかもしれません。
うなぎが高騰している! すでに高かったのだけれど、年初より15%も上がった。かといって値上げなんて絶対無理。昨年の値上げ以後、売り上げは低迷したまんまなのだ。もはやうなぎ屋は閉めろ、と宣言されたようなもの。ここまで厳しいと大笑いするしかありまへんがな。猛烈に厳しっす!
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仮に今回のトラブルがGSユアサの担当以外の箇所に原因があるとしても、GSユアサが原因だとされてしまわないか心配しています。
外国からすれば、日本政府や企業は叩きやすく、そういったこと(でっち上げ等)に対する対策(これも安全保障というべきか)が全くなっていませんから。
追伸
飛行機事故の場合、事故防止が優先されるため責任が問われず、純粋に原因究明が行われると言われますが今回の件でも期待したいですね。
他の分野では、政治や利益が絡み簡単に原因がすり替え変更されてしまうことがよくありますから。
原因がいつの間にかすり替えられてしまう。
自分も心配してします。
だって、連日、真っ黒になったバッテリーの写真ばかり。
JAL機の燃料漏れが制御系だとやっと出てきた程度。
エレキの塊となった飛行機。
時間不足。
プログラミングのミス。
実はテストを繰り返し、確実に進めばトラブルは運用では出てこない。
自分たちの仕事もそうです。
安倍政権ここでも正念場ですね。GSユアサを守りきれるのか。何もできないようだと、やはり傀儡政権だったのだなと思うだけです。あっ、裁判になるようだと時間がかかるから、その頃は安倍さんではないですね。失礼しました。
電子制御をフランスの会社が担当・・・・・30年前のラテン系の車は電装系がいい加減だったのでそこが不安ですね。そのフランスの会社、デンソーやアイシンに比べて優秀なんでしょうか?
もし優秀だったらプリウスやリーフなんか蹴散らすようなプジョー、シトロエンが走っているはずですが実際はアイミーブのOEMだし・・・・・。
やっぱり航空機設計のプライオリティは安全より政治の方が上なんでしょうか?