中国車が続々と大幅値下げ! 中国に於ける日本車は対応遅れたら終わるかもしれません
ここにきて中国勢が中国での自動車販売価格を大きく引き下げてきた。なかでもインパクト大きいのがBYDのPHVである。中国といえば電気自動車ばかり話題になるものの、やはりリーズナブルな価格帯のハイブリッド車も売れている。日本だと存在感のないシルフィは日産の売れ筋だし、シビックやカローラも台数を減らしながら土台を支えてます。
その価格帯にBYDがPHVをブツけてきたのだった。『Qin Plus DM-i』というモデルは全長4765mm×全幅1837mmというCセグで、110馬力1500ccの発電用エンジン&モーター出力180馬力のeパワー的なハイブリッド車に8.32kWhのリン酸鉄リチウム電池を搭載。電気自動車航続距離55kmというPHVである。驚くのが価格で、今年40万円値下げし160万円とした。
この価格になると日本勢のハイブリッドとカンペキにバッティングしてくる。しかも都市部だと緑色ナンバーの新エネルギー車として扱われるため、下手すると3桁万円になるナンバー取得料無し! エンジン車の登録制限掛かっている都市部だと勝負にならない。登録制限ない地域だって近距離は安価な電気で走れてしまう。燃費の良い日本勢のハイブリッドだって勝てない。
実際、ハイブリッドモードでの燃費はエンジン技術に勝る日本車の方が上。されど20%燃費悪くたって電力料金の安さを考えたらトータルコストで中華PHVにかなわない。この勝負をアコードやカムリのDセグでも、RAV4やCR-VのようなSUVでも仕掛けられている。実際、Qin Plus DM-iの値下げが発表されるや、このカテゴリーの圧倒的な人気車になっている。
同じことが電気自動車でも起き始めている。宏光MINIを大ヒットさせた五菱汽車は、全長4090mm×全幅1720mmの『Bingo Plus』というBセグの電気自動車を発表した。驚くべきは航続距離と価格! 50.6kWhのリン酸鉄リチウム電池を搭載したモデルは510kmというカタログ航続距離を持ちながら180万円とな! もはやエンジン車とガチで抱える価格を付けてきた!
しかもクルマの完成度は十分なレベルだという。こういったクルマが出てくると日本勢は勝負にならない。いや、中国勢+10%程度の価格に引き下げられれば競争力を維持できるだろうけれど、日本勢との価格差は30%以上あるためお話にならない。30%を引き下げるだけの方策を持てないと思う。予想していたより急速に日本勢の販売台数は悪化するかもしれません。
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中国国内や、最近のタイやインドネシアでの、日本車のシェアの下降の具合を見ても、中国の自動車産業の勢いは本当に日本の自動車産業大丈夫かと思わされますね。
日本国内としては、排他的な気質と製品の信頼感不足があってまだ安泰かも知れないですが、今のように大衆EV開発を怠けていたら、いくら補助金を減らされたとはいえ200万円前後の定価をつけたシーガルクラスのEVが入って来たら、景色変わってしまうかもと思っています。
もしも安価で品質が十分な中華Bセグ以下が出てきたら日本車勝てないという議論がこのコラムでされたことがあったと思います。
その中華BセグがBEVでやってくるとは思いませんでした。欧州が中華BEVに関税を掛けようというのも納得です。やっぱり国のカネが動いているのか。
いっぽう、アメリカではプリウスが400万から500万円(日本なら320万円)で売ってるんですよね・・・。日本も車の値段は上がる方向デス。
どちらを基準に考えたらよいのやらと、思います。
中国のPHEVがアメリカで売られるとしたら、中国の価格感で値札を付けるんでしょうか…。