これ入ってきたら黒船! タイだと旧型スイフトと同じくらいの価格で382km走る電気自動車『NETA』
久しぶりにモーターショーが楽しくて仕方ない! もうおもちゃ箱を蹴飛ばしたみたいにいろんなモノが出てきます。全て紹介すると読むのも面倒になるだろうからマトを絞ります。まず「日本に入ってきたらヤバいやつ」から。下のクルマ、中国の『NETA』というメーカーです。新興企業なのだけれど、超赤丸急上昇中。2023年は15万台売った。タイに工場まで作る。
驚くのは価格! 36.1kWhのリン酸鉄リチウム電池を搭載しNEDC航続距離382km。実用航続距離で280kmと十分な足の長さを持つ。で、現地価格56万9千バーツ(約228万円)。タイで作っている1300ccのマツダ2が現地価格292万円。日本だと208万円。タイで販売しているスイフト(ADAS皆無で235万円)より少し安い。日本で売るなら200万円を大きく切ると言うことになります。
となれば日本で売ったら190万円「くらいかと。いや、今が異常な円安。ドル円レートで130円くらいになると170万円台に入ってくるだろう。補助金無しの価格ですよ。しかも自動ブレーキや車線逸脱防止機能など含むADASやアダプティブクルコン、電動パーキング、タイヤプレッシャー警告といった上級装備まで標準。大型の液晶モニターにアップルカープレイが付く。
充電インフラさえあればスイフトよりコッチ
ボディサイズだけれど、全長4070mm×全幅1690mm。日本だとヴィッツやフィットと同じBセグに属す。肝心のモノはどうか? 少なくとも私の判定能力では「問題無し」。樹脂の質感もシート地もスイッチ類のタッチも不満なし。むしろシンプルで好感すら持てる。絶対的なキャビンスペースは横幅こそ5ナンバーサイズながら、リアシートの居住性やラゲッジスペースなどフィット並。
こういったクルマと新興国で勝負するのは難しい。いや、タイ工場から日本に入ってくれば、そこそこ売れるんじゃなかろうか。35万円の補助金が付いたら150万円ですから。電気料金安いし、オイル交換などのメンテもエンジン車より楽。車重は1180kgしかないため、タイヤだって減らない(笑)。5年後の自動車業界は今と全く違う景色になっているかもしれません。
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>『NETA』
惜しい4/1ならエイプリルフールネタになったのに。
まあBYDと同じく中国のディーラーが売るなら日本じゃ売れないでしょう。(正確にはBYDは看板方式で地場ディーラーが扱うみたいです。うちの地元じゃVWのディーラーとか)
一番怖いのはメーカーの紐づけが緩いマツダなんかがディーラー網ごと買われてマツダブランドとかで日本のディーラー整備&保証つけて売られたら売れるでしょうね。
スバルやスズキはトヨタグループだし三菱は日産傘下。一番買われそうなのはマツダ。そう考えると日本のメーカーは意地でもマツダを守らなきゃいかんということですね。
日本の自動車メーカーは、自社の都合(株主の顔色伺い)で車を作る事の限界突破が必要ですね。中国が今迄インフラを驚異的なスピードで整えてきたことが、ここに来て実りつつありますね!
これはもう黒船来航と、腹をくくって、明治維新なみの改革が必要でしょう。
国に頼れないのは歴史が証明しています。
うーん、この手の安価なBEVが入ってきたらタイ市民は大歓迎でしょうが…タイ国自身の自動車産業はどうするんでしょう。
これからタイ国地場のメーカーも育ってくることが考えられるのに中国の車に市場を持って行かれるなんて。それとも、中国メーカーが工場を作って雇用も作ってくれるからいいと考えているのでしょうか。
安いのは今のうちとか罠でないこと祈ります。