アメリカ、フォードとスバルが値上げ。関税分はアメリカ国民が払うことになる。トランプ政権持つか?

トランプは「関税はアメリカで利益を上げようとしている企業が払う!」と言い張り、驚くことにトランプ支持者もそう思っているようだ。どっこい! 企業は慈善事業じゃないし、儲からなければ存続出来ない。借金しても平気な政府と全く違う。そもそもトランプの専門は不動産業なので、貿易についちゃ理解出来ないんだと思う。関税を掛けられた企業は、当然のことのように製品の原価に含めるため、値上げすることになる。

トランプはアメリカ製だと思っているフォードも例外でなく、海外工場で生産しているクルマを多数アメリカで販売している。最初に「もうアカン」という表明をしたのがフォードで、6月から600~2000ドルの値上げをすると発表済。ここにきてスバルも同じような値上げを行う動きになっている。おそらく「右にならえ」で、他のメーカーも続々と値上げをしてくることだろう。何のことはない。関税を払うの、アメリカ人なのだった。

日本人の価値観だと「クルマは贅沢品」ながら、アメリカ人にとってクルマは必需品。無ければ暮らしていけない。値上げが始まって、やっと関税を払うのは自分たちだと認識することだろう。そうなった時にどうする? 突っ張ったら政権は持たないに違いない。値上がりするの、クルマに限らないですから。全ての物価が上がる。さらにドル安に誘導しているため、ドルの独歩安になってきた。さすがのアメリカ人も「おかしいぞ」と解る。

ちなみにトヨタは値上げを表明していないし、しばらく静観すると言ってる。トヨタだけ値上げしなければ、他のメーカーのお客が流れ込んでくることは想像に難くない。そうなれば只でさえ供給不足のトヨタ車だ。メーカーは値上げしなくても、ディーラーが「こら濡れ手に粟!」とばかり、意味不明のオプションをてんこ盛りして(ディーラーが勝手に付けた価格をステッカープライスと呼ぶ)利幅を大きく取る。ディーラー大笑い。

トヨタとしては「アメリカ人に任せる」ということだし、ディーラーで莫大な利幅を取ればインセンティブ(販売奨励金)だって出さずに済む。輸入分について関税を払っても、全体で見ればそれほど痛くないということです。インセンティブを使っている日産やマツダは、値上げしないと関税分や円高分を吸収するのが難しい。商品性を考えるとハイブリッドを持ってるトヨタやスバル、ホンダのようなビジネスは出来ないだろう。

<おすすめ記事>

コメントを残す

このページの先頭へ