2030年のクルマに必要な技術アイテムは、ほぼ自動運転、安価な電池、カッコ良いデザイン、コスパです
2030年の優勝劣敗が予想出来るようになってきたのは、4年後に必要とされる技術アイテムが見えてきたからに他ならない。以下、挙げてみたい。一つ目は”ほぼ自動運転”が可能な高性能ADAS(運転アシスト)である。すでに中国で販売されているクルマやテスラで実用化されており、夢物語じゃない。目的地をセットするだけで、ほとんど操作することなく走ってしまうという技術だ。
すでにトヨタと日産は中国で搭載モデルを発売している。先日、日産が目的地をセットし、クルマの監督していればいいというレベルの高性能ADAS日本で2027年に市販することを発表した。東京都内で開発中のモデルに同乗したが、高齢者でもベテランドライバーと同等以上の安全を担保出来ると思った。2030年はこの技術を10万円で実現しなければならない。
安価で安全で長寿命の電池も必要。2030年時点だと主力はトヨタのバイポーラタイプに代表される進化型LFP(リン酸鉄リチウム電池)である。電気自動車用はもちろんPHEVだってLFPじゃないと勝負できない。補機用の12V鉛電池すら、無交換で済むLFPになっていく。進化型LFPを調達出来ないメーカーは相当の付加価値をつけない限り厳しいと思う。
デザインも重要。同じ性能ならデザインで決まる。なのにデザインは明確な評価基準がない。売れるクルマを作れる感性を持たないデザイナーだったとしても、センス無い経営陣だと使ってしまう。現在進行形で評価低いのがホンダと日産。デザインは仕込んでから市販まで4年くらい掛かる。したがって今売ってるクルマのデザインを担当した人が4年先も担当してるとすれば同じ傾向が続く。
最後がコストパフォーマンスである。日産やホンダのように売れ行き落ちているクルマは、モデルチェンジやマイナーチェンジすると販売目標台数を減らさなければならず大幅な値上げになってしまう。値上げすると顧客は逃げるため、さらに売れ行きを落とす。そんなサイクルを繰り返すと、フル生産状態のトヨタとの価格差がドンドン広がってしまう。
フルモデルチェンジしたRAV4を見ると、わずか2グレードしかラインナップしていない。最上級グレードの『Z』と、オフロード指向のアドベンチャーのみ。価格は490万円と450万円だ。絶対的な金額は高いけれど、フル装備! なぜ上級グレードしか無いかと言えば、生産が販売に追いつかないからだ。その気になれば『G』や『S』というベースグレードも作れる。
トヨタは手強いライバルメーカーが存在しないため作りきれないくらい売れている。結果的に上級グレードしか出せていないだけであり、生産に余力出来たら安いグレードだってラインナップ出来る体力を持つ。2ランクくらい強いワケ。トヨタくらいの商品力を持たないと、中国や韓国など伸び盛りのライバルが台頭してくるアウェイ戦(海外市場)で勝負にならないです。
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