アウディが「レベル3」の自動運転を発表するもギョウカイは冷静です

昨日、アウディが「ほぼ自動運転」という『自動運転レベル3』の技術を発表した。どんな内容だろうか? 具体的に紹介すると、高速道路のような2車線区間に限り60km/h以下はハンドル操作不要。交通量の少ない高速道路を60km/h以下で走ったら後続車から追突される可能性出てくるため「渋滞時に限って」ということのようだ。

自動運転をセットすると、基本的にドライバーをハンドルから完全に手を離してもOK。車線変更すら自動で行う。レベル3というので監視業務も不要。多くのメディアが「凄い!」と報じる中、自動車関係者は皆さん冷静である。自動運転で大きな問題となる「悪意のある運転」にどう対応するのか興味深い。

例えば渋滞時、強引な割り込みを受けたとしよう。安全を考えれば当然ながら停止して譲る。普通なら「それは許さない!」と多少頑張るし、ブレーキだって必要最小限しか踏まない。けれど自動運転車は割り込まれたらフルブレーキで対応するしかないだろう。自動運転車の後続車のブレーキが遅れたら追突される。

はたまた路上の落下物や事故などにより、回避動作などで先行車の動きが突如バラバラになったりした場合も判断は難しい。最悪の場合、自動運転機能をカットし「ドライバーに任せた!」というモードに切り替えるしかないだろう。リラックスしている状況から、事故直前という深刻な状況に放り込まれるのだから厳しい。

もちろんアウディのやることだから問題無いという判断なんだろう。とりあえずドイツ国内法だけで認められた。EUでは適用外(検討中とのこと)。日本やアメリカで認められるかとなれば、難しいと思う。加えて「凄い技術」とは思えない。少しばかりフライング気味というのが自動車業界の評価である。

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