タイ市場、日本で伝えられているのと違い中国の電気自動車はもう終わった?

タイに中国勢が怒濤の如く押し寄せていると紹介した。すると以下のようなコメントが。「ご存知の通りバンコクショーは即席販売会でもあり、今年は中国EV勢の勢いはなく販売数激減だったようです。トヨタ、ホンダの日本勢の販売は超絶好調でした。BYDは2~3年すると使い物にならなくなるというのがタイ人の印象だそうです。BYD製のスーパーチャージャーも壊れたり、充電が上手く出来なかったりが多いです。クルマを買えるくらいのお金を持っているタイ人は中国製のEVは資産価値が直ぐ無くなるので、もう買わないと言ってます」。その通りだと思う。

ブースの裏側は商談コーナーです

実際、タイは依然として充電インフラが整っていないし、信頼性で厳しいかもしれないモデルだってあることだろう。タイの項目でも書いた通り、現時点での購入層はお金持ちのセカンドカーだ。徐々に人気が醒めてきている。自動車関係者は皆さん的確にレポートしてます。そんな報告を受け「じゃ日本は心配なし」と判断している日系自動車メーカーの役員は少なくない。

だから日本が有利なままでいられるかとなれば、希望的にはそうなって欲しいけれど、心配すべきだと考えます。家電製品や携帯電話端末など今までやっつけられてきた産業を見ると、全てアジアのライバルを「タイしたことない」と嘗めてきた。結果、様々なジャンルで惨敗ばかり。生き残っているのは自動車産業と、部品や素材メーカーだけになってしまった。

中国を過小評価するのは簡単だ。かつて日本も欧米から過小評価されてきた歴史を知らないということです。日本が労働時間で自ら縛っているのを横目に、中国の開発部門は24時間稼働している。試作品を注文したら翌日には出来ているそうな。そいつを実験&試験部門に送れば、タイムタグ無しで評価が戻ってくる。カイゼンの速度は日本の3倍と言って良いレベルです。

おそらく短期的に評価すると中国勢の評価は落ちるだろう。そのまんま「中国製品ダメだね!」で終わってくれればラッキーだと思う。されど今までのケースを見ると復活してくる。ダメになった産業は、そのときに戦えるチカラを持っていなかった。価格でも性能でも商品の魅力でも技術でもアフターサービスでも負けた。クルマだけはそうならないよう頑張らなくちゃならんです!

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6 Responses to “タイ市場、日本で伝えられているのと違い中国の電気自動車はもう終わった?”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    今回の記事には、心底シビレました。

    日本産業界の先人の皆さんが、タイで築き上げてきた確固たる信頼。これがヒシヒシと伝わってきたからです。これは、金でも権威でも手に入れることができません。素晴らしい!

    すっかすですね、
    「だからBYDはまだまだだと言ったんだ」「我々のやり方でじっくりやれば良い」「日本ですらまだなのだから、タイの電動化なんてまだ先の話だ」とのたまう方々は、間違いなく茹でガエル。

    日本メーカーには、先人の皆さんからプレゼントしてもらった信頼と時間的余裕を、是非とも活かして欲しいと思います。

  2. ぱんだこぱんだ より:

    中国はまだトライアンドエラーを繰り返してる最中なので、この期間でどれだけアドバンテージ作れるかが日本車勢の勝負ですね。
    ただ、日本車が世界中で認められるようになった時間ほどの余裕はないと思います。

    10年後なのか、5年後なのか…
    今は機能面でとんでもなく進んでいますが、車としての耐久性や品質はない。
    でも必ず耐久性や品質でも追いつかれると思いますので、そのときに価格以外の大きなメリットを作れるか。
    今が本当に頑張り時ですね!

  3. natumenatuki より:

    国沢さんのおっしゃる通りと思います。三倍の開発スピードにいかに対応するか?開発部門は三部制にするぐらいの英断が無いと追いつかないでしょうね。過去に『不夜城』が高度成長を支えたのは紛れもない事実でした。いずれにせよ株主の顔色伺いのサラリーマン社長では、三洋電機、東芝の後追い自殺間違いなしです。ユニクロ、日本電産等の様にオーナー社長の目線でないと生き残れないと考えます。

  4. natumenatuki より:

    申し訳ありません。日本電産は、2023年4月に、ニデック株式会社に社名変更されております。(学歴や偏差値にとらわれない人材活用で有名ですね。偏差値の高い方は、保身のうまさの能力が特に高いと思います。)
    私の、調査不足でした訂正させて頂きます。

  5. 窪田隆一 より:

    中国自動車メーカーは、日本の自動車メーカのように各社で車両走行テストコースを持たず、検査基準化ができていないために、現場、消費者がテスト機関となっている。もし、中国のメーカーがそれらを持ち始めた時、日本の優位性は崩れ始めると思う。開発部門の”三部”制という指摘もあったが、それはあくまでもルーチンワーク上での話で、最初の着想、切り口を見極める段階の能力の育成とは関係ない。ただそれをうまく拾上げチャレンジする中間層が今の日本は育っていない。H社の”三部”氏のように自社、そして共に育ってきた企業の持ち業を、自らの思い込みで壊すTopが出るぐらい頓珍漢、迷走が日本の産業を混乱させ失速させていると思う。自動車産業がつぶれる時、日本全体が崩れる時という認識を持つべきだと思うが。

  6. ませしんいち より:

    たいへん。

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