工場は海外逃亡

国家の場合、体力に相当するものは「生産力」だと言われる。つまり工場などがたくさんあって、商品を作り出せれば体力持っているということです。だからこそ新興国や発展登場国は工場の誘致を積極的に行う。しかし! 我が国を見ていると、工場なんか無くていい、くらいのイメー
ジでいる政治家や役人が多い。
 
トヨタは九州工場で貴重な外貨を稼いでくれていた北米向けのハイランダー(SUV)の生産を、夏休み明けから北米工場に移すことを決めた。今後も輸出仕様のカローラなど徐々に海外工場へ移管する方針らしい。豊田章男社長体勢になってから海外工場を畳む方針なのかと思いきや、そうじゃなかった。
 
もちろんトヨタとしちゃ日本でクルマを作りたいんだと思う。けれど税制や雇用問題、賃金の問題、不当に円が高い為替などを考えると、もはや日本で作る意義を見いだせない。今や故郷がどこだか解りにくくなっている日産だけでなく、日本が好きなトヨタでさえ日本から逃げ出さなくちゃならないということ。
 
また、日本でクルマは組み立てても、部品は海外で調達するケースも増えている。次期型フィットの部品など、50%が海外調達だと言う。一度こういった流れになったら、国内調達に切り替えることは難しい。特に現時点で採算ギリギリの部品など、一旦海外に切り替えたら100%国内じゃ作れなくなるだろう。
 
もちろん安価な部品に変わる「利幅の大きい先端技術の部品」が作れればいい。ところが日産NECのバッテリーは海外にドンドン工場を造っている。中国の得意分野である鉄電池の性能上がろうモノなら、それすら厳しい価格競争に飲み込まれてしまうだろう。ハイブリッドの技術も猛追を受けている最中。
 
どうすればいいのか? やはり国民全ての意識が変わらないと無理だと思う。首相や政党の交代くらいじゃ全くダメ。も少し具体的に書くと、昭和30年代後半から40年代の映画を見て欲しい。今の常識からすれば「そらアカンでしょう!」の連発である。ということで週末はムカシの映画で楽しみましょう!

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1 Responses to “工場は海外逃亡”

  1. ドン より:

    確かに海外生産への移行の流れは進むばかりですね。
    4月の輸出実績を見ると、トヨタはダントツで15万台も輸出をしてますが、
    日産は5万台、ホンダに至ってはたったの2万7千台ですからね。
    グローバル企業のあるべき姿なのかもしれませんが、悲しいもんです。

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