日産、業績回復。600億円の赤字予想から一転。600億円の黒字予想に

日産が面白いことになっている。ここにきてアメリカで売れ行き好調。急速に業績は改善されており、このままだとどうやっても黒字になってしまいそうだったらしい。普通に考えたら黒字上等でしょ、と思うだろうけれど、日産の場合、素直に喜べない。黒字になったら株主配当を出さなければならないからだ。日産、すでに2年間も株主配当をしておらず。赤字だから株主も看過してきたワケです。

なぜ黒字は好ましくないか? 日産の場合、しっかりした黒字額なら大いに好ましいが、少額の黒字だと「う~ん」です。黒字になったら株主配当をしなければならず、そうなるとプレッシャー掛けてくるのが大株主。ルノー、日産からの株主配当がなくなったため、前期は1兆円という途方もない赤字を出した。日産が黒字になったら当然ながら株主配当も復活するため、大歓迎なのだった。

おそらく相当額の株主配当を要求してくることだろう。一方、黒字額が小さいと株主配当を十分に出せない。だったら赤字にしておき、儲かってないから配当も出せないと突っぱねればいいということです。2020年度の決算発表の際、2021年度も600億円の赤字継続という予想を出したものの、この程度の赤字金額なら頑張れば黒字化できたろう。赤字のままにしようという意思を感じた次第。

強引に黒字決算としたマツダと好対照だった。けれど日産の業績回復力は予想を超えたということだと思う。今回発表された2021年度決算は600億円の黒字。おそらく今のままの状況が続けば、世界規模で進めている新型車攻勢もあり(新型ナバラも売れ行き好調)、黒字額はさらに大きくなる可能性大。ということを見越したんだろう。29日は日産の株価がぐぐっと上がった。そらそうでしょう。

このままイッキに業績回復になればめでたしめでたし。ただ日産、好調になると政治的な動きなど出てきて足の引っ張り合いを始めてしまう。絶対的な権力者が存在しないと方向性を打ち出せなくなってしまう。ここからの舵取りに注目したい。

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