欧州、2027年施行の『EU6e』でPHVも存続困難な数字を出してくるようだ。最適解はハイブリッド?

御存知の通り現在欧州では平均95g/km(大雑把に言えばJC08で20km/L)という燃費規制が適用されている。そいつを大排気量&高性能車でクリアするために考えられたのがPHVだ。現在日本で販売されている輸入PHVの大半は、燃費追求というより欧州燃費規制達成を目的としたもの。実際、電気自動車としての走行距離が30km以下だと大半はエンジンで走ってます。

BMWのPHVもCAFE対策

そいつを「ダメですよ」としたのが『EU6e』の新しい解釈。以下、数字が並びます。現在50g/kmとされているようなPHVは新しい解釈だと125g/km程度になるという。95g/km以上は1g/kmあたり1万3千円という厳しい罰則。125g/kmだと罰則金39万円だ。これは表面上の話であり、50g/kmのPHVを1台売れば140g/kmの高出力車を販売しても平均95g/kmで罰則金無しになる。

新しい解釈だとPHVの罰則金が39万円。140g/kmの高出力車に対する罰則金59万円も加算され、2台売ってチャラだった罰則金が98万円に! こうなると価格競争力を失ってしまう。ということで電池搭載量20km/kWhを下回るような輸入PHVは絶版が決まったようなもの。走行用電池のコストダウン進まず保証期間の8年経って走行用電池がトラブッた時点でゴミになるということです。

輸入車のPHVを買う時は、保証のある期間(メーカーによって違う)を確認し、そこを寿命だと割り切ること。保証期間内に手放すのなら問題無いです。ただリセールバリューに大きく関わってくるし、そもそも8年でゴミになる可能性あるクルマを買うなんてECOじゃありませんワな。こうなると気になってくるのはPHVで欧州戦略を組み立てようとしていたマツダです。

『EU6e』の新しい解釈をロビー活動で事前に入手出来ていれば問題無し。新しい解釈を見て驚いているようだと厳しいかもしれない。仮に新解釈でCX-60のPHVが95gを切っていても、PHVで稼ごうとしていた平均燃費向上分は期待出来なくなってしまう。やはりマツダも少なからぬ台数の電気自動車を作らないと欧州でのビジネスは厳しくなると思う。出遅れを取り戻せるか? 

参考までに書いておくと95gを下回るハイブリッドは超安泰! 直近10年の最適解は燃費の良いハイブリッドだと思う。

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