アメリカでRAV4やCR-VのライバルとなるフォードEDGE、乗ってみたら「こりゃダメでしょ」でした
アラスカで”レンタカーがちゃ”したら、EDGEだった。日本じゃ全く馴染みのないクルマながら、アメリカ市場ではRAV4やCR-V、CX-5と競合するモデルだったりする。大いに興味深い! レンタカーがちゃで面白いモンが出てきたもんだ。2016年に日本から撤退して8年。フォードってどうなっているんだろうか? いい機会なので調べてみました。
2023年に於けるアメリカ販売台数だけれど、190万台を販売しブランド別で優勝! 子細に見ていくと、GMはキャデラックとGMCという商用車部門を合わせれば260万台。トヨタもレクサスを含めたら221万台になる。フォードG総計199万台。今やこの3社がアメリカのビッグスリーになった。たがEDGEは大苦戦しており、だからこそレンタカーに安売り中かと。
なぜ売れないのか? こらもう簡単。ハイブリッドに代表される燃費の良いパワーユニットを持っていないからだ。試乗したのは43800ドル=680万円の『チタニウム』という上級グレードだけれど、搭載されるエンジンは250馬力の2リッター4気筒ターボ。RAV4なら同じ価格でエネルギーコストがEDGEの半分以下で済み、システム出力306馬力のPHEVが買えてしまう!
よほどのフォード好きじゃないとEDGEを買う理由無し! ただレンタカーで乗るなら悪くない。なんせ私、フォード好きだったりします。WRCでMスポーツのフィエスタに乗った時は、思い残すことはないと思ったほど。そんなこんなでEDGEを堪能した次第。ちなみにボディサイズは全長4795mm×全幅1930mm。RAV4やCR-Vよりワイドなのがアメリカンです。
250馬力のECOブーストは低い回転域からしっかりトルクを出しており、3リッターのターボ無しエンジンと同じくらいのパワー感。騒音や振動は無難なレベル。官能的な気持ちよさについちゃ「無し」。このあたりがアメ車らしい。ドライバビリティはレスポンス良いハイブリッドに遠く及ばず。トヨタのハイブリッド、1世代前と比べ圧倒的に元気良くなった。
乗り心地は「悪くないがさりとて良くもない」。ハンドリングについても「悪くないが楽しいかと聞かれたらウナる」レベル。強いてEDGEのストロングポイントを挙げるならデザインだろう。エクステリアもインテリアも積極的に「いいね!」したい。オーディオなんか日本車は遠く及ばない。ラジオですらキッチリ低音を鳴らすし、チューナー性能なんか抜群に良い。
とはいえ正直な話、総合点では日本車どころか韓国車にも届かないかな、と思う。日本に再上陸したら全く売れないだろう。そればかりかホームのアメリカですら厳しい。GMとフォードはイッキに電気自動車へ行くようだけれど、ハイブリッドを持っていないためそれしかチョイス無しかと。EDGEのハンドルを握りながら「こらトヨタが売れるのも当然ですね」と思った。
フォード、パワーユニットで厳しいのは他のモデルも同じ。なのに依然として売れている。ここがアメリカの怖いところ。コンビニに置いてある醤油は1~2種類ながら、大きな店だと20種類以上ある。売れるから在庫してる。アメリカに於けるクルマも同じ。市場が大きいため、知名度あれば売れ続ける。されどジワジワ売れ行きを落とし、旧クライスラーのように落ちちゃう。
<おすすめ記事>
フォード、ヨーロッパフォードですが好きだったのでレポート嬉しかったです。
出張レポートありがとうございます。
フォードとしても「ECOブースト」名を与えるなどして力を入れたと見えますが、やっぱり…。
踏めば速い、ボリュームひねれば音がすごいあたりは押さえられていてアメリカン!!