キザシ・ハイブリッド

スズキがアメリカで『キザシ』というカムリクラスのクルマを発売する。搭載されるエンジンは2、4リッターの4気筒。そしてどうやら来年末にもハイブリッド車を追加するようなのだ。このハイブリッド、GMの技術を使うという。この情報を聞き、全ての疑問が解けました。GMとスズキの関係、切れてなかったのだ。

GMはカムリクラスの『マリブ』というモデルに先代クラウンと同じハイブリッドモドキをラインナップしている(36Vのバッテリー使う事実上アイドルストップ装置。スマートも同じ)。このモデル、2010年モデルでカタログから落ちていたのである。なぜか? 標準車より高いのにタイして燃費良くないため売れなかったのだった。

「こらマズい!」と思ったのだろう。GMは次世代のハイブリッド車の開発に着手。完成したのは、ガソリンでもE85(エタノール燃料)でも使える1、4リッター200馬力のターボエンジンに、ホンダ程度のモーターを組み合わせ、日立製のリチウムイオンバッテリーを使うというもの。これを2010年モデルにラインナップしようとしていたらしい。

しかしGMのフトコロ事情極めて厳しくなり、チャプター11に。開発費の捻出すら難しくなってしまったことは想像に難くない。そこに登場するのがスズキ。スズキなら開発予算を持っているし、スズキにとってもハイブリッドをラインナップできるならメリット大。トントン拍子で話は進んだのだろう。スズキとGMの技術陣、昔から一緒に仕事してます。

1、4リッターターボエンジン+マイルドハイブリッドの相性は悪くないと思う(エタノールを使うという着目点も良い)。例えばVWのTSIエンジンにアイドルストップを組み合わせただけで、実用燃費は大幅に向上しますから。ただGMもスズキも、効率の良い変速機を持っていない。CVTを使うしかないだろうけれ
ど、燃費を稼げるか?

ここからはスズキの技術力に掛かってくる。おそらくGMじゃ燃費の良いマイルドハイブリッドなど作れなかったことだろう。もし燃費の良いクルマに仕上がれば、GMやオペルへのシステム提供も可能。スズキにとって美味しい稼ぎ手になってくれると思う。

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1 Responses to “キザシ・ハイブリッド”

  1. しろとら より:

    2.4リットルですよね?
    しかし、スズキまで、リチウムイオンバッテリーへ移行していくとなると、
    インサイトやプリウスも、マイナーチェンジ頃にリチウム版が出てくるんでしょうか。
    インサイト(リチウム)で、プリウスに追いついたと思ったら、プリウス(リチウム)でさらに突き放されて。

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