ダイムラーが航続距離500km。寿命120万kmの電気トラックを2024年から販売すると発表!

ドイツで開催されている国際商用車ショーでダイムラーが『eActros LongHaul』という電気トレーラーヘッドを2024年に発売すると発表した。リン酸鉄リチウム電池を600kWh搭載しており、航続距離500kmという。充放電回数3000回とすれば150万kmという寿命(メーカー発表は120万kmながら少し控え目だと思う)。充電は20%~80%まで30分。

ただトレーラーの運用を考えると、500km走った後、フル充電してあるヘッドに交換すればいい。大手の運送会社であれば、高速道路に充電デポを作り、そこで交換&充電すればOK。500km走って太陽光発電で作った電力550kWhを消費すれば電気料金8千円程度。軽油なら2万3千円程度+尿素。まぁエネルギーコスト3分の1です。150万km走っても電気自動車は240万円で済む。

一方、我が国は燃料電池を使おうとしている。ダイムラーの電気トラックの出力544馬力。155馬力を発生するMIRAIのスタックを3つ積むと465馬力。いすゞのギガは380馬力なので何とかなりそう(ギガのトレーラーヘッドは520馬力)。大雑把な計算ながら水素40kgくらいあれば500km走れると思う。水素40kgだと燃料コスト4万8千円。ディーゼルより少しばかり高い。

もう1つ課題があります。燃料電池、乗用車用として使う分には何ら問題無いのだけれど、150万km持つかとなれば厳しいかもしれません。電池も3元系リチウムなら30万km程度しか持たず燃料電池とよい勝負ながら、リン酸鉄電池だと「う~ん!」。とにかくリン酸鉄電池って凄いと思う。今の燃料電池の耐久性だと、リン酸鉄電池使った電気トラックに勝てないかも。

ヒョンデも燃料電池トラックを開発している。いずれにしろ7年後の2030年には二酸化炭素排出量を46%減らさないとならない。おおよそ240万台走っている大型トラックの半分近くを電気&燃料電池にしなければ間に合わないということ。日野自動車もエンジンの開発は凍結し、電気や燃料電池トラックの開発に全ての技術を投入した方がいいと思う。

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One Response to “ダイムラーが航続距離500km。寿命120万kmの電気トラックを2024年から販売すると発表!”

  1. 筒井公平 より:

    「大手の運送会社であれば、高速道路に充電デポを作り、そこで交換&充電すればOK。」とのコメント、まさにそう思います。私は予てから「高速道路に直結した自動走行と電動化に対応した物流ターミナル施設」の整備計画を進めていますが、そこを「電池充電・交換の大規模なバッテリベース(基地)」にすれば、直ぐにでも東名阪の高速道路での大型EVトラックの電動化がスタートします。日本向けに型式証明を取って1,000台位投入すればいいのです。

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