デザインと乗り心地の評価、曖昧にするケースが増えました。遠慮や忖度は良い商品を育てない

クルマの売れ行きに決定的な影響を与えるのは間違いなくデザインである。ただ好みというのは人によって違うことも間違いない。100人中10人くらい良いと判断し、SNSなどでその人達の声が大きければ「高く評価されている」なんてことになってしまう。最近のホンダ車など好例。サイレントマジョリティって忙しいのでコメントなんかしません。当然ながらクルマは売れない。

カッコ良いクルマは売れる

デザインほどじゃないけれど乗り心地も売れ行きに影響する。少し古い話になるがザックスを採用していたスペイン工場製のデュアリスは高く評価されたものの、KYB製ダンパー使う九州工場製になってガックリ落ちた。同じくトルコ製ザックス使い高い評価を得ていたC-HRながら、コストダウンのためKYB製ダンパーに変えたら途端に乗り心地がドタバタになって売れ行きガタ落ちです。

ハード面の評価は素晴らしい!

本来、自動車ヒョウロンカはサイレントマジョリティを代表してキッチリ評価しなければならないのだけれど、皆さん及び腰。デザインも乗り心地も「その人が気にいってるならいいんじゃないか?」と考えるのだろう。それだとデザイナーや実験担当は大甘の甘の介になってしまい、シンを喰わないデザインを連発したって反省しない。結果的に自動車メーカーの体力を奪う。

高額車のデザインは尖ってないとアカン

例えばステップワゴン。デビューした時、私はデザインにダメを出した。一方SNSなどでは声の大きい皆さん達が「オラオラ顔じゃ無くていい」と高く評価。ホンダの人と話をしていると「デザインの評判いいです」と言う。おそらくデザイナーも自分に都合の良い意見ばかり取り上げ、売れなかったらデザイン以外に理由ある、と思うことだろう。そらデザイナーじゃなくゲイジュツカです。

ちなみにステップワゴンを高く評価する人は、オラオラ顔を選ぶ人の対極にあるんだと思う。世の中、オラオラ精神で頑張っている人が仕事でお金を稼げる。まったりしたい人は出来れば自宅警備員でいたい皆さん。どちらが購買力あるかとなれば、o.1秒も迷わず前者。クルマはゲイジュツヒンじゃなく商品。購入層の気持ちを掴まないと売れない。トヨタは上手だ。

乗り心地も同じ。CX-60の乗り心地、ここにきて日和る同業者が多い。ディーラーで試乗した人のレビューも「悪くない」という意見増えてきた。「1万kmくらい走れば良くなる」みたいな書き込みもあります。実際、少しはよくなるんだと思う。こういった声を聞いて購入し、高速道路を含む様々な道を走ったら「う~ん」になると思う。メーカーはメーカーでいろんな社内政治がある。

もう少し深く突っ込む。CX-60のサスペンションを設計した人が今も残っているとしよう。大きく改良しなければらなくなったら、ヘタ打った自分の責任になってしまう。会社に巨額の損害を与えると言うこと。売れないデザインにしちゃったデザイナーと同じく認めたくない。失敗したら失敗した人を変えない限り良いクルマにならないと思う。評論家は逃げず自信を持って評価を!

それが日本車を鍛え未来になります。

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8 Responses to “デザインと乗り心地の評価、曖昧にするケースが増えました。遠慮や忖度は良い商品を育てない”

  1. アミーゴ5号 より:

    ヒョーロンカの皆さん、メーカー資料を元に話されますから、もはや解説者という感じですよね。乗り心地が悪くても、硬めだけど若々しいとか、表現はいくらでもできますもん。無責任極まりないと思いますけど。

    C-HRもレンタカーを借りて箱根を走った時、こりゃあスゲエ走りだと思いました。ドイツを走りまくって開発されたと知って、さもありなんと思いましたもん。

    それがマイナーチェンジで、劣化した安物ショックに変えられた時に、国沢さんだけじゃないかな。文句を公言していたヒョーロンカは。

    特に質が悪いのは、分かってても書かないメーカー御用達の皆さん。おそらく仲間内の飲み会では、本音で悪口をくっちゃべっているでしょう。

    世のため、業界のため、消費者のために、それを書きなさいよ!と言いたいですね。

  2. Rotarycoupe より:

    スタッドレスの評価も酷く無いですか。

    毎回「史上最強」が謳われますが、これが本当なら今頃はグリップから寿命まで完璧なスタッドレスになっているはずです。

    しかし実際は、減った後の氷上性能低下が昔に比べ激しく感じます。よくメーカーが「4年後も性能をキープ」と書きますが、あれは使わずに保管して山が全く減っていないからなんじゃないかと勘繰るほどに。

    結局、プラットフォームまで山を残したまま夏に履き潰すことになり、使える年数は昔と同じか、むしろ短くなっていると感じるほどです。

  3. 裸の将軍 より:

    近頃のネット動画界隈
    各界の評論家、解説者、更に「誰だよオマエ」な関係者が
    業界の真実、忖度無い評価を公開し続け
    見ている側も「本当の事を言ってる!」「新聞、テレビと視点が違う!」と疑いもなく見ています

    でも最近「え?あれ?」と思う事が増えてきました
    メディアがなんであれ、それで飯食おうと思ったら発言を考えはじめますわな

    じゃあどうすればいいの?となれば
    あらゆる媒体の情報を見て聞いて、考えて
    「信じた道を行く」
    これにつきるのでしょうね

  4. 猫まんま より:

    最近のホンダのデザインはアメリカ市場しか見ていないと思います。Fit見てると車自体はそこまで悪くないのに(ヴェゼルと比べて全然走らないのはさておいて)売れていないのは【カッコ悪い】としか言いようが有りません。初代から3代目まではいっぱい売れていたのにねぇ。
    ステップワゴンは国沢氏の言ってる通りで一部の信者が声がでかいだけで実際に売れていないのはご覧の通りです。オラオラ顔が嫌いだと言っても現実にはオラオラ顔が売れるのが日本市場。私もオラオラ顔は嫌いですが。ホンダの開発者は「ヴォクシー&ノアとは勝負していません」とか言ってるそうですが言い訳ですよね。そもそも売れてる台数は勝負にすらなっていませんが。昔インテグラでブッサイクな丸4灯のデザインにして自爆したのは無かったことになってるんでしょうか?
    CX-60の乗り心地は前にも書いたけど私が乗った個体は対策済みなのかMAZDA3よりは乗り心地良かったです。リアサスがガッツンガッツンくることは無かったですね。ディーラーの人は何もしていませんって言ってましたけど。
    ホント芸術家じゃないんだから売れてナンボです。トヨタの凄いところはユーザーが何を欲しがってるのかをきちんと理解しているところでしょうね。さて次のアルファードはどこまでえげつないデザインになるのでしょうか?

  5. ひこ太郎 より:

    保守的な車からの転換、従来の顧客も逃さず新たな顧客を掴む。トヨタだから出来る事なのか、勢いが他社とは段違い。
    性能が良くてもデザインが良くなきゃ売れない、客が求めてるデザインなら性能はそこそこでも売れるのはトヨタが一番理解してるのでしょうね。
    ヴィッツ、先代プリウス、MIRAIで学んだのかな

  6. CX-60 より:

    デザインはパッと見で好き嫌い・良し悪しがわかりますが、乗り心地はもちろん乗ってみないとわからない。乗って走り出した瞬間「うーん」と思う仕上がりの車もあった。しかし、試乗を待っていたらオーダーストップになって買えない車種もあるかもしれない。
    試乗記に、乗り心地を良くも悪くも書いていないが、「買うときに実際乗ってみたらよいでしょう」と書いてあったらフラグだと思っています。
    やっぱり購買屋さんが出て来て、安いところから買えとか、MCで一律で部品に対してコストダウン・VAを求められると、CHRやデュアリスみたいなことになる。

  7. z151 サンバー愛好者 より:

    プリウスとZR-Vこうやって直接ぶつけると同じ時期に発表・発売するようなクルマとして対照的ですね。
    人間もそうですが、イケメンもいればブサメンもいます。
    目は2つ、鼻はひとつ、口もひとつなのにね。
    モテる・モテないが厳然とあります。(笑)
    クルマも同じように鉄でできていて、値段も(まあ違う時もあるけど)そう変わらない。
    でも売れるクルマもあれば売れないクルマもある。

    ZR-VだってCR-Vとほぼ共通のエンジンで200kgくらい軽い&スポーツトランスミッションらしいのでそこだけでも走りは良さそう。
    でもプリウスのひとつひとつが張りのあるラインで構成された「説得力のある造形」と比べてしまうと「緊張感も癒し要素もない形」に見えてしまいます。
    虹のエフェクトも残念ながら効果なしといった感じ。

    ノアはちょっとマズルの黒い犬、パグ系。
    CX-60写真だとニョロっとしてますね。
    実車は割と角ばって見えましたが。
    ステップワゴンは私が草食系なんですかね、割と好きなデザインではあります。
    デザインを主張するより、ステップワゴンで何をするかという「モノよりコト」を突き詰めて行くと自然とシンプルな構成になるというか。
    ただ残念なことに過去のデザインの焼き直しともいえそう。
    ミニやスーパーカブみたいにずっと貫いてリファインされ続けたものという訳でもないですし、内容がデザイン程シンプルでもリーズナブルでもない。
    だったらノア・ヴォクみたいに外見と中身が濃ゆい方が納得いく人が多いんじゃないかとも思います。
    ヴォクシーは見慣れたとはいえハロウィンにシーツを被ってオバケの恰好をした仮装にしか見えませんが。

    最初に戻ってプリウス、かっこいいですね。
    実用性とカッコよさが両立するんだなと見直しました。

  8. より:

    CX-60のリアサスはド・ディオン・アクスルをエミュレートした、とかいう日経の記事読みました。
    面白い記事でしたけど、どうなんでしょうねえ。

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