トヨタ、ロシア工場は止めていたけれど従業員ってトヨタの仲間。賃金は支払っていた

トヨタがロシアでの生産を終了したというニュース、多くの人は「今まで作っていたのか?」というミスリードになっていると思う。報道、中途半端な知識でするとそうなる。10万台規模の生産能力を持つロシア工場は、3月4日にラインを止めた。それ以後、生産は再開していない。ただ工場そのものはスタンバイ状態になっており、従業員なども解雇しておらず。

ロシア工場は2007年生産開始

トヨタとして悪いのはプーチンであり、トヨタ工場の従業員は仲間だということ。国と企業は分けて考えましょうということ。驚いたことに従業員に対し給料も支払ってきた。これ、休業したマクドナルドなども同じ。「信用される国際企業」としては正しい判断である。じゃ今回のニュースはなにか? 撤退を前提とした工場の全面的な機能停止ということです。

3月4日から今まで、いつ工場を稼働させても大丈夫なようにキチンとメイテナンスしてきた。今後、誰も居なくなり生産ラインは放置されることになる。当初、プーチン政権は工場を居抜きで接収し、生産ラインを動かす気でいたようだ。けれどそんなこと出来るワケない。トヨタ車を作ろうとしたって部品や材料無し。ロシア開発のクルマを作るなら、生産ライン全てやり直し。

おそらく日産や三菱自動車も同じような判断をすることだろう。生産を止めている欧米のメーカーもロシアから撤退していくと思う。ロシアの自動車工場をロシアが再開させようとすれば、そもそもプーチン政権(傀儡を含む)じゃ絶対無理。国体が代わらない限り戻らないかと。ということで現在ロシアでは新車でクルマを買うことは出来ない状況になっている。

一方、今のロシアであってもクルマは必需品。ということから日本からの中古車輸出が急増中! 驚いたことに為替レートは今年1月まで100ルーブルあたり150円くらいだった。しかし! 一時は106円まで下落したものの、直近では246円くらいまで上がっている。何と我が国の通過はロシアに対しても激しく安くなっている(泣)。ということは日本から中古車買うと超美味しい!

1月まで100万ルーブルで買えるクルマは150万円だったのに、直近の100万ルーブルなら246万円の中古車を買えてしまう。今年上期の対ロシア輸出額3000億円のうち、中古車が600億円を占めているほど活発な動き。2021年前期と比べても台数で150%となっている。今後もロシア向け中古車はさらに増えて行くだろう。中古車相場、ますます堅調か?

 

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3 Responses to “トヨタ、ロシア工場は止めていたけれど従業員ってトヨタの仲間。賃金は支払っていた”

  1. アミーゴ5号 より:

    トヨタのロシア工場での給与支給は、どこかのマスコミ記事で読みました。当然財務的には出超でしょうし、この先工場を畳む費用を考えたら。。。さすがに満額支給ではないだろうけど、お見事としか言いようがありません。

    また日産は、どのような対応をしているのかしら。もちろん会社判断の「正解」は、立場によって異なるからなんとも言えません。でももともと「上には甘々、下には厳々」の会社だから、大いに気になるところです。

  2. アミーゴ5号 より:

    ルーブル高、、、原因はロシアは輸入が減って黒字拡大だとか、金利政策がどうしたとか、いろいろ理由はあると思います。

    すっかすですね、
    世界中から経済制裁を受けている残虐非道のロシアのルーブルが強いのですから、核兵器だヘチマだと言う前に、人類の価値観自体、終わってますな。

    冬が来て、エネルギー問題が更に厳しくなります。人類は大きな馬さん鹿さん振りを更に発揮するだろうなと、達観したりして。。。

    もっともその先、ロシアに希望があるとは思えませんが。。。

  3. いき より:

    この問題はドル高が原因ですよ。
    アメリカの財政出動はいまや1000兆超えですよ。
    それに比べて日本は、、、
    コアコアCPI(エネルギー価格+生鮮食品除く)で2〜3%まで財政出動が可能なので毎年100〜150兆までいけますよなぁ。

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