トヨタの独走、広報戦略の上手さも光る。他メーカーは超ヘタです
トヨタ、もちろん頑張っているから高い評価を得ているのだけれど、そいつをキチンと伝えているのは広報戦略だ。欧州だとモータースポーツは「参戦費用9割。プロモーション1割」と言われる、せっかく参戦してもプロモーションしなくちゃ意味なし! メーカーとしての戦略も同じだと思う。トヨタ、メディアに大量の情報を流し、取材機会を作ってくれる。
モリゾウさんや佐藤社長も気軽に顔を出す。ウソ偽り誇張無くモリゾウさんが社長時代は毎月のように顔を見ていた。今は佐藤さんです。一方、日産内田さんは1回10秒くらい話をしただけ。行方不明説流れるホンダ三部さんなんか一度も無し。三菱自動車加藤さんはインタビューしました。スバル大崎さんもメディアに前に出てくるポテンシャル大きい。広報、もっと引っ張り出すべきだと思う。
三部さんだって案外良い人かもしれません。でも自分意見を自分の口で語らなければ状況を見て判断するしか無い。どんな人か解らず、失策に見えることばかりしていればドンドン印象悪くなって当然でしょう。折しも今週は富士で今やメーカーやメディアの社交界になっているスーパー耐久の24時間耐久レース。各社の広報がどんな動きをするのか大いに楽しみ。
といっても三部さんや内田さんと話がしたいワケじゃない。いやがっている人と話をしたって100%面白くないですから。佐藤さんの場合、レース出てると私のような老いぼれのピットまで見に来てくれます。今のシャチョウさんで期待できるのはトヨタとマツダ、スバル、三菱自動車だけ。もし良い人柄の社長が本当に居るのなら、出さない広報の失策だと思う。まぁ良くないのかと(笑)。
今週末は富士スピードウェイで24時間耐久レース。どれだけ多くのTOPの動きをメディアに報じてもらうかで広報の実力は決まると思う。
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メディアと上手にコミュニケーションが取れるトップならば、広報は安心して様々な場所に引っ張りだすでしょうね。一方、メディア慣れしていないトップだと、事前のブリーフィング工数が増えるし、下手すると、トップの喋りに関して、社内から広報へクレームが来る場合もあります。誰もトップにはクレームは言えませんので… 国沢さんのこの記事を読んで、顔をしかめている広報の人たちがそれなりにいると思います。
「数字に強い」「指導力・引率力に優れる」「圧倒的なカリスマ性」「決断力がある」等々恐らく世の中の社長に求められる要素は様々あるとは思いますが、こと自動車メーカーの社長には「広報能力」が求められそうです。
恐らく以前は本田宗一郎氏のような「突然変異のカリスマ経営者」が現れてもメディアのバイアスが掛かった情報しかユーザーが手にすることはできませんでした。
今はトヨタがそのまま直に発信することも可能。
「受け手がどう捉えるか」という問題点は残るものの、その気になれば「トヨタはこういう風に(明日を)考えている」というものをユーザーが受け取ることができる世の中になりました。
じゃあメディアの役割は「終わりの始まり」を迎えたのかというとそれも違うのだと思います。
トヨタがバイアスを掛けて発信することも可能となった今、より正確な情報伝達の仕組みができたともいえそう。
ここで生まれ変われないメディアが淘汰されるという。
本来の意味は違いますが「奢れる者は久しからず ただ春の夜の夢の如し」
さてトヨタは独自のメディアを持ったのですが、他メーカーは持っていません。
この辺からしても情報発信力にトヨタとの大きな差が出来てしまったように思えます。
もう現場ではほぼフル生産体制に移行しつつありますが、商品力もあることながら情報発信力でもトヨタ一強体制は不安です。
レースはガチガチの戦場であり、戦争という手段以外でのガチンコ勝負の場である!という性格のものもあれば、「現代では大人の社交場だよ」というものもあります。
S耐なんか現在は完全に後者に近い性格のレースだと思います。
接待ゴルフではないし、「大人が全力で真面目に取り組む」部分がスポイルした訳ではないですが、参加レーサーにメディア出身の方もプロレーサーも適度に混じり、非公式な「新しいこと」…それが社長や役員のうっかり発言だったり社外交流だったりがそこここで展開されたり。
こういう場でアピールできない自動車メーカートップは非常に厳しいと思います。
気軽に「うっかり」未来の話を公にする場がないことになりますから。
ピットエリアでただ単にニコニコ立っていればいいのではなく、ライバルメーカーの面々との2ショット・3ショット、挨拶やショートインタビューも求められます。
これが苦手な社長には試練の場になってしまうかも。
以前はモータースポーツって「参加することがアピール」というより「優勝だけが評価される」リスクが伴いましたが、S耐だと「うちもカーボンニュートラルに真剣に挑戦しています!」宣伝になる訳で。
だって「耐久レース」ですから。
24時間レースしたら10万キロ一般道走行したくらいの耐久性が試されますから。
完走したら即評価で間違いありません。
クルマと社長セットで「うちのカーボンニュートラル挑戦」の現場に立てないとなると「いくら記者会見でパワーポイントのパフォーマンスしても…」というのが個人的に私の評価(まあ毒にも薬にもなりませんが(笑))に繋がっていきます。