ドラポジにコダわるのもいいけれど私は基本さえ知ってればどうでもいいと思ってます
車載動画をアップすると「ドラポジがおかしい」と言うコメントが付くようだ。私の動画に書かれたモノなら瞬時に削除するけれど、クヨクヨする人も多いという。ドラポジってそんな大事なのかと聞かれたら、基本さえ知っていれば好きにすればいいと思っている。象徴しているのがWRCでGRに乗っているエルフィン・エヴァンス。ドラポジを見るとドラポジヲタクなら気を失う。
エヴァンス 写真/GR
めちゃくちゃハンドルに近い! ハンドルを抱え込むようにしており、シートだって直立に近い。結果、シフトレバーやサイドブレーキもヒジが90度以上曲がった状態で操作してます。乗る度にハンドルに手を伸ばし、手首のあたりにハンドルが来るよう調整する人を見かける。そいつが正しいドラポジだと思い込んでいれば気を失いくらい酷い。でもエヴァンス、速いですよ。
ちなみにWRCドライバーは公道最速である。TOPドライバーの車載を見ているとハンドルの操作方法だってバリエーション広い。左コーナーは右手が12時くらいの位置になったら持ち替えるように言われることもあるけれど、WRCの車載を見ていると7時くらいの位置くらいまで持ち続けることだって珍しくない。これまた速く走れればいいのであって、自分流で何ら問題ありません。
ただ基本は覚えておいて損なし。コーチしてもらったらその通りのポジションに合わせてみる。その後、テクニックが上達したら、自分流にしていけばいいと思う。参考までに書いておくとWRCドライバーが競技車両以外に乗るときも、腕を伸ばして手首に合わせるようなことなどしていない。自分の好みでポジションを決めている。そもそも気分によっても車種によってもドラポジは違う。
知ったか一等賞でグダグダ言うのはだっさいです。
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ドラポジ君は頭も身体も関節が固くなっているかもしれませんね。
日本人って形から入るじゃないですか?
ゴルフのスイング然り、野球のピッチング・バッティングフォーム然り。
細かいところだと走るフォームとか泳ぐフォームとか、解説が結構マニアなところまで至るので、視聴者のイメージ画像が頭に出来上がっちゃって「ドラポジ君」が誕生しちゃうんでしょう。
そんな私もエバンスのドラポジは極端な前ポジションで、確かに違和感を感じます。
あれじゃ視界も狭まってイカンのでは?と何度も思いますが、あれで何度も優勝していますし、世界チャンピオンまで惜しいところまで何度も争っている。
あれで正解なんでしょうね、としか言いようがないですね。
チームメイトのロヴァンペラは静寂を感じさせる不思議空間。
「ゆる体操」なる珍妙かつ効果的な体操があるのですが、あのリラックスした様子とGRヤリスがカッ飛んでいるミスマッチがそれを連想させます。
違和感あるけどあれが最も世界チャンピオンに近い人の走りなので「これも正解」だと思います。
今日からJスポーツのWRCラリー・ベルギーレビュー放送解禁ですが、私はオンデマンドなのでもうしばらく配信お預けです。楽しみ。
レビュー観ることができたので感想。
ベルギー現地取材の当事者である国沢さんの解説であったこと、私も5000万人ファンの一人である栗田女史のMCだったことで毎度楽しみにしています。
いよいよラリージャパンの日程も約2か月と迫ってきて、栗田女史が国沢さんを紹介する弄りもキレ味を増して来て面白いです。
レビューって結果が出た1週間後(オンデマンドは10日後)の放送なので、情報としては鮮度が落ちるし、興味のある人は結果が分かっている。
興味のない人はそもそも知りたいと思わないという難しい番組だと思っています。
日曜日に纏めて「今週の大谷翔平」を観るような感覚で、できればライブ、せめてその日のうちに活躍を知りたくなるのと心情が似ています。
月曜日のエンジェルスが勝ったか負けたか、それによって地区で何位なのかとかもう判らないです。
閑話休題。
でもなぜかこの黄金コンビだと毎回楽しく観てしまう魅力。
要所の見どころが判りやすいし、なんでクラッシュしちゃったのかとか私レベルのニブチンでも判るのです。
WRCイープル・ラリー・ベルギーでロヴァンペラ転倒しちゃってディリタイヤしちゃいましたが、それでも凄いと思うのがインタビューに対する「前向きな発言」。
クラッシュしたSSのスタートで、理由を聞かされずスタート時間が5分程後ろにずれたことがありました。
陸上競技なんかもそうですが、誰かがフライングでスタートやり直しとか理由が判っていてもイライラしてしまうのに、理由が明かされないのはキツイです。
スタートしてから約10km、クラッシュしてしまうのですが、その晩のインタビュアーが
「スタートが遅れたことがクラッシュの一因と考えますか?」という質問に
「いや、スタート時に良くない気持ちだったのは確かだが、そんなことはスタートしてしばらくしたら関係なくなるんだ、原因は2つ目のコーナーを少し楽観視して認識していたことだ」と原因は自分にあると答えました。
無事にロールケージにダメージなく、骨組みまでストリップして外板から組み立て直しの様子は国沢さんの写真でも紹介されました。
https://twitter.com/TGR_WRC/status/1560895428899618816
「あれだけのダメージを負ったマシンを戦える状態に直してくれたクルーのみんなに感謝したい。現にベストタイムを出すくらい調子がいいことを証明できた」
こりゃ凄い。
卑屈になったり変な結論で自分を擁護する訳でもなく、失敗は失敗として受け止めて次に生かす。
21歳の少年の面影がある若者が示しているんです。
王者にふさわしいだけの器まで持っているということです。
次戦悪路ポリス改めWRCアクロポリス・ラリー・ギリシャで彼にチャンピオンが決まっても驚きません。
我らがカツタネン選手も途中トラブルで後退するも、5位まで挽回できる実力は、確実に「線が太く」なってきていると思います。
こちらも頑張って欲しい。