フィットをメキシコで

ホンダがメキシコに工場を建てるというニュースが流れている。主にフィットを作るという。現在アメリカで販売している
フィットは日本の鈴鹿製作所で生産しており、現在のドル安だと完全にコストで厳しい。というか利益など上がらないだろう。今の為替レートだと当然ながら
フィットも海外生産しなければならない。

しかも今や世界的にECO(環境)でECO(経済性)が要求される。ホンダとしてもフィット級で利益を上げられる構造にしないと厳しいということです。すでにアメリカはホンダの工場だらけ。だったらメキシコに工場を、というのは自然の流れ。また、メキシコ工場で使う部品の多くはアメリカで調達することになる。

アメリカの工場を畳んでメキシコに行くというマツダとは違う。全く問題にならないだろう。むしろ困るのは日本だ。アメリカ輸出分のフィットがゴッソリ落ちて
しまう。ホンダだって好きこのんで海外に出て行くワケじゃない。あまりに円が高く、しかも日本の労働条件は厳しくなる一方。だったら海外で、となって当然。

このままだと日本の空洞化は止まらない。本来ならフィットに変わる車種を作れればいいのだけれど、今や日本で作らなくちゃならない理由など無し。鈴鹿製作所だけでなく、フィットの部品を作っていた企業も仕事が無くなることを意味する(大手はホンダと一緒に海外に出るけれど雇用という点
じゃ空洞化)。

そんな中、粘りを見せているのはトヨタ。アメリカ向けのヴィッツを日本で生産しており、フィットと同じく収益的に厳しい。
しかし東北に工場を造り、日本に留まろうとしている。被災した東北の雇用を作るという点でも大いに望ましいこと。あまり評価されることはないトヨタなが
ら、章男社長が頑張っている。

直近のドル安で「もはやこれまで!」と海外に逃げ出す企業が増えることを懸念する。本来なら国で被災した東
北地方を工場特区のような存在とし、様々な優遇措置を打ち出すべきだ。そもそもドル安や円高は永久に続かない。1ドル=110円になったら日本で作った方
がいいです。国は引き留める努力を!

・ECOカーアジアは「デミオの燃費計

<おすすめ記事>

6 Responses to “フィットをメキシコで”

  1. アミーゴ5号 より:

    全くそのとおりだと思います。
    アメリカも債務不履行の事態は回避(病状はそのままですが)できたし、元やウォンが安すぎるのも間違いのないところ。
    いつまでも円高が続くとは思えません。
    トヨタの東北での心意気には、頭が下がります。
    政府も頼むから、民間企業が動きやすいようにしてほしい。民間企業が自律的かつ軽快に動ける環境さええ出してくれれば、それでいいです。

  2. CVCC より:

    やはり、復興に五年で20兆といわれる費用捻出の為の国債を、円を増刷して日銀引き受けにするべきなのではないかと思います。
    円が増えれば1.円安が起き円高問題が解決2.インフレが起きてデフレ問題が解決3.円増刷による国債なので借金は増えない上に、復興事業でお金がまわるようになる
    と思うのですが、これをやらない理由、「変なこと」とかいう抽象的な理由ではない具体的な理由を、経済にお詳しいかたに教えて頂きたいです。
    ギリシャはユーロに加盟してしまっていたので自国でお金を増刷できない上に、国債の大半は外国が買っていたので今の危機がありますが、日本は今は円を増やして円安にもってゆき、それを復興に役立てる政策が必要かと思うのですが、どうなのでしょうか?
    なぜやらない、またはできないのでしょうか?
    経済に関してズブの素人ですが単純に感じた疑問を書かせていただきました。

  3. かず より:

    まさしくその通りかと思います。
    お金稼げれば、被災地復興費用も賄えますし、大概の悩みは解決!(^_^)/
    震災前から不景気です。今更ながら…
    目前の法案通したいのか立場守りたいのか、知りませんが、お金を稼いで家族を養う当たり前の事が解っていらっしゃるなら、本来やるべき事も見えて来るはずなんですが…、我が国のお偉いさん方(*^^*)(*`Д´)ノ!!!

  4. ケイイチ より:

    また失礼いたします。
    共生か、二者択一か?。
    ホンダの企業力はアメリカの生活レベルにおいて
    長年の〜バイクや低価格で故障の少ない自動車を
    供給してきた企業のイメージ。
    一緒にモータースポーツを楽しんできた「友」の
    ようなイメージがあり、生活への浸透度が深そう
    ですから。
    ある意味、アメリカが育てた・・もうひとつの顔
    なんでしょうね。
    多国籍民族の文化に溶け込んでいます。
    ホンダは・・稀なアメリカ市民権を勝ちとってる
    企業なんでしょう(気持ち的には)。
    街の・・ストリートの小さなバイクショップが、
    レースやF1にまで出ているって感じ!!。
    下町のバイク屋と世界的大企業が違和感なく両立
    されたのがホンダ。
    望ましい歴史ですね。
    愛されキャラなんですよね。
    東洋人に負けたからって、気心知れてて・・・
    ショットガン片手に報復にいこうとはしない!。
    こんな関係を築いたホンダは偉い。
    その他の企業は、どこか本拠地が日本の外敵とか
    思われていませんか。
    精神的なライバルというより、利害のみの商売敵
    ということです。
    (あくまでも・・米国の主観ですが)
    便利品の調達屋と扱われているから・・離れると
    信頼関係がブラックアウトしてしまう。
    ホンダが儲からないとアメリカの損でもあると考
    える・・そのくらい幼い頃から親しんできている
    (特にバイクとかは、初体験レベルのホンダ車)
    つまり・・ホンダは面白い奴!!なんですね。
    憎めない野郎タイプ。
    筋を通して(凄く勝利して)いるから!!。
    挑戦した同じ汗の共有感は強い絆。
    日本の会社は・・確かに儲けるために進出してき
    ましたが。友達なんて甘ったるい言葉じゃなくて
    ホンダが死力を尽くして戦った者達の共犯意識が
    ただただ・・凄いと思います。
    チョット本題から逸脱しましたが。
    ちなみに私はマツダ党!。

  5. あーさん より:

    トヨタは国内生産で次期型カローラを100万円以下、
    ヴィッツを80万円以下?で売ると言うのが本当なら
    トヨタは凄い
    部品メーカーに30%のコストダウンを
    要求しているとも聞きます。
    ヴィッツを東北生産すると発表したからには
    コストダウンの目途が立ったのではないでしょうか
    もの作りで諦めたら、そこで終わりです。
    トヨタは社会の公器として考えているのなら素晴らしいです。
    日本国内で生産する為に、血のにじむような努力を
    トヨタはしていると思います。

  6. G35X より:

    大変だ!9月号のコンシューマーレポートで2012年型ホンダシビックが推薦から外された。曰く、「デザインが古臭い、材料の質が安っぽい、走りが退屈でそれに比べたらプリウスでさえ元気一杯と思わせる… 従って、推薦できない」。
    これまで長い間小型車のお手本とされてきたシビックですが、ホンダの初心を忘れた経営方針のためシビックの棺桶に最後の釘が打たれたのでは? 頼みの綱はフィットでは少々心もとない。 アコードもカナダでは今年全般の中型車販売台数で現代と起亜の韓国勢やフォード、ニッサン、トヨタ、シボレーにさえ負けている。どうやらホンダとマツダが日本メーカーの落ちこぼれになりそうだ。 

このページの先頭へ