フォードの電気自動車部門4000億円の赤字。当たり前のことなのになんで皆さん驚くのか?

フォード本体から独立させた電気自動車部門が30億ドル(およそ4000億円)の赤字を出したという。多くの人は「電気自動車ダメですね」と思うことだろう。実際、電気自動車部門で赤字を出すのはフォードに限らない。トヨタを始め多くの自動車メーカーが「兆」単位の投資を始めており、本格的に電気自動車が売れ始めるまで赤字続きになること明白。

ここまで読んで「テスラは凄い」と思う人もいるかもしれない。何度か書いてきている通り、テスラにとって最初の巨大生産設備となるサクラメント工場はトヨタから”ほぼ”無償で手に入れた。生産ラインの大半も居抜きで付いてきたし、クルマ作りに慣れているレベルの高い従業員まで集めるのに困らなかった。各社巨額の投資をしている電池工場だってパナソニック側で負担。

その上でアメリカは販売台数に比例して一定の電気自動車の導入を義務づけており、二酸化炭素排出権の売買と同じく目標達成出来なければ電気自動車を売っていないメーカーは、売ってるメーカーから「クレジット」を買わなくちゃならない。トヨタもホンダもGMもフォードもテスラから少なからぬクレジットを購入しており、例えば2020年で2000億円にも達している。

現在進行形でクレジットを売っているため、未だに巨額の利益を得ているということです。テスラは先行者利益をタップリ受けているのだった。これだけ恵まれた新興メーカーは珍しい。トヨタとパナソニックで立ち上がりの巨額投資をカバーし、アメリカでクルマを売っているその他の自動車メーカー全てから補助金貰ったようなもの。イーロンマスク凄いです。

今後も電気自動車を立ち上げるメーカーの電気自動車部門は大きな赤字を出していくだろう。おそらく今後10年くらいそんな状況が続くと考えてよい。ということを知っておくと赤字に対する評価も変わってくると思う。

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2 Responses to “フォードの電気自動車部門4000億円の赤字。当たり前のことなのになんで皆さん驚くのか?”

  1. アミーゴ5号 より:

    今回の記事を読んで、テスラはおいおい衰退すると直感しました。

    こういう美味し過ぎる立ち回りやお金の集め方は、支払った側からすると煮え湯を飲まされているようなもの。「こっちは赤字だぜ。あの野郎、うまいことやりやがって!」という人のネタミやヤッカミほど、怖ろしいものはありません。

    EVが一般化しているであろう10年後、テスラのブランドは失墜している方に、自信満々1万ペリカ掛けます!

    と、まあ無責任かつ好き勝手に妄想しております。

  2. トヨタ車ユーザー より:

    テスラはモデル3より小さいモデルをリリースするといったものまだ発表されません。しかし、さらなるコストダウンが望めるアーキテクチャと生産技術を発表しました。
    いまいろいろな要因を利用しつつアドバンテージを持っているテスラでさえ、まだ技術的な仕込みを続けているところはさすがだと思います。
    ただ、自動運転技術を攻めたりオートパイロットをもっと正確なものにしてくれた方が助かる人が多く、皆喜ぶと思うのですが。。。

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