ホンダ、アメリカに於ける電気自動車戦略の概要が見えてきた。ホンダの興廃この一戦に在り!

アメリカはホンダにとって収益の60%以上(40%は新興国の2輪)を占める重要な市場になっている。アメリカと新興国の2輪が減益となれば、日本やその他の市場についちゃ収支トントンなので厳しい。そんなアメリカに於ける電気自動車計画のアウトラインが見えてきた。最後まで読んで頂き、感想や意見など貰えたら嬉しい。私は「少し出遅れたかな?」と思う。

まず最初のローンチは2024年初頭の『プロローグ』というGMから供給される全長4879mm×全幅1989mmというアメリカンサイズの大きなSUVとなる。電池はGMとLGで共同開発したアルティウムを採用。昨日も書いた通りホンダは2026年に30万台程度の電気自動車を販売しないとならない(規制対象地域は販売台数の35%)。プロローグのアキュラ版もあるようだ。

年間販売目標7万台。これだけだと2026年の30万台に届かない。どうするのかな、と思っていたら2026年にオハイオの工場3箇所でホンダ開発となる電気自動車の生産を開始するという発表を行った。投資規模は1000億円程度。この金額でGMから供給される7万台を引いた23万台の工場になるかといえば、そこまでじゃないような気がする。しかも2026年のいつなのか不明。

一般的には夏休み明けの操業開始なんだろうけれど、そこからフル生産に持って行くまでに時間掛かります。アメリカの規制は2026年に30万台。本来ならもう少しスピードアップしなければならないんだと思う。そして4年後の2030年に50万台規模に引き上げなければならない。これまたテスラ並に「進みながら地盤を固めていく」ようなイキオイが必要かと。

ホンダというメーカーの面白さは、気合い入れば驚くほどの強さを見せる点。だからこそ徹底的にダメだったF1のパワーユニットを3年でTOPクラスに仕上げ、4年目に頭1つリードさせてしまった。ただホンキになるまでは4年間で全く進化せず。ダメなホンダと素晴らしいホンダが鮮やかに別れた。ちなみにダメなのも素晴らしいのも責任者の人格次第。

電気自動車の指揮をどんな人が取っているのか不明ながら、F1の初期4年(開発期間を含め6年)ような「凡人」が担当してれば厳しい。逆にF1の直近4年を担当したようなメンバーで引っ張って行けば、厳しい排気ガス規制の時のようにホンダが先頭でゴールする姿が見られるかもしれません。新型車の開発だからしてどんな人が担当しているのか機密でしょうね。

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7 Responses to “ホンダ、アメリカに於ける電気自動車戦略の概要が見えてきた。ホンダの興廃この一戦に在り!”

  1. アミーゴ5号 より:

    もはや優秀な人や異才の人は、年齢でしりぞける時代ではないと思います。

    かつて年齢で一線を退いた日本人技術者が、どれだけ中国の産業に貢献しちゃったことでしょう。

    クルマには、開発責任者の人格と能力がそのまま宿ります。

    年齢を重ねても「引退するのはもったいない」という方はたくさんいますから、そういう方は大切に処遇して、今までどおり活躍して頂きたく思います。

    きっとこういう方々は「金はソコソコいいから、俺に面白い仕事を任せてくれ!」って、言うんじゃないかな。

    残念ながら今の日本の若手や中堅は、ゆとり教育とか失われた何年とかの影響で、層が薄いです。

  2. 常連 より:

    セガ・エンタープライゼスのドリームキャストと同じ末路をたどるでしょう。

  3. CX-60 より:

    今のホンダ車ラインナップからは少し離れたデザインだなと思っていたら、GM車なんですね。
    30万台も、EVを作らなければならない。
    それも、いまはアメリカでホンダはEVを売っていないから、ほぼゼロスタートです。
    クラリティBEVもあったりしましたが、もう少し頑張っていたら…。
    やはり数を求められた場合には、会社の規模が効いてくるのでしょうか。

  4. z151 サンバー愛好者 より:

    プロローグ(序章)なのだから、ここから怒涛のEVリリースがあるんじゃないか…とほのかに期待します。
    あまりアメリカの内情に詳しい方ではないので、またまたトランプ政権になってしまったらとか何も未来は読めませんが、「希望的観測」より「最悪の事態を想定して」がこの場合正しい気がします。

    情報としてホンダがまず出て来ましたが、伝え聞かない国産他メーカーの動向も気になります。
    ホンダでローンチ失敗気味!くらいなら他社だとピットからスタート!或いはスタートに間に合わず!!みたいなタイミングになります。
    タイミングに間に合いさえすればよい訳じゃなく、売れる魅力的なEVじゃなきゃ引っ込めるしかなくなってしまう訳で。
    今のトヨタだって気の抜けたようなEVしかリリースできないならフルラインナップEVもどうなるかわかりません。
    魅力的なEVが将来出てきたら我が家はどうするのか?
    当面はそういうEVをカーシェアリングで借りるのかもしれません。

  5. 川口太郎 より:

    えぇー!?
    ローンチがGMから供給されるEV?
    題名が「ホンダ、アメリカに於ける電気自動車戦略の概要が見えてきた。」と
    なっていたから、bZ4XやSAKURAの上を行く「これぞホンダ!」な
    新型EVが出てくるのかと思いきや、まずは「他人の褌で勝負」ですか・・・
    情勢を見極めてから後出しで巻き返そうという事でしょうか?
    そんな昭和のマネ〇タデ〇キみたいな戦略で良いのか?ホンダ!

  6. kyamaga1330 より:

    22歳頃から狭山工場、朝霞の研究所に出入りしていた頃と今では元気さが違います。
    都内の本社から狭山の自社工場に転勤になり、そこで免許も取りました。
    あの頃の活気はイケイケ感が充満しており、毎年に行う従業員のアイディアを披露する次期は、ホンダの若い社員がウチの工場で試作で毎夕来てました。N360のラインにS600など混じって生産でしたね。初めに入社した会社は18年で離れました当時は、ホンダのF1ではナイジェル・マンセルが大活躍で一番現場で熱狂した次代でした。
    現在の脱エンジンを掲げたけど、早すぎた気がしますね。対してトヨタはモリゾウさん自らハンドルを握る張り切る姿は、昔の本田宗一郎さんを思い出す熱の入れようは素晴らしい。エンジンの全廃は遙か先のことかと思いますね。ホンダも水素利用のエンジンでは実績があるのに何故か熱心にはみえない。強烈な指導力者がいないのが原因かも。もう少し元気になって欲しい。

  7. 査定君 より:

    誰も市販車SUVのEVに過大な性能など求めていないし
    ユーザーの興味は、所詮、航続距離の長さや価格といったレベル感です。

    デザインは、むしろ最近のホンダ車の中で最高の出来。

    スピード感が遅いのは問題ですが、内燃とEVのバランスを保ちながら、売上を維持していくかじ取りでしょう。

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