マツダのディーゼル

マツダはフランクフルトモーターショーで後処理に尿素水を使った乗用車用の4気筒ディーゼルをCXー7に搭載し、発表する。これまで4気筒ディーゼルは「触媒だけで排気ガスの浄化をする」というのが流れ。だからこそ日産もホンダもVWも苦労しているのだった。けれど尿素水を使えば比較的簡単にクリア
可能。

なんで4気筒は尿素水を使わないかというと、後処理装置が大きくなり、しかも尿素水タンクの置き場所に困るから。一方、2、5リッター以上の排気量になると、触媒だけじゃ排気ガスを浄化しきれない。だからベンツのV6は尿素水を使うし、トヨタが間もなくアメリ
カで発売しようとしているSUV用のV8ディーゼルも尿素水タイプ。

ちなみに尿素水タンクの容量は、2万km程度
の無補給距離を考えれば20L近く必要だと言われている。すでに日本でも大型トラックは尿素水を使っているため、高速道路のスタンドなら補給可能。価格も1Lあたり100円前後(不思議なことに軽油の価格にリンクしている)なので、コスト的な問題もなし。すぐに市販可能です。

少し前までジャーナリストの皆さんも諸手を上げて褒めていたディーゼルながら、ここにきて話にも出て来なくなってしまった。けれど大型のミニバンやSUVに代表される「重くて巡航時に大きなパワーを必要とする車両」は、ハイブリッドよりディーゼルエンジンの方が熱効率という点で有利。EVと共に重要なパワーユニットだと思う。

景気良くなれば大型の車両も売れるようになるだろうから、その時はディーゼルが注目されるようになると考えています。もしマツダの4気筒尿素水ディーゼルは手頃な価格なら、けっこう面白い存在になるだろう。何度か書いてきた通り、その場合、トルコン多段ATでなく、トルク切れのないツインクラッチATのような変速機が必要だ。

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