ライバルは強い!

ベストカー6月10日売り号用に「トヨタvsGMvsVW」という原稿を書いたのだけれど、取材していくにしたがいライバル達の好調ぶりばかり浮き上がってくる。もちろん震災の影響は考慮しない条件です。韓国と中国を上手に使うGMの手腕や、VWの低価格戦略(シュコダやセアトが強い!)を見ると「スゴイ!」。

このところ韓国勢の脅威ばかり紹介してきたけれど(もしかしたら前出3社に現代自動車を含め4社にした方がいいか?)、鮮やかに復活したGMも、世界戦略の再構築を始めたVWも超手強い存在。トヨタはすでに手を打っているが、「規模」と「早さ」をもう二回りくらいアップグレードしなければならないかもしれない。

何せ強いはずのアメリカでさえ、ヴィッツ級ハイブリッドを『プリウスC』と
いう車名で売らなければならないくらい厳しい状況(イメージ良いプリウスの名前を借りなければならない、ということ)。現時点でリードなど無くなった、と
トヨタも認識している。ヨーロッパはシュコダとセアトにやられる一方で打つ手無し。

これから出そうとしているトヨタの「新兵力」とGMやVWでスタンバイしている「新兵力」を評価すると、ライバルの方が物量で優勢。GMやVW、考え方が柔軟です。ヨーロッパ不調の大きな要因になっているディーゼルなどマツダから購入してくるくらいダイナミックなことを考えないとアカンです。

せっかく資本投入したスバルだって美味しいところを全く引き出せていない。安価なコンパクトカーは全てダイハツに任せるつもりだろうが、せいぜい新興国や発展途上国でしか通用しないと思う。アメリカや
ヨーロッパ、日本で高く評価されるコンパクトカーはスバルくらいの技術力がないと難しい。

自動車の面白いところは、抜本的に戦略変換すると2年で雰囲気が変わり始め、4年すればほぼ全てのラインナップを入れ替えられる点にある。私の知るトヨタの戦略は長くて2年先まで。もしかしたらすでに大きくサイドチェンジし、攻撃に入っているかもしれません。だったら余裕で間に合います。

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7 Responses to “ライバルは強い!”

  1. アミーゴ5号 より:

    ドイツ車を長期に保有したことがないので、知識や憶測にとどまりますが、ドイツ車の超強固なボディ剛性が、最大の武器であり最大の弱点だと認識しています。
    初期のVWゴルフは、ボディをスポット溶接に接着剤を併用してガッチリ固めていたと記憶しています。また最近は、レーザー溶接を多用していますから、超強固なボディが形成されています。トヨタがガズーで施す補強は、VWから見れば子供の遊びみたいなものでしょう。
    またドイツ車の中高速域の圧倒的なポテンシャルは、まさにボディ剛性の賜物でしょう。 おそらく旧世代のシャッシーを使うセアトあたりも、最新の日本車よりもボディ剛性に優れ、遥かにポテンシャルは高いのでしょう。
    一方弱点はというと、ボディが固ければ固いほど、ショック・ブッシュ・マウント類への負荷がデカイ!つまり、ヘタリが早いという事です。加えて一旦ヘタり始めると、強固なボディ+くたびれたゴムという組合せが、更にヘタリを悪化させ性能劣化が進むという「悪循環」に陥ると感じています。
    一方で日本車のいなしボディ、もとい、ゆるゆるボディは、低速域の乗り心地や、経年劣化に効いていると思います。
    やはりクルマにも、様々なお国柄や個性が出るので、いろいろな特徴を楽しみたい!というのが消費者としての感覚です。

  2. 小林 英弘 より:

    …そうなんですかねぇ? 少なくとも日本市場ではVWなんかはかな〜り割高な印象を受けますが。先日、高松のファーレン高松(VWとアウディを取扱い)のショールームにアウディの超カッコイイ真っ赤な4座オープンカーが飾ってたのでちょっとお店に入って見せてもらいましたが高い高い! その横に飾ってたフィット位のコンパクトカーも高い高い! この超強気の価格設定は何!?て思いました(あんまり外車に興味ないので車名は知りませんでした(笑))。乗ればいいクルマなんでしょうが…ウチみたいな田舎では「お金持ちの買うクルマ」って印象です。クルマの出来はいいのでしょうが、「価格」も大事な要素だと思いますが…。

  3. 小林 英弘 より:

    …昨日のコメントとは変わりますが、VW車のトランスミッション(「機械式2ペダルMT」と言うのでしょうか。普通のトルコンATじゃないと営業マンに説明されました)は素晴らしいですね! ちょっと三車線の路面状況の良好なバイパスを試乗しただけですが、いつ変速したのか分からない超スムーズな変速で超快適でした。こんなクルマを「低価格戦略」でバンバン売られたらさすがのトヨタも苦しいかな…と思いました。VW(とアウディも同資本でしたっけ?)ももっと売れていいと思います。ただ正直…ちょっと高いですよね(笑)。ホンダ好きの私なら「同じ値段ならインスパイアの中古を…」になりそうで怖いです(笑)。

  4. 小川敏正 より:

    BC誌OBでもあり、現在も寄稿されておられる方のご意見をいただければと思い、以下。
    BC誌には毎号といっていいほど誤記が見受けられます。記事の校正態勢がどうなっているのか不思議でなりません。
    誤記の頻度は他の雑誌の比ではないと思います。訂正の記事を見たこともなく、
    誤ったままの記事が タレ流し です。
    読者としは、記事のクオリティ向上以前に出版に対する編集者としての資質向上をのぞみたいのですが。

  5. はな より:

    買うときの初期費用はまあいいとしても、日本では外車というだけでまったく同じことをするのに整備費用が未だに高い。部品の値段も同様。未だに関税がかかっていると勘違いしている人もいる。
    そういうせこい商売をやめて国産車と同じレベルに落ちてくれば十分に魅力的な商品になるのに、売る側が外車は特別でお客が余計にお金を払ってくれると思っている。
    そんな現状では、たとえいいクルマであっても日本車のシェアを奪えないと思います。利益率の設定が高すぎますよ。

  6. アミーゴ5号 より:

    VWゴルフに何日か乗る機会がありましたが、やはり過給型小排気量エンジンとオート多段MTにも、長短があると思っています。
    長所は、トルクフルなパワーと低燃費性能の両立でしょう。特に中高速域では超剛性ボディと相まって、ダイレクトで素晴らしい走行性能を披露してくれます。
    一方短所は、小排気量エンジンなので、エンジンブレーキが効きません。山坂道の下りでは、フットブレーキの出番がかなり多くなります。また街中のゴー・ストップでは、過給が効く前の出だしが鈍い反面、過給が効き出してからの押し出し感が強いので、ギャップを感じます。
    特に車庫入れやバックの際は、ATの様にトルコンがないため、エンジンとミッションのダイレクト感、加えて超剛性ボディの固さが裏目に出て、ガックンギクシャクしてしまいました。
    (もし国産車でこの仕上がりだったら、評論家の皆さんの評価は、相当辛口になると思います。何故か舶来物には甘いんですよね〜)
    やはり、全てに万能という訳ではなく、強みは弱味だし、逆もまた真なりだと思います。

  7. out-back より:

    かつてのマークⅡあたりを源とした応接間自動車路線がミニバンの登場で一気に加速して、日本で売れる車と海外で売れる車の差が大きくなり過ぎ、開発技術も分散されて、海外での日本車の存在は薄くなっている。
    ハイブリッドだって、プリウス方式はあのくらいのボディサイズでストップ&ゴーの多いところでは燃費は良いが、他外国ではそれほど優位性が出なかったり、ミニバンだって室内のいろいろな工夫にこだわってわかりにくい。
    もっとバンバン走れて豪華なミニバンがあれば中国でも売れそうな気もする。
    開発する人たちが諸外国へ行って、そこの道をどんどん走って朝も夜も走って感じてもらいたい、それでまず走れる車を作ってから、走らなくても良い日本向けはそこから削り落としていけばいいんじゃなかろうか。
    それとも今はもうそうなっているのでしょうか。
    近頃妙に日本風味(目だった特長が無いかっこよさ)を意識しているように見えるVWはまだ潜在力がありそうに思います。

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