世界的不況か?
リーマンブラザースのチャプター11(米国の会社再生法)で日本の経済情勢は一段と厳しいことになるかもしれない。なんせ出てくる指標は原油価格の下落を除き悪いことばかり。特に自動車産業にとって厳しいのが、ドルとユーロの下落である。
景気良くない我が国ながら、自動車メーカーに代表される国際優良企業の頑張りもあって対外的に見ると超堅調。国家は「この国の終わり方」で書いてきた通り、破綻寸前な状況にあるのだが、優れたモノ作り技術のおかげで潤沢な利潤を上げてます。
したがって日本の通貨である円も堅調なのだ。だから円の価値が落ちない。上がるんでなく、落ちない。されど円高になればさすがの日本製品も価格競争力が落ちてしまうため、重要な収益源となっている海外での販売を落とす可能性出てくる。
も
ちろん短ければ半年。長くても2年程度の短期的な「世界的不況」だからして体力さえあれば、それほど深刻じゃないハズなのだが、今や体力が無い状況。すで
に関西の大手BMW正規ディーラーや、富山日産モーター、トラスト(チューニングパーツメーカー)など破綻する自動車産業も出てきた。
今回の”大波”を乗り切れれば、技術で乗り切れる穏やかな大海原と新天地が待っているの思うのだけれど……。
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私の個人的な意見ですが、近年の為替はファンダメンタルズを反映したものとは言えなくなっていると感じています。
以前、日銀が為替介入していましたが、近年行っていないと発表しています。しかし、それに代わって財務省が行っている円キャリートレードによって円の実行レードは実体経済力よりもかなり円安な状態です。
したがって、自動車産業など輸出産業の収益は下駄を履いた状態が続いたわけです。
ここにきて急激な信用不安により円キャリーの巻き戻しによって円高になったように見えますが、これでもまだ実行レートでみれば円安状態でしょう。
まぁ、どんな産業でも保護された状態では成長はありません。円安で保護されていた産業も然り。
正常な為替状態で収益を上げられてこそ、本当の国際競争力だと思います。