先日まで「閉鎖は決まっていない」言い張っていた追浜工場、やっぱり2028年3月までだった

日産追浜工場閉鎖のニュース、大腸カメラ検診あったので大きく出遅れました。プレスリリースによれば「経営再建計画Re:Nissanで推進するグローバルな生産拠点の見直しの一環で同社の追浜工場における車両生産を2027年度末に終了する」とのこと。最近まで「閉鎖する工場は決めていない」などと言っていたのはウソだったワケです。決まっていた話だった。

日産車体湘南工場も閉鎖決定です

何度か書いてきた通り追浜工場の稼働率を考えれば存続など無理。それでも日経やNHKが「キックスの生産を行う」とか「鴻海車の生産を委託される」などというつスクープしていたので、日産は考えなおしたのかと思っていた次第。報道、信じた人も多かったようだけれど、私は7月7日に「難しい」と報じた。鴻海車を作っても日本じゃ売れないし、輸出だって出来ないです。

追浜工場はノートの生産ラインしかない。ノートのプラットフォームってルノー開発。したがって生産ラインの柔軟性無し。2028年3月は現行ノートの生産終了を意味するということでもある。他の工場にルノーのプラットフォームを使うラインを持って行くのも面倒。そして今後2年8ヶ月ほど、赤字の工場を抱えることになる。そんな余裕あるんだろうか?

NHK報道を受け7月7日書いた記事

それともすぐ工場を縮小し、違う土地の利用方法を考えるだろうか? だとしたら少し明るい話になる。いずれにしろ今後3年近く工場閉鎖による縮小均衡効果は期待出来ない。その他、どんなリストラを考えているんだろうか? 最近エスピノーサ社長のインタビュー記事も出ているけれど、どこも「インタビューさせてくれてありがとう」。突っ込んだことを聞いていない。

日産再建に向けた動きは本格的と言えない。というか、モータースポーツや宣伝戦略は健常な時と同じまんま続けている。抜本的な対策だって無し(工場閉鎖は効果あるが3年近く掛かる)。一方で世界販売台数はジワジワ落ちている。エスピノーサさんで大丈夫かいな、と思い始めている。こんな状態でトランプ大統領がメキシコとカナダからの自動車関税をひき上げたら厳しい。

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4 Responses to “先日まで「閉鎖は決まっていない」言い張っていた追浜工場、やっぱり2028年3月までだった”

  1. アクシオム より:

    まぁ日経の経済ニュースのスクープは、よく外すので話半分でしょう。日経の政治ニュースのスクープは専門じゃない割に当たるようですが・・・

    追浜工場の閉鎖はやっぱり生産工場のみでしたね。
    いずれ国道357号が、八景島から海を越えて追浜工場のグランドライブ脇から生産工場を掠めて延伸されるので、ちょうど国道の延伸と合わせて整備されれば、有力なデベロッパーに売却できれば良好な開発が期待できるんじゃないですかね。

    追浜工場の生産工場を閉鎖するとなると、横浜工場だってあまり必要なくなるでしょう。横浜工場で生産されているエンジンって、それこそ追浜工場生産しているノート用のHR12DEや、8月で新車の生産・販売を終了するR35GT-R用のVR38DETT、あとエクストレイル用のVCターボエンジンとか、リーフ、セレナe-POWER用のモーターですから、ぶっちゃけ横浜工場じゃなくて、いわき工場や愛知機械工業にすべて移管してあげてもいいでしょう。

    まだやれることはあるし、その前に出せるんだったら新車、とにかく出すしかないでしょう。

  2. あきこ より:

    先日、新たな8千億円規模の社債の発行が決まったニュースが出ましたよね。
    購入したのは、海外の投資家と記事になっていますが、当然この辺のリストラ策は説明されていると思います。
    いくら条件(金利や株式転換)が良いとはいえ、今、日産の社債(格付け会社からジャンク扱い)を買うのはかなりリスクがあると思うので、ホワイトナイトが決定していると見て良いと思います。
    今は、最終条件交渉をしており、情報を小出しにして、観測気球を上げながら、やっていると思います。
    追浜も閉鎖とは言わず生産終了(閉鎖と何がちがうねん)としてソフトな印象の発表をして、また次にネガティブな発表を繰り返していくんだと思います。

  3. よしこ より:

    工場のリストラについて、国沢さんのお見立てどおりになりましたね。
    日産は全世界での生産能力を250万台規模まで減らすそうですが、そうなると存続のためには利益率の高いプレミアム路線しかないと思われます。
    しかしながら、ここまで低迷したブランドを立て直し、高収益体質に持っていけるのか疑問です。値上げばかりでは、ますますソッポを向かれかねません。
    長年の日産ユーザーである私は、モデル廃止で買い替える車がなくなり、次は他社メーカーと決めています。こうして愛想を尽かして一度離れてしまった一般ユーザーが、そう簡単に戻ってくるとは考えにくいです。
    私は日産のVQエンジン(V6)の回転フィールが好きだったのですが、今時はどこも直4が主流ですし、日産にこだわる必要もありません。
    さらに言えば、車選びにおいて性能や機能も大事ですが、個人的にはデザインとボディカラーのウエイトが大きいです。「おっ、いいな」と思って、それから諸元を調べ、評論家の皆さんの批評も参考にして購入を検討します。この点、人それぞれ好みが異なるとはいえ、日産は弱いなと感じます。下手なマーケティングをするよりも、感性に訴えるようなデザインとボディカラーを徹底追及してほしい。そこで初めて「技術の日産」というフレーズが生きてくるような気がします。

  4. アミーゴ5号リリボーン より:

    それにつけても日産は、ゴーン後期におフランスが乗っ取りを掛けていてからというもの、やることなすこと、精気がないというか、似非セレブ共の草刈り場というか、ユーザー軽視というか不在というか、手前味噌というか、超近視眼的経営判断というか、リスクから逃げまくりというか、筆頭株主のケツまくりというかなんというか。。。

    何しろ日産経営陣は、社外から集めた超優秀なエリート集団ですから、令和の日産は間違いなく経営の教科書に載るでしょう。

    人の情熱や愛情といった心を全く顧みない、無責任経営の大失敗例として。

    日産の動向や社長コメント、情報操作を見ていると、いかにもAIがアウトプットしそうな、抑揚の無いまことしやかな内容でイライラしてしまう。

    少し前にホンダの夢追い社長が、生成AIを使ってデザインしたいと言っていたけど、日産の経営企画担当も、AIを使って経営しているんじゃね? とマジで妄想しております。

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